Christmas Card in 2000 sent from © Seppo Leinonen.
昨年12月に紹介したレイノネンさんのクリスマスカード「ホワイトクリスマスになるといいね☆」 東京以南の緯度にお住まいのかただと「ホワイトクリスマスになるといいね」というのは、単なるロマンティックな希望のように思われるかもしれませんが、そのときにもご説明したように、これはフィンランドの、それも北極圏のサンタさんのいる場所のお話です。ごらんのようにクリスマスイブのラップランドだというのに、地上に雪がなく、世界の子どもたちに配るプレゼントを載せたトナカイのそりが立ち往生しています。そこに空から白いものが……サンタは嬉しそうに「やれやれ、ようやく雪が降ってきた!(これで出発できる!)」トナカイが「雪じゃないよこれ。……どうやら京都議定書のようだな……」(書類は作成されたものの死文化して破り捨てられた)
下の謎めいたタイトル「あめゆじゆとてきて(みぞれを取ってきて)」というのは、ある物語で死にかけた女性が言うことばですが、ここでは「みぞれまじりでもいいから、雪を持ってきてくれ」という意味の辛辣(しんらつ)なパロディーになっています。かの「サンタクロースっているんでしょうか」のパロディー「ちゃうねん、バージニア。おるにはおるが、もうすぐ死ぬで」が中間部に入っている意味も、これで納得できると思います。
こういうふうに説明してしまうのはヤボですが、少しひねりすぎで分かりにくすぎたかもしれません。とっても恥ずかしがりやなので(てへ)、変にひねった表現で本当の気持ちを隠すわるいクセがあるのですが、本当は、問題意識を持ってほしいと思っているのですよ。すぐ現実に何かできるわけでないとして、まず問題を意識することが大切だから……。地球温暖化、炭素税(二酸化炭素排出量規制)といった話は、自分たちには関係ない国際政治の難しい話だと思われるかもしれませんが、最近の異常に暑い夏(まあ今年だけの偶然かもしれませんが)を思えば、肌で感じられる実感もあるのではないでしょうか。
「ガイア逝って良し」(地球なんて死んで良し)とか「伝えてください。かつて地上にニンゲンという生物が存在したと」といった意味のフレーズは、決して終末論的な悲観を述べているのでなく、挑発的な反語なのですよ。
マザーグースの「だれが殺したクックロビン」のパロディーが、とんでもなく強烈な皮肉であることもこれでお分かりになるかと思います。