04 DVD/Mpeg2→AVI/OGM/MKVこの記事は、「DVD/Mpeg2をAVI、OGMにする方法」(2003年2月5日)の全面改訂版です。
旧版から半年たって、動画の世界では、いろいろな変化がありました。 このサイト(妖精現実)でそうした記事をお読みになって、最先端の技術に興味を持ちつつも、 「あまりに最先端すぎて手が出ない」「どこから手をつけていいのか分からない」 といった感想をお持ちになったかたもおられるかもしれません。
ハードサブや Sub Station Alphaの使い方(SSAの作り方)を解説してほしい、 という要望も多いようです。
そこで、初心者でも安心の「新しい動画」入門として、 基本中の基本 Mpeg2→AVI(DivX/XviD )、 SSA入門、 あれこれ応用編、 の3回くらいに分けて、興味のあるかたなら、だれでも無理なく新しい動画技術の世界に入れるようにしてみたいと思います。 とくに、SSA入門では、要望の高い「カラオケ字幕」まで順を追って解説してみたいと思います。 正しい指使いをすれば(5分も練習すればすぐ覚えられる)、2分の曲は2分でタイムできるのです。 熱愛するアーティストの曲に対して、カラオケ字幕つきのオリジナルPVを作ってみませんか?
初心者を対象にしていますが、 初心者を初心者のままにしておくような、ぬるい記事ではありません。 がんばってついてきてください。
1 動画の作成では、いろいろな細かい設定、好みの圧縮方法などなどがあり、 書き手によって言うことが違います。 「何がいちばんいいか」というのは、その人の環境や目的によっても異なる主観的な問題ですし、 作る動画によっても最適なパターンは変わりうるのです。 このシリーズで示す設定は、あくまで一例であり、 入門記事という性格上、 わざと(面倒な)高品質の方法でなく(とっつきやすい)簡単な方法を紹介している場所もあります。
入門の範囲外でもゆくゆくは試してほしい優れたものとかは、 できるだけ名前だけは挙げるようにしたので、 余力があるかたは検索して調べてみてください。
2 説明などで分からない点があったら、まずGoogleで検索してください。 それでも分からない場合や、説明の不備を発見した場合などのフィードバックは掲示板でどうぞ。
さっそく始めましょう。今回使う4種のツール、
asdx.zip という書庫にまとめておきました。以下のページからダウンロードできます。
Pikkunipsu's Homepage、
ミラー1,ミラー2,
リッピングには、SmartRipper(スマートリッパー)、または DVD Decrypter (DVDデクリプター) を使います。 ここでは、SmartRipper を使います。
リップとは「ひきさく」ことですが、 ちょうど果物の皮をむいて食べられるようにするように、DVDのなかみを取り出してHDにコピーすることです。 リップすることを「リッピング」、リップする道具を「リッパー」といいます。 つづりは rip です。「くちびる」という意味の lip とは関係ありません。
スマートリッパーは、ASPIレイヤーというしくみを使って、DVDディスクを読みます。 最近のPCなら、なんだかんだで、すでにASPIレイヤーがあることも多いはずですが、 それを確認してみましょう。 asdx.zip を解凍して、なかの ASPIchk.exe をクリックします。
図のように、グリーンのダイアログが出たら、すでに準備完了、何もする必要ありません。 レッドのダイアログが出たら、ASPI レイヤーをインストールして、OSを再起動します。 もう一度チェッカーを起動してみましょう。 グリーンになりましたか。
DVDディスクをDVDドライブに入れ、DVDディスクが認識されたら(心配なら一回再生してみればいい)、
SmartRipper.exe を起動します。
まだお持ちでないかたは、さっきのZIP書庫のなかの SmartRipper 2.41 というフォルダを、どこか好きな場所に移動して使ってください(特にインストールは不要)。メニューなどは英語ですが、何も難しいことはありません。
Start (スタート) という文字が読めればたくさんです。
仮想DVDドライブがあるPCで何かエラーが出たら、 本物のドライブに読みに行くまで「無視」を選択してください。
