本施設概要 |
結婚に興味のない僕の書くエッセイいきなり頭をはたかれそうだが、僕は20年間も生きてきて、結婚式(正確には結婚披露宴)に出たことは一度もないのだ。友人の中にも結婚した奴はいない(みんな大学生だからね)。親戚に適齢期の人がいなかったので、結婚を前にしてどんな苦労があるのかも知らない。さあ、そんな僕が結婚について書こうというのである。 それでも「キリ番記念、リクエストを出されればなんでも書く!」と大見得きった手前、手を抜いたり滅茶苦茶な代物を提出するには僕の誇りは高すぎる。 そこで安全牌を取ればもう安全。 結婚も大きく2つに分けて、「結婚式の式次第」と「特殊な結婚形態」に分けた。前者は結婚式でのファッションや食事について、後者は出来ちゃった婚や職場結婚などについてのエッセイだ。 さて、それではこれよりはじまる結婚エッセイ。 どうぞお楽しみに。 追記・ちょうどこれを書いた日に、昔の知人が結婚するという未確認情報が届いた。めでたいことである。 |
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見合と恋愛 |
お見合復権主義者恋愛結婚が大流行なそうだね。まあこれだけメディアで恋愛が奨励され、一人身でいると「魅力のない奴」とか「欠陥のある奴」などと思われる強迫観念的な恋愛至上社会では当然だろう。 それに伴い古来ゆかしい「お見合い結婚」の地位も相対的に落ち、旧弊的だとか差別的だとか、例によって強迫観念的に「自力で相手を見つけられないモテない奴らがやるもの」というレッテルが貼られてしまっている。 ところが僕はお見合い推進派なのだ。 ま、だからといって「僕は見合いで結婚します」と今ここで宣言するほどファナティックではないが、お見合に関する理解はある。 これはバラ職人氏と前に話した時に出た意見だが、彼曰く「恋愛結婚の割合と離婚率の上昇は一致している」というんだね。バラ氏は多くを語らなかったが、大意は読み取れる。 恋愛なんていわば一時の熱情である。驚くのは結婚した人のそれに至る交際期間が1年にも満たないことが往々にしてあるという。なるほど、それでは別れるだろう。熱病にも似た気持ち以外に何の裏づけもないからだ。 お見合は期間としては短いが「結婚を前提とした意思」がある。当然、交際中は真剣勝負となる。ある程度、場を踏めば相手は必ず素の自分をさらす羽目になる。それがよきにつけあしきにつけ。 僕は現代の拙速な恋愛結婚は「たまたま適齢期に付き合っていた人」と結婚しているに過ぎないと思う。それでは離婚するのも当然である。家柄や価値観の差を考慮していない。 恋愛至上主義社会では、身分差や階級差や国籍差なんて障害は憎むべき敵であり、排除される。だが実際はこれらが離婚要因となることは少なからずあるはずだ。 「結婚と恋愛は別」、そう考える人たちは少なくないはずだ。 だからこそ、僕はお見合の復権を叫びたいのである。 |
義父母挨拶 |
笑っちまうぜ男にとって緊張するのが、ドラマなんぞでありがちな「お嬢さんを僕に下さい」という奴だろう。今回の小題の「義父母挨拶」とはそのことである。恋愛結婚の隆盛により、やっぱ義父母挨拶が諸対面って云うことも増えたんだろうね。見合じゃちょっとないことだからね。 ドラマはその特性からして少々大袈裟だと思うけど、でもやはり初めて義父母の家に行くとなたら緊張するだろうなあ。最近は人権思想も進んでいるから「お前のような奴に娘はやれん」と来ることはないと思うけど、それを承知していても嫌なもんだね。 ちなみにわざわざ両親に逢いにいくとなったら、これは恋愛結婚な訳で僕としては断られても「ああそれは残念です」と云って結婚しちゃうけどね。 