OGMの再生法は別ページをごらんください。 日本語での字幕については、別記事SRT日本語字幕 SJIS/UTF-8を参照。
拡張子が .avi の動画では、オーディオ部分は mp3 になってることが多いと思います(ビデオ部分は、DivX や XviD などで圧縮されている)。最近、gif に対する png のように、mp3 に対するパテントフリーの音声圧縮フォーマット Ogg Vorbis (拡張子.ogg) が少しずつ広まってきてます。動画の音声部分に Ogg Vorbis を用いる Ogg Media (OGM)形式も、字幕や複数音声のサポートなど、あんがい将来性がありそうです。やってみたらとっても簡単にできることが分かったので、興味あるかたは試してみてください。以下、Windows 2000 でのお話です。
サンプルに使ったのは、SkyperfecTV からキャプチャーしたアニメのED部分です。インターレース解除、フレームレート変更、ノイズ除去などのフィルター処理には使い慣れた AviUtl を使ってますが、もちろんほかのソフトでもかまいません。
とりあえず、WAV出力でオーディオだけ書き出してみます。これを ogg に変換しときます。wav から ogg への変換は、Oggdrop を起動して、さかなの絵のうえに変換元の wav ファイルをドラッグ&ドロップするだけ……。
デフォルト(96Kbps相当)以外の音質に設定したい場合、さかなのうえで右クリックして適当にパラメータを設定します。サイズを小さくしたい場合、ステレオ64Kbps相当の Quality = 0(最高圧縮)でも良いでしょう。MP3に比べて、ここでかなりサイズをかせげます。
変換中、さかなの絵がくるくる動いて、あっというまに変換元の wav があったのと同じフォルダに ogg ファイルができあがります。
今度は映像部分のエンコードを行います。ここではフリーな形式ということにこだわって、画質も優秀な XviD で圧縮してみました。べつに DivX3 や DivX5でも良いのですが……。エンコは、ごく一般的な AviUtl のエンコードで、とくに付け加えることはありません。動画をあつかうかたなら、いつもやってる通りの作業です。
オーディオ部分は後から合成するので「音声無し」でAVI出力しときます。
OggMuxを使えば、あっけないほど簡単にオーディオとビデオを合成(Multiplex)できます。Ogg用のDirectShowフィルターをインストールしてないかたは、まずそれをインストールしてください。そうすれば、Media Player ほかでも音声が ogg の動画をふつうに再生できるようになります。2002年10月2日現在の最新版は 0.9.9.4 で、Ogg Vorbis 1.0 をサポートし、最新の Windows Media Player 9 Beta にも対応してます。インストールもダウンロードしてきた OggDS0994.exe のようなファイルをクリックするだけ。OggDS.dll がシステムフォルダにコピーされ、自動的にレジストリに登録されます。
OggDSフィルターがすでに入っている場合は、OggMux.exe を起動してビデオファイルとオーディオファイルを選択して [Mux File!] をクリックするだけ。
この記事の時点で OggMux の最新版は 0.9.2
なお、Soundtracks の欄は [...] をクリックしてOGGファイルを参照してプルダウンリストから言語を選んでから、[Add] を押せばリストに入ります。オーディオストリームが一本だけなら、言語を指定してもあとから切り替えられるわけではないですが、ファイル内容の情報として入れておけばいいでしょう。
処理は数秒です。できあがりの出力ファイルの拡張子は、何も指定しないとデフォの .ogm (Ogg Media / Ogg Movie) になります。が、拡張子ごとの関連づけやアイコンの設定が面倒なら、.avi ないし、.ogm.avi にでもしとけば簡単でしょう。DirectShowフィルターを入れたのだから、.avi の拡張子に関連づけられているプレーヤー(それが何であれ)で再生できるはず。
以上で ogm ファイルが完成~。
ホントに簡単。DivX や XviD でエンコしなれてるかたにとって、ogm への敷居は、きわめて低い(その日からすぐ始められる)と思われます。内容は XviD なりの画質と ogg の音質があわさっただけですが、この ogm という形式には、OggMux のGUI画面から見てとれるように、同一のビデオストリームに対して、複数言語のオーディオストリームや、字幕ストリームなどをミックスできる、といった将来性があります。はやくいえば、DVDみたいなものです。当然、複数言語の音声を切り替えたり、あと(たぶん)プレーヤーが対応すれば字幕をオンオフできる仕様なのだと……。しかも、DVDはオーディオ、ビデオとも mpeg2(現在の感覚にてらすと低画質、低効率の圧縮とも思える)ですが、OGM では、より圧縮効率の良い mpeg4 系が使えるわけです。
もちろん XviD + OGG Vorbis が次世代の可能性のすべでじゃないですが、気軽にできるので、ひまなときにでも試してみたらいかがでしょう。