ツリービューとチェックボックスを使って、保存したい部分を選択します(もちろん「全部」でも良い)。 選択に応じて、まんなかへんにある Chapter という表の Length (時間の長さ)が変化するので、 参考にしてください。1分20秒なら「歌」だとか、そのあとの10分くらいのは「Aパート」だとか。 保存先を指定すると [Start] というボタンが現れるのでクリックしたらスタートします。 いろんなファイルがごちゃごちゃしないように、保存先はそのDVD専用の新しいフォルダにすると良いでしょう。 転送速度が速いドライブがベターです。また20GBくらいの空きがあったほうが良いでしょう。 プログレスバーが出るので100%になるまで、適当に暇をつぶしていてください。 終わると 「Rip completed」 という小さなダイアログが出ます。
リップ先のフォルダに、拡張子がVOB(video object)のファイルができているので確認してください。 これはDVDのデータで、MPEG-2という古い方式で圧縮されています。 この方式は再生が軽いかわり、 圧縮率はいまひとつで、30分程度のムービーでも1GBや2GBという大きな容量があります。 このファイルを、AviUtl や VirtualDub といった動画編集ソフトで加工し、MPEG-4方式で再圧縮することにより、 「PCで見て美しく」しかも「DVDの場合の10分の1程度というコンパクトなサイズ」という一挙両得を達成しましょう。
AviUtl は、VOBファイルを直接開けませんが、D2Vファイルという補助的なファイルを経由させることで、 VOBのなかみを読み込むことができます。簡単なので、さっそくやってみましょう。
VOBファイルからD2Vファイルを作るには、DVD2AVI を使います。
数字の2 (two) は、前置詞の to を短縮した書き方で、
DVD to AVI つまり「DVDからAVIへ変換」という意味。
このソフトをまだ持ってないかたは、さっきのZIP書庫のなかにある DVD2AVI_1.77.3 というフォルダを、
好きな場所に移動して使ってください。
DVD2AVI.exe をクリックして、さっそく起動しましょう。
メニューが英語ででたら、 Option→Local LanguageでJapaneseを選んで、ソフトを一度終了させ、再起動すれば日本語になります。
「ファイル→開く」でさっきのVOBファイルのフォルダを探します。 多くの場合、_1.vob 、 _2.vob 、……と vob ファイルがいくつかに分かれています。 これは、ファイルが大きすぎるとまずい場合がある(特に古いファイルシステムではファイルサイズは4GBを超えられない)という理由で、適当に分割されているだけで、本来ひとつのデータです。 DVD2AVI から開くときは、_1.vob を指定してあげれば、自動的にぜんぶ読み込まれます。 File List というダイアログが出るので、ぜんぶちゃんと読み込まれたのを確認して OK をクリックしてください。
ファイルがオープンできたら、「映像」メニューで iDCTアルゴリズムを「64-bit浮動小数点」(意味が分かる必要なし)、 「YUV→RGB変換」を「パソコン色調」にセットします。 ここで「パソコン色調」を選ぶことは極めて重要です。 PCで見たときにきれいに見えるように、色のスケールが最適化されます。 「64-bit浮動小数点」というのは、単に「32-bit」より計算が精密っぽいから、というだけで、 実質的な影響があるのかは、よく分かりません。
「ファイル→プロジェクトの保存」で、名前を付けて保存します。進行状況のダイアログが出るので、 Remain (残り)が0秒になるまで待ちます。 注意点として、ここではまだ「AVI出力」しません。 必ず「プロジェクトの保存」にして、拡張子D2Vのファイルを保存します。 もうひとつの注意点として、D2VファイルはAviUtlがVOBファイルを読む「手伝い」をするだけです。 VOBファイルをD2Vに「変換」したわけじゃありません。その証拠にD2Vファイルは1MBもないような、 とても小さなファイルです。したがって、ぜんぶの作業が終わるまで、D2Vファイルを作ったからといってVOBファイルを削除や移動しないでください。さもないとD2Vファイルは動作しなくなります。
DVD2AVIは、D2Vファイルを作るだけでなく、同時に、VOBファイルのデータから音声を抜き出して別ファイル(多くは拡張子AC3)にしてくれます。重宝なソフトですね。
