しろぽん少年合唱団

茶つみ 文部省唱歌
                       僕の声変わり

 小学校6年生の春、音楽の授業でこの歌を歌った。
 教科書に載っている歌では珍しく日本古来(でもないだろうが)
からありそうな和風の曲であり、そのダルな旋律はいやが上にも、
眠気を誘った。この曲は和風の中では「高音」で軽快な曲ではある
が、他の曲に比べればだるかった。
 それはともかく僕はこの歌を歌う段になってビックリした。
 声が出ないのだ。
 今までは「歌が下手だ」とは云われたが、下手なりにも歌えない
歌なんてものはなかった。だがこの曲だけは喉がつかえて、クラス
メート、特に女子のように模範的に歌うことが出来なかった。
 僕はこの異常事態にずいぶん悩んだ覚えがある。
 声変わりの存在を知ったのは、その直後にあった性教育であった。
グリーングリーン 作詞/片岡輝
作曲/マックガイア.スパークス
                  悲しみはアップテンポで・・・

 非常に明るいアップテンポな曲。多分これはアメリカ人が作った
んだろうな。根拠はないが、そう思う。で、軽快に歌ってはいける
けど、非常に寂しく哀しい歌。なんせお父さん死んじゃうからね。
 それでもあくまでも明るく、主人公である子供は「拳を固め、胸
を張って」明日に向けて頑張るよ、と。
 いやあ、いい歌じゃないの。
 からっと明るくめそめそしない感じ、いいねえ。
 ここはむしろ泣かさないような造りだからこそ、かえって哀しく
胸に残るんだろうねえ。僕は日本人だから「大きなのっぽの古時計」
の如くじめじめしたお涙頂戴歌も勿論好きだけど、こういう草原の
上で亡き父に誓う、というスタンスもそれに劣らず好きだったりも
する。
おお牧場はみどり 作詞/中田羽後
作曲/チェコスロバキア民謡
                        腕白少年の慕情(?)

 小学校の時、「みどり」という同級生がいた。まあ当然のことな
がら女子である。勉強はそうそう出来た記憶はないが、非常に博識
な人で社会科の壁新聞などではしばしば驚かされたものだ。
 さて、ここに僕の相棒である男子が登場してくる。
 彼は勉学がからっきしな分、奸智と腕力に長けた奴で色々な意味
で怒らせたくない奴だった。
 その彼がどうした訳か、彼女をからかう替え歌を作るのである。
勿論ベースは彼女の名が出てくるこの「おお牧場はみどり」である。
小学生ならありがちのことではあるが、これが妙なことに彼はその
聞いてるだけで胸糞悪くなる下品な替え歌を、彼女本人や他の男女
には云わず、相棒たる僕に聞かせるのだ。
 これはまったく異例なことで対象に辱めを与えてこそいじめ(今
で云ういじめとは違い、要は一時的なからかいである)は面白いの
であり、関係のない僕だけに教えても面白くない筈だ。
 ひょっとして彼は彼女に好意を抱いていたのかも知れない。その
裏返しでいじめようとはするが、本格的に嫌われてもまずい、そう
考えたのだろうか。
 すべてはもう解らないことだが、そう考えると何となく可愛しい。
みかんの花咲く丘 作詞/加藤省吾
作曲/海沼実
                              イントロ大脱走

 昔、進研ゼミなるものを取っていたことがある。あの勧誘漫画に
負けたのである。あのワンパターンの勧誘漫画、今でもばらまいて
いるのだろうか。
 ともあれ、その読者コーナーで「みーかんのはーながさーいてー
いる」とかいいながら山を登っているイラストがあった。
 僕はこのとぼけた何の意味もないフレーズが妙に気に入り、その
後口癖といわれるまでに乱発した。具合の悪いことを突っ込まれた
ときに、目を斜めにそらして歌って誤魔化すのである。
 例えば「山ち、黒板消すからゴミ捨て行ってくんない?」と日直
の相棒が云った場合、すかさず目を斜め45度上に向け(絶対相手
を見てはいけない)「みーかんのはーながさーいていーる」と歌い
ながらその場を立ち去るのだ。
 注意しなければならないのは「さーいてーいる」で相手との会話
圏を脱さなければならないのだ。
 何故って?・・・その先の歌詞を知らないからサ。
たなばたさま 作詞/権藤はなよ.林柳並
                      WHAT'S ”SUNAGO”

 ささのはさーらさら、ってね。
 ああクーラがなくても平気だった少年時代。窓から教室を抜ける
一筋の風が教室の前の方に飾ってある笹を揺らす。その音を聞いて
いるだけで涼しくなれたっけ。
 え、なんで教室に笹があるかって?
 そりゃ僕のクラスにはパンダがいたから、というのは嘘で、七夕
にむけて笹にお願い事の短冊かなんかでコーティングしなかった?
必ずクラスに一人は「世界征服」とか書く奴がいるんだよな、短冊
にさ。子供ってホント馬鹿だよなあ。某山田は「天才になりたい」
と毎年書いたらしいけどさ(赤面)。
 ところで「きん、ぎん、すなごー」の「すなご」って何?
 知ってる方は「官庁街」の「オンブズマン事務所」まで。
もみじ 作詞/高野辰之
作曲/岡野貞一
                     僕らはCDじゃないぞ

