I-0009 大きく描いて小さく縮める!
- 1999/5/31
あなたは CG (キャラクターものなど、俗に言う「 2D 」のもの)を描くとき、最初から最後まで全く同じ画像サイズで描いてはいませんか?
絵を描くのは人間です。細部に塗りムラや塗り残しが出たり、描線が歪んだりしてしまうのは、至極当然のことといえます。しかし、実はこれをごまかす方法があるのです。
基本的なテクニックではありますが、画像は最終出力時のサイズより大きめに作成して、最後に目的のサイズに縮小しましょう。最後に縮小をかけることで、画像の「目」が詰まり、残っていたアラがかなり目立たなくなります。世の多くの CG 作家さんや、プロのイラストレーターの方も、大概この手法を使用しています。
余談ですが、この時気を付けなければならないのは、補間縮小を使うということです。
「補間縮小」とは、簡単に言えば、画像を縮小するとき「単に余分なドットを省く」のではなく、いくつかのドットの色の「平均値」を計算して、それを使って全体を縮小する方法です。こうすることで、アンチエイリアス──ドットのギザギザをなめらかに変化させるように変換する効果を得ることができるようになっています。
元画像( 200x200 2 値データ)
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分かりやすいよう、白黒2値のデータで例を示します。髪と目の部分は、タイリングを使って表現してあります。
※タイリングとは、市松模様(チェック柄)を使って中間色を擬似的に再現する方法で、並べた2色を遠くから観ると中間色に見えるという人間の目の錯覚を利用したものです。
補間有りで縮小したもの
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元画像を、補間有りで50%に縮小したものを、2倍のサイズで表示しています。
いわゆる「アンチエイリアス」がかかって、線がなめらかになっています。髪や目の部分は、白と黒の中間の色(灰色)に置き換えられています。
補間無しで縮小したもの
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補間無しで一旦50%に縮小したものです。
単純にドットを間引いただけなので、髪の部分の市松模様のパターンは、黒い部分がスッポリと抜け落ちてしまっています。
「補間縮小」を忘れると、時には下のように無惨な結果になってしまいますので、注意が必要です。
縮小を行うときにこのパラメータを設定するツールの場合はいいのですが、ウルトラキッドや FanfarePhotographer などの場合、「環境設定」や「オプション」という項目で設定を行わないと、この設定を変更できません。普段は「縮小時に補間を行う」というふうに設定しておきましょう。