いよいよ、AVI に変換します。 AVI といっても、具体的には、DivX5 または XviD という圧縮方式(コーデック)なのです。 いくつかの理由から、「フリー」の XviD をおすすめします。
スパイウェア付きのソフトを配布しているような会社のコーデックは、できれば使いたくない。 当たり前のことです。とりあえず、オープンソースの XviD を使いましょう。 もっといろいろ慣れてきてから、 「最新の DivX と最新の XviD は自分の目的ではどっちがいいのかな」といった比較をして、 いろいろ試したり乗り換えても遅くありませんから……。
XviD にも種類がたくさんありますが、
ここでは
XviD codec 27.11.2002 (uManiac's build)
を使います。同じZIP書庫に収録済みです。
これは XviD のなかではかなり古いものですが、とても安定しているので、最初の XviD としては、
上記のもの、または、
XviD codec 24.2.2003 (uManiac's build)
のどちらかを、おすすめします。
(後日、API-4という最先端のXviDの使い方に触れますが、
最初から最先端のものを使おうとすると何かとトラブルの原因になるので……)
XviD は簡単に別バージョンと入れ替えがきくので、慣れたらいろいろ試しても良いでしょう。
ダウンロードしたインストーラをクリック起動して、 [I Agree] [OK] [Close] と3回クリックするだけで簡単にインストールできます。
すでにXviDが入っている場合、インストーラは、 トラブルを防ぐため、自分のバージョンをインストールする前に、 まず現在のバージョンをアンインストールしようとします。 その場合、途中で確認のダイアログが出て、[はい] [close] で元のバージョンが自動的に削除されます。 しかし、すでに XviD が入っているなら、べつに改めてインストールする必要ありません。
日本が世界に誇るAVIユーティリティ
AviUtl を起動します。
まだ持っていない場合、公式サイト「AviUtlのお部屋」からダウンロードしてください。
解凍したらすぐ使えます。
起動したら、「ファイル→開く」でさっき作ったD2Vファイルを開きます。 下のスライドバーを動かして、てきとーに動画の様子を見てみてください。 左右矢印キーで1フレームずつ移動でき、[PageUp] [PageDown] で5フレームずつ移動します。
動きのあるシーンで、 1フレームずつ眺めてみると、周期的に絵がぶれたみたいになって、「しましま」があるのが分かります。 また、5フレームにつき1回、前のフレームと同じものがある場合がよくあります。
日本のDVDから読み込んだ画像は、ほぼ毎秒30フレーム(30fps)ですが、 5フレームにつき1回、前と同じフレームになっている場合は、 オリジナルは5分の4、つまり24fpsです。DVD規格に合わせるため周期的に同じフレームを2回入れて、水増ししているだけです。 一方、動きのあるシーンで見てもぜんぶのフレームがハッキリ動いているなら、オリジナルも30fpsです。
オリジナルが30fpsの場合、「設定→フレームレートの変更」は「なし」です。
オリジナルが24fpsの場合は、「設定→フレームレートの変更」で「24fps <- 30fps (4/5)」を選択し、 「間引きには自動24fpsの処理を使う」にチェックを入れ、さらに、「表示→間引き予定フレームの表示」にチェックを入れます。
次に、しましま退治の設定をします。
拡大図→
これは「インターレース縞」といい、映画とテレビの規格の違いをうめるつごうで発生するものです。 このしましまがなくなるようにすることをインターレース解除といいます。
24fpsの場合、「設定→インターレースの解除」で「自動24fps」を選びます。 30fpsの場合、この設定は「自動」にしてください。
矢印キーで1フレームずつ送って、しましまがちゃんと消えているか確認します。 大々的に残っているときは、「設定→インターレースの解除」で「トップフィールド -> ボトムフィールド」か「ボトムフィールド -> トップフィールド」かの選択を逆にしてみてください。また24fpsの場合、重複している(2フレーム連続して同じ)フレームのうえに間引き予定の×印が出ることを確認してください。