僕は親戚の重要性なんて殆ど認めていないから、親が何云おうと馬耳東風です。彼女が「親が反対してるからNG」とか抜かしたら、その場で縁切りですね。そもそもそんなファザコンかマザコンなどと結婚したら後が大変そうだしね。 そういう訳で寧ろこの挨拶は「頭の上がらない奴に会いに行く」という前提が嫌なんだね。相手の両親だって多少は値踏みというか競合心はあるでしょ? そして主導権は向こうにあるんだから。 そこでドラマにあるように「一発殴らせろ」と来たらどうなるか? 僕はこういうね。「殴っても構いませんが、一発殴らせてください」ってね。勿論本気で殴りますよ。 義父母だからってこっちの人生に介入されてはたまらない。 新聞の人生相談見るとこのての悲劇ってあるでしょ? 本当は義父母への挨拶は事後報告か、もしくはもう何も訊かずに駆け落ちしちゃうというのが僕的にはベストなんだけど、そういう訳にもいかないだろうから。やがてはこの瞬間を迎えるんだろうな。 「お嬢さんを僕に下さい」、ねえ。 どんな顔して言うんだか。 まさか云ってて噴きださないだろうなあ? |
結婚式場 |
理想の式場結婚式場。今回も勿論、披露宴の話をしているんだけど、これってやっぱり普通はグランドホテルでしょう? 世の中には教会や宗教会館(青山会館とか明治神宮とか)、はたまた豪華なレストランというのもあるのだけれど、どうも超ジミ婚派の僕としては関心しない。 いくら一生に一度の慶事(最近は複数回になりつつあるようだが)とはいえ、僕にはバカ高い金を出して、ラブホテルを髣髴とさせる悪趣味に飾り立てられたホテルの会場を借りる気はない。 そりゃ自分が呼ばれて行くとすれば豪華なほうが面白いが、自分が主役としてああいう出来合いの歌謡ショーのような場所に立つのは嫌だ。しかも着るのはタキシードか羽織袴。食べるのは食おうと思えば食えるが食う気もしない値段の料理でしょう? 普段は絶対にやらないような仮装をしなくちゃいけないんでしょ? いつもあの結婚式場って冗談だと思うんだけどね。 僕の理想の結婚式場というのは外国映画(欧米産だけじゃなくてアジア映画でもあるけど)にあるような居酒屋やどこかの公園か庭を借りてのバーベキューかなんかでいい。 メンツも逢ったことない親戚やすぐ変わるような上司なんかは呼ばないで、気のあった仲間や世話になった血縁や恩師なんかを呼んで一日ドンチャン騒ぎをしたほうがいい。 その方が安上がりだし、記憶にも残るだろう。 集合場所は市役所で、そこで証人を連れて婚姻届を出す。そして万歳三唱の下に会場行って、大騒ぎする。勿論会費も格安で、これこそ楽しそうじゃない? 僕は人からよく変人と呼ばれる。 だけどあんな訳の解らない式を諾々と受け入れられる感性の方が僕は不思議だよ。 |
ひきでもの |
引出物は郵送で今回は最近あった話をさせてもらおう。一体、どこにそんな知り合いがいるのか、うちの母親は年に一度くらいは結婚式に行く。今年は当たり年らしく既に2組の式に参列している。名を聞いてもどこの誰だかとんと知らない。世の中には面白い話があるものである。 さて最近の引出物であるが、客に重い荷物を持たせない配慮なのか、カタログ方式がメインなようである。これは結婚式のあと、一冊の本とはがきが渡され、帰宅後カタログの中から気に入ったものを選んで葉書を出すと、その品が届くというのである。 誰が考えたのか知らないが、便利なものである。 さて、このカタログ。今手元にあるのだが、ビックリするくらい色々なものが揃っている。通信販売の趣味はないのでこういう業界は詳しくないのだが、呆れるくらい色々なものが網羅されている。 大体予算は3000円コースなのか、そのくらいのものが揃っているのだが、食器や家具や家電や服やアクセサリーや香水や絵の具や、とにかくなんでもあり。