米ロがアフガニスタンに侵攻したがっていて、いつあってもおかしくなかったこと、多国籍軍の話、そして、ことあるごとにラディンが口実にされること。アフガニスタンのページをごらんになったかたなら、これらは、すべて前々からのことで、珍しくも何ともない話だとご存知でしょう。
また、ホンネが破壊活動家(テロリスト)との戦いなどでないことも、ご承知の通りです(アメリカの場合。ロシアは、ある理由から政府への抗議活動を行う人々を叩くことそれ自体をホンネの目的のひとつとしている)。
アフガニスタンのページ13に数日前にメモしたように、アメリカが戦争とか言っているのも、もう今年の初めからのことで、今さら驚くことでもありません。コール事件のときも、こうなるのではとの不安が広まりました。
オサマをターゲットに、オサマがいそうなところだけを叩くなら分かります(というか、すでにアメリカは、それをやったことがあります)。しかし、「オサマ」がアフガニスタンという国それ自体と戦争することの口実になるとは驚きました。アフガニスタン政府のトップであるオマル師と、単にアフガニスタンに潜伏しているだけのオサマを混同していませんか?
口実だから何でもいいようなものの、この口実を議論の前提にして、「テロリストは許せないが戦争は良くない」だの「いや戦争もやむない」だの話しているのは、まったく理解できません。アフガニスタン政府は、少なくとも現時点では、今回の「テロ活動」とまったく無関係でしょう。「凶悪犯罪の実行犯とつながりがある疑いのあるフランス人が兵庫県西脇市に潜伏しているので、日本と戦争する、東京を叩く、日本政府関係者を戦犯として皆殺しにする」というのと同じくらい、ちんぷんかんぷんです。口実にすらなっていない。
アフガニスタンって、日本より広い国なんですよ。最高地点は富士山の倍くらいの標高あるし。
これまでの安保理制裁、追加制裁も「客人のオサマを引き渡せ。さもなくんば経済制裁で飢えさせる」という内容で、それすら非人道的としてアナンからすら非難されていた(国連事務総長や国連加盟国の多数派が反対していることを5つの国が「国連の名において」実行できてしまうという構造)。客人を引き渡さなければ、お前の国を全滅させる、みたいな発想は、まったく理解できません。ちからによる強制、脅迫、まさにテロ。
しかも、オサマですら、単に「もしかすると事件と関係あるかもしれない」というだけで(コールのときもそうでしたが)プロパガンダにあるような「黒幕」である物証は、皆無。たとえ容疑者ないし重要参考人だとしても —— 疑わしきは被告の利益にとまでは言わないにしても、動かぬ証拠があるわけでもないのに、アメリカが「オサマがあやしい」と言い張るだけで、前回のミサイル攻撃(モニカ・ミサイル)が正当化されるのかどうか。アメリカが「オサマがあやしい」と言い張るだけで、それをうのみにしていいのかどうか。湾岸戦争のときの「イラクの環境テロ」と称するあのヤラセの「油まみれの鳥」の映像に象徴されるような、これまでの宣伝工作をお忘れですか? パトリオットだって命中率は大本営発表の数十分の一だったし「ピンポイント爆撃」だって実際にはデタラメで多くの民間人が劣化ウランで白血病になっている現実。戦争は良くないとは思うが‥‥というかたですら、オサマは悪いということは無批判の前提にされているようですが、戦争の口実をほしがっている国の「発表」以外に、オサマについて、何かご存知なのですか? どの解説をみても「黒幕“と言われている”」だの「”とみられる”」などと変な受動態が並んでいるだけで、受動態の動作主は「そう言い張りたい人々」なのだから、結局、説得力のある証拠などないのにそう繰り返して人々を洗脳しているとでも言わざるを得ません。
そして何より、アフガニスタン人ですらないオサマは、アフガニスタンという国とは本質的には無関係でしょう。(関係あるのは、アフガニスタンという国のなかのほんの少数の政府関係者だけ。しかもアフガニスタン政府が、オサマの活動の活動資金を援助してるわけですらない。オサマ自身のほうがアフガン政府より金持ちなのでは?)