AviUtl は極めて優秀なソフトで、 適切に「自動」系を選んでおけば、実用上まったく不満がない程度まで、そこそこうまくいくはずです。
多くの場合、DVDのデータには上下左右にきたない黒い部分があります。 この食パンの耳のような部分はクリッピング(切り捨て)しましょう。 映画の場合、さらに上下に広い黒い領域(レターボックス)がつきます。 字幕を入れたい場合、レターボックスは残しておいてもかまいません。
「設定→クリッピング/リサイズの設定」で右上のチェックボックスにチェックを入れてから、 パラメータを調整して、ほどよくクリッピングされるようにしてください。 汚い領域をぎりぎりでクリッピングすると、画面の端にノイズが残るので、数ピクセル深めに。
作り方が悪いDVDだと、汚い部分が左に10ピクセルあると思えば、 場所によっては20ピクセルもあったり、と一定しません。 原則として、いちばん汚い部分が多い場所に合わせてクリッピングすれば、 汚い部分を全部除去できます。 (あまりに場所によって違うときは、部分ごとに設定するべきですが、 そのやり方は入門の範囲を超えるのでここでは省きます)
クリッピングすると、720x480のDVDのデータが、例えば688x472のような中途半端な変な値になってしまいます。 動画の圧縮はそのアルゴリズムの性質上、ピクセルサイズが16の倍数のようなきりのよい値になっていないと、 うまく動作しないことが多いです。 そこで、クリッピングしたものをリサイズ(拡大/縮小)して、望む大きさにします。 サイズの変更は(レターボックスを残すなら)たいてい640x480でいいはずです。 DVDのソースは横が720ですが、これは生データ上、実際の再生より横長になっているだけで、 本当のアスペクト比は(スクイーズ収録でなければ)640:480つまり4:3で合ってます。
マニアックなAviUtlユーザの多くは、外部プラグインの Lanczos3.auf を使ってリサイズをしますが、 ここでは、同じダイアログにあるサイズ変更ボックス(AviUtl 0.99 の新機能)を使って、手っ取り早くいきましょう。
「設定→ノイズ除去フィルターの設定」で、ノイズ除去の設定のダイアログを呼び出し、 上から、256、2、24となっている状態で、チェックを入れてください。あちこち眺めてみて、 ノイズ除去の効き方が強すぎるとか弱すぎると思ったら、24という数値を加減してみてください。 きれいなソースでは8くらいから、汚いソースでは100くらいまで。 ノイズ除去を強くすると、ノイズも消えるかわりに本来のシグナルも消えて画面がぼけるので注意。 「ノイズ除去(時間軸)」も併用するとさらに効果的ですが、そのぶん処理時間は増えます。
ノイズを除去することは仕上がりをきれいにするばかりでなく、 余計な信号をなくしてサイズが縮みやすくする意味があります。 「高画質=サイズが小さい」は両立するのです。 ランダムノイズが多いとノイズもデジタル的にはデータのうちなので「ノイズだらけ=しかもサイズがでかい」 といういやーな結果になってしまいます。
「設定→圧縮の設定→ビデオ圧縮の設定」で XviD MPEG-4 Codec を選び、 さらに「設定」をクリック。XviD Configuration というダイアログが出たら、 とりあえず Load Defaults をクリックしてデフォルトの状態にします。 XviD ではバージョンが違うと内容が違うため、前のコーデックのときの設定をそのまま引き継ごうとして、 妙な事態が発生することがよくあり、まず Load Defaults をクリックが、 XviD の基本。
とりあえず、Encoding Mode を「1-Pass quality」に、 Quality を 85 (既定値) にしてみてください。 数字がでかいほうが高画質だが仕上がりサイズがでかく、 数字が小さいほうがサイズが縮むかわりに低画質という関係になっています。 70くらいでも、あんがい、そう悪くはないですが、80以上が良いでしょう。 90は、高画質です。91、92あたりが一般的な上限です。 (特別に貴重な画像で永久保存版にしたければ93とか95とか100にしても良いでしょう。)
OK をクリックして、XviD Configuration を閉じ、OK をクリックして、「ビデオの圧縮」を閉じます。