全部で500種は裕に超えていただろう。極め付きは「盗聴電波発見器」なんてのもあるくらいである。 家族はこの1冊を巡って紛糾し、銀の食器セットやらカールヘアドライヤーやらぬいぐるみやら色々な説が出た。さすがに結婚式の引出物で家族離散する訳にも行かないから、結局父の「俺の部屋に扇風機をよこせ」の一言で片がついた。 今、親父の部屋に真新しい扇風機がある。 扇風機が届くと父は10分あまりで組み立てて「今流行のスケルトンタイプだな」と軟弱なことを云い、スイッチを押しては「おお、涼しいぜ」とバカなことを云っていた。 ところでこの人、結婚したのが誰なのか知っているのかね? |
スピーチ |
ユーモアを解さん男に天誅を案外、僕はスピーチが出来る方である。このできるというのは大勢の前でただ喋れるという意味で、内容がいいわけでは勿論ない。 僕と助役のバラ職人の出会いは色々な説があるが、バラ職人が僕を知覚したのは彼が中学三年の「卒業生を送る会」で、僕が歴史に残る「在校生代表挨拶」という名の失態をしたからでね。 ちなみにこの失態については多くは語らないよ(恥ずかしい)。 さて、結婚式のスピーチである。 僕は出来るだけこれはやりたくない。どう考えたって両方の人間を知っているのならともかく、そうでもなければどうしても紋切にならざるを得ない。大事な友人の結婚式におためごかしや嘘はつきたくない。 どうも僕はありがちな結婚式に批判的なのだが、このスピーチという制度はなんとかならないかね。特に酷いのは会社の上司のいうような自前の経営論を改変したような小言モドキや、同級生のやる旧悪バラシネタ。もっとも許しがたいのは本人はユーモアのつもりか下ネタのスピーチである。 一例をあげよう、有名な奴だ。 「夫婦たるもの、常に「ふうふ」の気持ちでいなければなりません。 朝は味噌汁を「ふうふう」昼はお互い仕事に家事に「ふうふう」 夜はベットで「ふうふう」、これさえ守れば夫婦生活は安泰です」 僕はこんなこという奴がいたら、上司だろうと親戚だろうと縁を切り、その場でぶっ飛ばすかケーキカットの長いソードで首を刎ねてやる。それくらいの罪がある。 よくある「ユーモアスピーチ集」の本ってこんなネタばっかりね。まったく何を考えているんだか。酒席での無礼は許されるってのは酒飲みのロジックで、下戸には不快なだけなんだろうけどね。 |
御食事 |
豪華に縁ない偏食癖非常に困るのである。何がって、僕の偏食癖がである。 いろいろなところで書いているが、僕は最近でこそよくなっては来たが、肉が食べられないのである。今でも場所の特定できるような肉(タンとかモツとかレバーとか)や火の通っていない肉は食べられない。 そう、結婚式は困るのである。 両親に聞くと、出てくる料理は「刺身」やら「レアステーキ」(ホテルの食事に出てくる肉は大抵火の通っていない赤い肉が殆どである)やら「伊勢海老」やらとにかく食えないものだらけである。肉は肉でも僕の食える「ハンバーガー」や「牛丼」や「チャーシュー」なんかは決して出てこないのである。 おまけに酒も飲めないし、ここらへんで結婚式の二大歓楽は闇に消えている。テーブルに僕の癖を知っている旧友がいればいいのだが、そうでもないと一人だけ全部残すのは非常に困る。晴れの舞台で妙なことは言いたくないしね。 いくら贅を尽くしたところで食べられないのは仕方がないわけで、そこのところ僕を結婚式に招くであろう友人諸兄は留意してもらいたい(←なんて傲慢な発言なんだ)。 だからといって僕のテーブルだけに吉野家の牛丼弁当(特盛・ツユタク・卵・味噌汁付)だとしてもやっぱり怒るが。 |
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