 小学校低学年の頃、朝の会と帰りの会(要するに中高のHRね)
で「歌の時間」があった。これは何かというと、クラスの音楽係が
毎週指定曲を選びそれをオルガン演奏に合わせて歌うのである。
 2年生の頃、どうした訳か音楽係の女の子がこの曲を気に入って
しまい、毎週この曲を課題曲として選択した。
 1日2回、週に6回(この頃は週休2日なんて洒落たものはない)
飽きもせず毎日これを歌うのである。不思議なことだがクラスから
不満の声は漏れても、それは極親しい仲間内でささやかれる程度で
公然と盾突いた奴はいなかったと思う。
 暴君だった担任がこの歌を好きだったのか、係の女子がすぐ泣く
子だったのかは知らないが、雪が降って梅が咲く頃になっても僕ら
は秋の歌を歌い続けた。
 そのせいかこの歌は完全に暗記している。
 ・・・といいたいところだがちょっと詰まってしまった。10年も歌って
ないとそれは忘れるわな。それでもイントロを見れば全部歌えた
あたり、洗脳って怖いよな。
小さい秋見つけた 作詞/サトウハチロー
作曲/中田喜直
                           うつろな目の色

 秋ってのはもの悲しい季節だよね。
 四季の中で一番短い(と思う)し、日毎に寒くなって行くばかり
だし、なんとなく物悲しさを覚えてしまう季節である。気分はすっ
かり憂鬱になってしまい、ついつい古本屋でもペシミスティックな
本を選んでしまうではないか。
 さて、そんあメランコリーな秋を表すにピッタリの物悲しい曲が
これ。僕は初めて知ったが2番の歌詞が凄い。
 共通部分を省いて引用すると「お部屋は北向き/曇のガラス/ 
うつろな目の色/溶かしたミルク/わずかな隙から秋の風」で、
「小さい秋見つけた」と続くのである。
 いやあ、やっぱり秋は物悲しい。
 でもこの情景を想像すると、ちょっと怖すぎ。
赤とんぼ 作詞/三木露風
                   わたし,吉野屋の味方です

 僕の知っているある街では「マクドナルド」と「吉野屋」がほぼ
隣接し、昼食バトルを繰り広げている。客の入りなど見ていると、
やはりマック有利のようだ。
 僕は米じゃないと食った気がしないので吉野屋しか行きませんね。
食べることは食べますが、そんな時も最近は小金が入ってくるので
「やっぱモスもいいけど、今はフレッシュネスバーガーだね」と 
ほざいてます。
 んで、俄コンサルタントの僕が思うにだね。ここで吉野屋は和風
を全面に出して店頭で「赤トンボ」や「ふるさと」をかければいい。
多少店が辛気くさくなるが老若男女、ナショナリズムに目覚めて、
吉野屋に駆け込むに違いない。
 僕は紅白歌合戦で由紀さおりか何かが歌う童謡が大好きだ。日本
民族としての血が騒ぐね、アレ聞くと。
 まあ、それでもダメなほど日本人の欧米かぶれが進んでいるなら、
ドナドナでも流してやればいい。あれを聞きながら牛肉食えたら大
したものだ。
 「吉野屋も牛肉を使っている」とつっこまれると困るが、そんな
お客さんにはお新香90円でも食べて貰おう。
あわてんぼうの
サンタクロース
作詞/吉岡治
作曲/小林亜星
                                 踊るなよ

 童謡の本をめくっていると、時々意外な人が作詞作曲に携わって
いたりして面白い。
 マルハのCMに出てくる丸坊主の怪しいオッサンが作曲家という
ことは知っていたが、この有名な曲の作曲家とはしらなんだ。こう
いう驚きはなかなか心地よい。
 日本の童謡にもたくさんクリスマスソングがあるけれど、この曲
が一番人気なのはひとえにそのユーモラスさと、脱宗教性だろうね。
案外忘れられているけどクリスマスはキリスト教の教祖誕生日だし、
サンタクロースは実在の聖人でしょ?
 それを事もあろうにおっちょこちょいの性格にしてしまい、日付の
間違いを子供に指摘されると、踊って誤魔化してしまうという愛すべ
き性格! 本家クリスマス用の賛美歌系であるライバル曲に比べる
とやはりこのお気楽さが子供の耳に心地いいのだ。
 日本人にとって、クリスマスは宗教行事ではないのだよ。
お正月 作詞/東くめ
                                  替え歌(1)

 80年生まれの僕が子供の頃に聞いた替え歌を記す。大意はみな
さん当然知っているだろうが、地方や年代により微妙にバージョン
が違っていたりして面白い。
 児童民俗学的に見ても大変タメになる記録である。