AviUtl の「フィルタ」メニューで、「ノイズ除去」「クリッピング/リサイズ」など、
使いたいフィルタにチェックが入っていることを確認します。
試しに最初の300フレームだけをエンコード(圧縮)してみましょう。
[Ctrl] + [G] を押して300 [Enter] でフレーム300番に飛び、](ひらがなの「む」のキー)を押して、
そこまでを選択範囲にします。「ファイル→AVI出力」でtestなどの名前で書き出してみてください。
映画などで最初に長々とクレジットがあるときは、まんなかへんでテストしたらいいでしょう。
その場合は――
[Ctrl] + [G] 10000 [Enter] で10000番のフレームに飛び、[で選択開始
[Ctrl] + [G] 10300 [Enter] で10300番のフレームに飛び、]で選択終了
テスト結果に問題がなければ(この例では、まだ音声はありませんから、音が鳴らないのは正常)、 全体をエンコードしましょう。 [Ctrl]+[A] で全フレームを選択、「ファイル→AVI出力」で名前をつけて保存します。 かなり時間がかかります。速いCPUでも1時間単位は当たり前で、 遅いCPUに重いフィルターでは10時間、20時間といったこともあります。 自分が持っている最速のマシンで、必要充分なフィルターだけを使って、 できれば、夜眠っているあいだのような、本来PCがアイドルの空き時間に、 エンコ(エンコード)すると良いでしょう。
動画をエンコしながらほかのことをしたいときに、AviUtlがCPUを使いまくるため、ほかのソフトが快適に動作しないということがよくあります。タスクマネージャでAviUtlの優先度を低くするのは、よくある手です。ただしそうなると、ほかで重い処理をしているときはエンコが止まったようになってしまいます。 エンコ中に、緊急でCPUを他のことに使いたいこともあるかもしれません。 そんなときは、AviUtlのメニューから「その他→バージョン情報」を選びます。バージョン情報のダイアログが出ているあいだAviUtlのエンコが止まるので、一時停止みたいになります。
動画圧縮とは本来CPUに負荷がかかるものです。 上に述べたような裏技?を使うと、エンコ中にほかのこともできますが、 あまり調子に乗ると(特にWin98)OSがフリーズしたり、ろくなことが起きません。 何時間もかかるエンコの最後のほうでOSがフリーズしたらしゃれにならないので、エンコ中はPCをいたわり、 あまりむちゃをしないでくださいね。
数時間経過……。圧縮が完了しました。 上に書いたようなXviD「品質85」のデフォルトで30分の映画が166MBになりました。 画質もまずまずです。もとが1.4GBであることを考えると、サイズ的には「大もうけ」ですよね。
さて、映像部分ができたので、さっそく音声と合体させて、ケリをつけましょう。 古来、動画の音声といえばMP3でした。 今でもMP3は使われていますが、DVDの音声は通常、AC3形式です。数字の3は同じでも、ぜんぜん別のフォーマットです。
DVD2AVIでD2Vを作ったときに分離したAC3ファイルですが、 これを、XviDで再圧縮したビデオと合体させる場合、現代では、いくつもの選択肢があります。
サイズを小さくしたい場合、AC3をAACやOgg Vorbisに変換するのが良いでしょう。 音声も再圧縮するわけです。 音声成分はビデオと比べてもともとサイズが小さいので、 音声を再圧縮しても、全体として劇的な変化はないです。 例えば30MBのAC3が10MBのAACになれば3分の1に縮むわけですが、 映像成分が200MBだとしたら、音声が30でも10でも劇的な変化とは言えないでしょう。
サイズより音質が重要なら、ずばり、AC3はAC3のまま、いじらずに映像と合体させてしまうと良いです。 そのほうが音声成分を再圧縮する手間も省けます。ここでは、その考え方で、 AC3をそのまま使います。 このDVDの例では、AC3音声が3つあります(日本語、広東語、中国語)。 3つとも合体させてしまって再生のときに切り替えるようにしてもかまいませんし、 広東語や何かはサイズの無駄だと思えば(1トラック69MB)、 日本語なら日本語だけを合体させてもかまいません。ちなみに日本語はオーディオ・トラックの1番 T01 です。 何番が何語か分からなければ、実際に再生してみましょう。 AC3を含むほとんどのオーディオは、foobar2000 で再生できます。 また、音声成分がAC3の動画は ac3filter を使えばちゃんと再生できます。 どちらも必需品なので、もしまだなら、ダウンロードしてインストールしてください(foobar2000 は Special installer でフルインストールすること=詳しくは次回)。
