「折形」(おりがた)とは600年も昔から上級武家の間で行われ、
秘伝として伝えられてきた日本独自の「礼法」の一つでした。
「もの」や「お金」を和紙で包む「包み方」の方式のことで、
「折形の礼法」といいます。
江戸時代に入ると「折形」は一般社会にも行きわたり、
昭和前期ごろまでは格式ある家では、品物やお金を贈るとき、
純白の和紙に美しく折り包んで、直接手渡しておりました。
四季折々の行事によっても、包む中身の品物によっても、
一つ一つの仕上がりの形が変わり、
一目で何を包んでいるのかが判るのが「折形」の特長です。
その仕上がりの形も、それを贈る行為も、
どちらも日本の美を集約した美学だといえましょう。
しかしながら戦後、西欧の急速なライフスタイルの浸透、普及によって
いつのまにか「折形礼法」は
その形も心も日本の生活慣習の中から消失してしまい、
既成の熨斗袋を単に購入するという安易なスタイルに
取って代わってしまいました。
根拠のない礼法や既製品の熨斗袋があふれ
日本古来の素晴らしい礼法の基本原則が
大きく乱れ混乱しているのが現状です。
山根折形礼法教室では、日本古来の武家礼法本流の原則に従った
正しい折形をわかりやすく普及、啓発することに努めております。
これらの折形礼法の原則は礼法研究家、美学者として
日本での第一人者であった山根折形礼法教場宗主 故 山根章弘氏の
40年以上にわたる研究成果の結果、
文化史、歴史的な裏づけに基づいて折形の思想、
哲学を集約したものであり、
流儀や流派を主張するものではありません。
私どもは、一人でも多くの方が、この素晴らしい日本文化を再認識され、
日本古来の礼法の原則にのっとって、折り目正しく品物を折り包んで、
現代の社会の中での人と人との関わり合いを
美しく保ってゆくことを願うものです。
山根折形礼法教室 主宰 山根一城
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