「もーいーくつねーるとーおしょうがつ
 お正月には餅食って、喉に詰まって死んじゃったー
 はーやーくーこいこい霊柩車」

 霊柩車は救急車という説もあるが、悪ノリの好きな子供の心情を
想って前者にした。リアリティーの点から云うなら勿論救急車なの
だが。
 どうでもいいが、二十歳にもなってこんなことを書いているとは
赤面の次第である。
うれしいひなまつり 作詞/サトウハチロー
作曲/河村光陽
                               替え歌(2)

 調子に乗って替え歌を続ける。
 ここんところ心理学的に見るとどうなのかな? 自分でも子供っ
ぽいとか思っちゃったりしてるけど、ま、そうでもなけりゃこんな
ホームページはつくらんよ。
 さて、今回はこうだ。

「あかりをつけましょ仏壇に
 お花をあげましょ菊の花
 五人来たのは坊さんよ
 今日は楽しいお葬式」

 ホント、なんて子供は残酷な話が好きなんでしょうね。
 大学で教職なんてとってると「子供は純真な天使」との妄言を頭
から信じているアブない教官が時々いるが、その純真さが虫を好奇
心だけでバラバラにする感性と表裏の関係にあることを、彼らは気
がついていない。
もりのくまさん 作詞/馬場祥弘
アメリカ民謡
                                 替え歌(3)

 まだまだやります。
 我々80年代世代の集合的無意識が作った世紀の改作はこうして
僕のしがないHPの中でも生かし続けねばならないのです。という
訳でヒンシュクにもめげずに頑張ります。うーんパラノイア。

「あるーヒンケツ
 もりのなかんちょ
 くまさんにんにく
 であーったんそく
 はなさくもーりーのーみーちんぽこ
 くまさんいでーあーったんこぶ」

 解らない人には全く解らない歌ですね。厳密に云えば替え歌じゃ
ないし。
 ところで、実はこの歌には「禁断の替え歌」というのがあって、
これはクマが女の子に***をしちゃうという替え歌なんだけど幸
か不幸か僕はすっかり忘却したので書けません。ゴメン。
静かな湖畔 作詞/不明
外国曲
                         替え歌(4)

 童謡エッセイもネタが切れたか、といわれそうですがまだです。
 ただ今回はねえ、ちょっと躊躇しているのよ。いやちょっと許容
できないほどエロい替え歌でねえ。勿論ここに掲載している替え歌
は僕が小学生の時に流布されたメジャーな奴だから知っている人も
多いと思うけど、いいのかな?
 ちなみにこの替え歌は「タモリのボギャブラ天国」でやってたり
したから有名なんだけどね。途中まではこうです。

「静かな湖畔の森の奥から
 男と女の声がする」

 どう、先を聞きたい?
 こっから先はどうか知ってるお友達に聞いて下さい。

      by 18才未満にも優しいHP造りを試みる山田大佐
ドレミのうた 作詞/ペギー葉山
作曲/R・ロジャーズ
                        替え歌(ファイナル)

 しつこいほど続いた「古典替歌保存会」の活動(?)も遂に今回
でファイナルである。ファイナルの機会にとんでもなくエロい奴を
紹介しよう。
 これを作ったのは僕の所属した高校演劇部のメンバーだ。文化部
にしては珍しく全員男子だった。
 こいつらが作った歌詞をまあ見て下さい。

「ドは童貞のド
 レはレイプのレ
 ミはミルクのミ
 ファはファックのファ
 ソはソープのソ
 ラは乱交のラ
 シは四十八手ー
 さあ、ヤりましょう」

 というもの。滅茶苦茶である。
 男ばっかり7人も集まって放課後こんなことばかりしていたので
ある。今思い出しても「男臭い」生活であった。
つばさをください 作詞/
作曲/
空がこんなに青いとは 作詞/
作曲/
ドナドナ 作詞/安井かずみ
作曲/セクンダ
                         明日はハンバーグ

 でたあ、ファナティックな菜食主義者が作ったかと思うような 
嫌な嫌な気分になること請け合いの曲。屠殺場に赴く家畜を歌った
哀々たる詞にメランコリックな曲。子供の心に深い原罪意識を植え
付けるに最適な代物である。気の弱い子供は肉を食えまい。
 そう、この曲こそが「大きなのっぽの古時計」「小さな木の実」
と並んで、小学生の女子を「歌いながら泣かせる」恐怖の三大歌曲
の一つである。あとの2つが清涼感と共に泣けるのに対して、この
ドナドナは歌い終えても余計気持ち悪くなるだけで、二重に悪質で
ある。
 そうそう、これにも替え歌があるんです。
 ラストの部分で「ドナドナドーナードーナー明日はハンバーグ」って
いうの。傑作でしょ?
作詞/
作曲/
一週間 作詞/
作曲/
おどろう楽しいポーレチケ 作詞/
作曲/



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