映像と音声を合体させるのには、VirtualDubMod (VDM) を使いましょう。最新版の zip 書庫(この記事の時点では VirtualDubMod_1_5_4_1_All_inclusive.zip) をダウンロードしてください。 こちらは特にインストールはなく、解凍したらすぐ使えます。
VirtualDubMod をクリックして起動したら、
File→Open Video File から、先ほど作ったAVIファイルを開きます。次に、Streams→Stream ListでAddをクリックします。
ファイルを開くダイアログが出るので、合体させたい音声を読み込みます。
(この例では日本語のトラックだけ入れますが、2つ以上の音声でも差し支えありません。)
OK でダイアログを閉じたら、Video メニューで Direct stream copy を選択します。 これはビデオの内容をいじらず(再圧縮などせず)、そのままダイレクトにただ音声と合体させる、という意味です。 時間もせいぜい3分くらいしかかかりません。 映像と音声を単に合体させるときは必ず Direct stream copyにしてください。 さもないと、映像は再圧縮されますが、再圧縮の設定をしていなければ無圧縮のAVI(つまりBMP画像の連続のようなもの)で出力されて、とんでもないサイズになってHDがあふれる原因にもなります。 まあ、間違えてそれをやっちゃっても削除してやり直せばいいだけです。XviDで圧縮済みの映像ファイルが壊されるわけでないので、心配は無用。
Direct stream copy を選択したら、あとは書き出すだけです。 F7 を押すか、File → Save as... を選んで、名前を付けて保存してください。 AVI, OGM, MKV のどのフォーマットででも、保存できます。 (注: ただし、AVI は入れられるものに制限があります。 音声が2個以上ある場合や、音声が Ogg Vorbis の場合など、OGMかMKVにしてください。 こうして実際に試すと、MKVが何でも入れられるスーパーコンテナだ、という解説記事などを読んでも、 ああなるほどそういう意味かーと実感として納得がいくでしょう。)
どうでしたか。思ったより簡単でしたか。思ったより、大変でしたか。 でもとりあえず、できたと思います。AVI、OGM、MKVの3形式で保存してみましょう。 同じビデオと同じオーディオをそのまま合体させるだけなので、どの形式でもサイズとか品質には大差ありません。 とはいえ、この例では、OGMが237MBでいちばん大きく、 AVIだと236MB、MKVだと235MBです。 OGMはAVIと同じか少し大きくなって、MKVはたいていいちばんコンパクトです(最新の形式なので、 いろいろ最適化されている)。 OGMは、 平均するとAVIよりシークのレスポンスが良いし、ちょっと末尾が欠けても再生できるなど、 AVIよりサイズが少し大きいけれど、それなりのメリットがあります。 OGMとMKVは内容的には姉妹のようなコンテナで、だいたい同じことができます。(MKVもトカゲのように、 しっぽが切れても切れた前までちゃんと再生できます。)
なに、音が出ない? ac3filter をちゃんとインストールしましたか。 そうそう、foobar2000 を入れたのだから、メディアプレーヤーもいいのにしましょう。 Media Player Classic (MPC) をダウンロードしてください。 解凍したらすぐ使えます。 このプレーヤー、見かけは古くさい Windows Media Player 6.4 のようですが、 地上最先端のメディアプレーヤーです。電極ファミリーの家みたいなプレーヤーなのです(意味が分からなくても、 気にしない)。 起動したら [O] を押して、 Filters→Audio SwitcherでEnable audio switcher filter...にチェックを入れてください。 MPCをいったん終了させ、再起動。 これで、Morgan switcher を使わなくても、音声多重のビデオを簡単に切り替えて再生できます。 上の例なら、日本語、広東語、中国語……をワンクリックで切り替えられます。 (TCMP というプレーヤーを使えば、デフォルトですでに音声切り替えができます。)