多くの人々が、アフガニスタンをイスラム教国というだけでアラブと勘違いしてみたり(それじゃインドネシアもアラブ? もしやアフガニスタンではアラビア語が公用語だとか思ってる?)、アフガニスタンが地理的に中東地域でイスラエルの隣のへんにあると思ってみたり(パレスティナ問題と混同?)、なんか議論の基本的枠組みもゆがんでるような‥‥検索エンジンは分類のエキスパートのハズだが、妖精現実のアフガニスタンのページを「イスラエル」に入れてる無知まるだしなディレクトリ検索もある(証拠画像)。「韓国旅行の情報リンク集」に「アイヌ民族博物館」が入ってるようなもの。となりの国と混同するならまだしもイスラエル、ヨルダン、イラク、イラン、アフガニスタン、4つくらい国境を越えた何千キロも離れたぜんぜんべつの国。日本、中国、アフガニスタン、イラン、イラクと見れば、日本とイラクをごっちゃにするのと同じレベル。お話にならない。
もちろん、Lycos のこのページのように、もっとまともで役立つリンク集もあります。
そもそも、アフガニスタンなんて、世界で一二を争うといっていいくらい、弱い国だよ。世界最貧国だよ。今だってアメリカの食糧援助を受けて、それでも飢え死にしてるんだよ。ぶくぶくに太ったライオンと利己的なシロクマとどう猛なパンダとぬけめないトラとぬらくらした巨大電気ウナギが、よってたかって、すでに半殺しになってるネズミを取り囲み、もてあそぶみたいなもんだよ。事実上「言うことを聞くか、死ぬか選べ」って言ってることだよ。こんな不条理、すんなり認めて降伏するのかなあ。不条理だけど、降伏すれば虐殺されず水と食べ物もらえるしなあ。うーーーん。結果的には、アフガニスタン人にとって物質的には福祉向上につながるのかもねえ(こころには深い屈辱とトラウマを負うとしても)。国民全員が抵抗もできずに虐殺されるよりは降伏するんだろうなあ。まあ、死なばもろともと猫をかむ窮鼠(きゅうそ)も出るでしょうが。
まあ、敗戦の屈辱のトラウマがあると、猛烈に働いて高度経済成長の原動力にもなるかもね。劣化ウラン除去装置コスモクリーナーを求めて宇宙へ飛び立つアフガン製アニメが国内でヒットするし。
米ロの代理戦争のコマにされてから二十年以上、戦争しか知らないで育った人たち。「戦争でない状態」というのがどんなものか知らない。一度も安心して本当にぐっすり眠れた夜などないような、失うべき財産もない貧しい人たち。叩くって、すでに内戦で倒壊してる建物の上に爆弾まくんですか。難民キャンプで飢えている人々に、野戦病院でうめいている少年兵の上に、またぞろ劣化ウランでもばらまくんですか。
竹槍とは言わないまでも、せいぜい旧式のロケット弾程度にカラシニコフしかなかろうに、アメリカの宇宙兵器だかなんだか湾岸のときみたいに最新電子兵器のテスト場にされちゃかなわんよ。泥の壁、天井は星空、電話なんて使ったことない、電気もないのでテレビもないという寒い「町」を、電子のかたまりみたいな最新鋭爆撃機で成層圏あたりから鼻くそほじりながら叩くわけ?
—— それは戦争じゃないよ。
病気の赤ん坊の顔を土足で踏みつけるようなものだよ。サディスティックな笑みにくちびるゆがめつつ重みかけてく。支持できるかできないかという以前だよ。いわゆる普通にいう親米的、反米的なんていうくくりですらくくれない、「蛮行」とすら言えない。平和維持軍の米兵がコソボで現地の女の子をレイプ殺人したときだって、それは悪いことだけれどありえる事件だという意味で理解できた。しかし「アメリカの飛行機がハイジャックされた、犯人はオサマと関係あるらしい、“だから”アフガニスタンと戦争する」なんて、支離滅裂とか、ナンセンスとか、そんなコトバで言い表せないくらい分からない。
オサマ・ビン・ラディンは、もしそんなことになれば、自分から死刑判決のでっちあげ裁判を受けにアメリカに行くかも知れない。じつは前にも一度「わたしがいるとアフガニスタンの人に迷惑がかかるから」と言ってオサマがアフガンを去るというニュース(結局、ただのウワサだったらしいが)があって、そのときも、ありえることだなぁと思ったものだ。遠くにいるから勝手に一方的に悪者にできるけど、オサマの素顔を見、目の前で語るコトバが伝えられたとき —— (ソ連時代、アメリカが何兆円もかけて反政府テロを全面支援してたことを証言したとしたら —— )。やっぱりアメリカは、もう口実としての用済みになったオサマは喋らせないで殺すしかあるまい。裁判なんてやったら自分のほうがやばいもの。でもオサマがそんなふうに殺されたら、それを殉教だとか言って、またもえ~の若者が出たりして。
べつに中央アジアのどこか遠くに、イスラム教ガチガチの古くさい国がひとつふたつあってもいいじゃん。あったからって日本に不利益になるわけでもなかろうに。無理やり抑えつけ人命を取引材料に内政干渉するからケンカになるのでは? 古くさいキリスト教な国とかいっぱいあるんだから。イスラム教ガチガチでスタートしたって、その国の国民の考えが変われば自然と文化が変わって国も変わるよ。アメリカ流の権益至上主義が良いものなら、無理やり押しつけなくても、自然と広まるでしょうし。またアラブやイスラムの文化のなかにも —— たとえその大半は、ほかの文化圏からみて変だとしても —— きっと、独自のうつくしさみたいな面も多少は、あるかもしれないし。ドビュッシーの「アラベスク」なんて繊細で美しいピアノ曲だよね、アラベスク様式の文様からインスピレーションを得ているのでしょうけど。コーヒー文化も今じゃ人類共有の財産だし。イスラム教関連だから全面的に間違いというのは、キリスト教徒のやることだからすべて正しいというくらい頭悪すぎ。
想像してごらん。この世に国境なんてないと。
地球上どの国に行っても安心して同じ味のビッグマックが食べられて
同じ味のげっぷがでると。
世界のコトバ、マクドナルド。
でも、モスバーガーのほうがおいしいよね☆