さらに、DirectX 9 が入っている+グラフィック環境が古くないPCだったら、Media Player Classic のオプションメニューでVideo再生を Video Mixing Render 9 (Renderless) にすると最強です。
あれこれダウンロードしたり、いろいろ新しいソフトを使いまくりで、 お疲れさまでした。次回以降では、定番 Ogg Vorbis や話題のAAC音声を使った動画の作り方も紹介したいと思います。分からないことがあったら 掲示板できいてください。
以下は、少し慣れてから読んでください。 本文では、XviDの設定で、モードと品質の数値だけしか設定しませんでした。 もっと細かい設定は、あの設定ダイアログの Advanced Options... をクリックして行います。
Advanced Options... をクリックして、まず Global タブを見ます。 少しでも高画質で……というときは Motion search precision を 6 - Ultra High にします。 そんなにこだわらないでそれより処理が速いほうがいいときは、5 - Very High にします。 Quantization type は高画質エンコードでは MPEG 、低画質は H.263 が良いとされています。 例外もありますが、 アニメでは、高画質(仕上がりファイルサイズ大きめ)のときに、 H.263 を選ぶと、画質面で損をします。 Quality を既定の85にしたなら、アニメでは通常、MPEGで良いです。 よく分からなければ、つねに MPEG にしてもかまいません。 どちらを選んでも劇的な変化は起きません。 Maximum I-frame interval は、30fpsでは300、24fpsでは240が標準とされます。 240でも300でも劇的な変化は起きません。
「Enable lumi masking」は(画面の暗い場所など)目立たない場所で手を抜いて、ファイルサイズを節約するものです。 オンにするとファイルサイズが少し小さくなります。オフにしたときより、多少、画質が落ちますが、 なるべく目立たないように画質を落とすわけです。画質より、サイズを小さくすることが重要ならオンに。
次に、Quantization タブ。一般的には、デフォルトの 2、31、2、31 のままで良いです。 ファイルサイズの無駄を覚悟で確実に高画質にしたいときは、2、4、2、16 が良いです。 さらに高画質にしたいときは、2、4、2、12が良いです。 1-pass エンコーディングでここをいじると、画質はきれいになりますが、仕上がりサイズはでかくなります。 2-pass エンコーディング(詳細は後日)でここをしぼると、ブロックノイズを抑制できるかわりに、 モスキートノイズやランダムノイズが増えます。 本来、このタブをいじる前に、ソースのノイズ除去に万全を期すべきで、 それには「ウェーブレット・ノイズフィルタType-G」「Wavelet3DNR2フィルタ」といった外部プラグインが必要なのですが、入門の範囲を超えるので、ここでは省略します。
「新しい動画」入門第2回。映像・音声だけの古い動画に加えて、テキスト(字幕・カラオケ)という第3のストリームを制御できるように、SSAの基礎を覚えましょう。SSAは OGMのSRT字幕など、いろいろなことの出発点にもなります。あわせて、foobar2000を使ったオーディオフォーマットの新しい変換法を説明
「AAC音声のOGM・MKV・MP4動画を作ろう」は初心者向けではありませんが、 ほかの記事は一般向け。ちょっと最近、MKVがブームでOGMのかげが薄くなってますが、 この連載では、OGMでもMKVでもどっちでも作れるものは必ず両方の作り方を紹介する予定です。
2003年2月5日 Ver.1 「DVD/Mpeg2をAVI、OGMにする方法」
2003年8月24日 Ver.2 MKV時代に対応して全面改訂。改題「初心者でも安心: DVD→AVI/OGM/MKV入門」