つまらないことで叩かれたサイトがあります。現在、トップ記事は謝罪文になっているわけですが、これは見過ごせない状況なので備忘録に書きとどめておきます。問題の記事は以下の通り。
ところであの拉致ヴァカ家族どもはどーにかならんですかね?(挨拶) 日本の民主主義による選挙によって選ばれた社民党の議員を「あれは北朝鮮の政治家です」とか言うのは、民主主義の否定、つまりは北朝鮮と同じ事を言っていることにならんのですか?そんなことも分からずにテレビで堂々と放言するような奴は、はっきり言って国賊だと思う。「コメを出すならば、子供と交換するようにしてください」ってのもどーか。こいつは自分が北朝鮮国民の立場だったら同じ事を言えるのか?その程度の想像力もない感情的なヴァカに操られている日本国民って、はっきり言って情けないよね。
たしかに言葉は悪い。しかし、いっていることはよくある意見の範疇です。この程度のこともいうことを許さない、いわゆる優しい人々にはほとほと愛想が尽きる思いがします。
備忘録の古い記事を少々刈り込んで再掲しておきます。拉致問題に関する当サイトの見解、ということで参考まで。
曽我ひとみさんは何に怒っているのか? 週刊金曜日の記事を読んだ曽我さんが「私は怒っている」といったという件で、なぜか週刊金曜日が多くのメディアや個人Webサイトで糾弾されているわけですが、おかしな話です。他の拉致被害者(の内の生存者)は、もう諦めているから、被害者の家族を喜ばせるような発言ばかりするようになりました。真情を素朴に吐露する曽我さんは、日本に拉致されたことを怒っているのです。日本国政府に対して怒っているのです。拉致被害者家族連絡会の面々に怒っているのです。そして政府と家族会を応援する日本国民に怒っているのです。曽我さんの家族は、さすがにこのことをよくわかっています。妹の金子さんが行ってきたこれまでの数多くの発言には注目するべきです。
自称支援者の方々は全然曽我さんの気持ちがわかっていない。その一例をあげます。
心ない報道で、曽我さんはどうしても「家族に会いたい」との思いを募らせたと思う。慎重にしてほしい。
家族に会いたいという思いが強くなっては困るというかのような談話です。そうなのです。これは家族会の気持ちを、ご都合をいっているのです。拉致被害者本人の気持ちなんか、全然考えちゃいないんです。
曽我さんは以前から、何度も、家族に会いたいといっています。なぜ曽我さんは家族に会えないのか。それは「生きていてくれさえすればいい」といっていた拉致被害者家族が、どんどん要求をエスカレートさせ、本人の希望よりも家族の幸せを、大義名分を優先させたからです。そして「そもそも拉致が言語道断なのであり……」という小泉談話も出て、すっかり拉致被害者の日本永住は既定路線となりました。
大義名分は後からくっついてきたものです。もともとは家族会のエゴでした。どうして、どうして被害者当人の幸せがないがしろにされるのでしょうか?
正午過ぎに励ましの電話を入れた中山恭子・内閣官房参与と話した曽我さんは、記事の中に日本の政府関係者や曽我さん本人が、曽我さんの家族との間で「十日間で(北朝鮮に)帰ってくると約束した」と書かれている点について、「約束した覚えはない」と互いに確認しあったという。
これも悲惨な記事です。けれども、鈍感で残酷な日本国民は、何も気付きません。
中山さんとの電話後、曽我さんは、なぜ十日で帰るとはっきり約束しておかなかったかと、心中煮えくりかえる思いだったことでしょう。この中山さんの電話が、どれほど曽我さんを苦しめるか、想像するだにあまりあります。これに比べれば、週間金曜日の報道は、当たり前のことを当たり前に伝えているに過ぎません。曽我さんに帰ってきてほしいと向こうの家族がいっているのは、疑うまでもなく本音です。もし一部報道にあるように、北朝鮮の政府がそういえといっているからそういっているのだ、としたら、それこそ寒い話ですね。本当は帰ってきてほしくないのだとすれば、それほどひどい話はないですよ。なのに服部孝章氏は、週間金曜日の記事は北朝鮮政府の管理下で作られているといって憚らない。
週刊金曜日を責めるマスコミは、なぜ中山さんを批判しないのでしょうか。あるいは最近話題のblogとやらでもいいですけど。中山さんは仕事でやっているわけだから、個人を批判しても仕方ないのですが、しかし誰も何の物言いもつけない状況は異常です。
これに関連して。蓮池透さんは、最近マスコミをにぎわすコメンテータのうち、私が最も嫌う人物です。世の中のありとあらゆる事象を、自説に都合よく解釈します。そして異議を唱える者を洗脳しようとします。許し難い人物です。
以前にも書いたことですが、北朝鮮の拉致と洗脳には怒るくせに、被害者家族が行っている日本への拉致と日本人的考え方への洗脳には誰も怒らないのですね。北朝鮮で幸せに暮らしていた人たちを、「あなた方は不幸だったんだ」とくり返しくり返し説明し、ときには恫喝してでもそう納得させようとし、北朝鮮には絶対帰さないといい、実際にそうしてしまう。被害者のうち4人は順応性の高い方々だから、今回の日本への拉致に対しても、早速、家族連中を喜ばせるような発言をしはじめています。拉致被害者の家族は度し難い自己中だから、「やっと本音をいうようになってきた」と口を揃えていっています。蓮池透さんは、その自己中では筆頭級だから、マスコミ向けというわけではなく本気で洗脳が解けてきたと信じているらしい。
午後4時半頃には蓮池薫さんの兄・透さん(47)も曽我さんに電話。「一時的なショックはあったようだが「私は頑張る」といっていた」と語ったうえで「弟も今回の取材について「あの国(北朝鮮)で自由意志で話ができるわけがない」といい、曽我さんに励ましの電話を入れるといっていた」と明かした。
蓮池薫さんは、もう透さんと喧嘩するのに疲れきったようで、このところ透さんには何をいえばいいかよくわかってきたようです。北朝鮮の悪口をいえばいいらしい。あることないことを問わず。それを無邪気に喜ぶ透さんは、自分の罪に本当に無自覚なんですね。まあ、だからこそ日本人に受けて、マスコミが重宝する存在となりえたわけですが。
拉致被害者がどんなに北朝鮮での暮らしは幸せだったといっても、まったく耳をかさない日本人には呆れます。北朝鮮はたしかに物質的に豊か、社会制度的に自由ではありません。しかし、自分は幸せに暮らしていたと断言し、それを否定する家族と一晩中口論するような人が、日本にどれほどの割合でいるというのでしょうか。北朝鮮に帰せば、日本にとどめおくより不幸な生活をさせることになると決め付けている日本人が多すぎます。物質的豊かさを、他人の悪口をいえる自由を、日本人がこれほど愛しているとは知りませんでしたよ。ええ、本当に。
拉致被害者がここしばらく口にし続けている「私は頑張る」という言葉は、北朝鮮に向けられたものではありません。被害者が頑張っているのは、「必死に築いてきた幸せな生活が日本に拉致され灰燼に帰した運命を受け入れ、幸せな生活を0から再構築しなければならない現実に向き合うこと」に他なりません。無邪気に「応援します」だなんていっている人は、自分が加害者であるということにいい加減気付くべきです。
家族のために、国家のために、個人の幸せが犠牲になる。それは致し方ないことです。ただね、靖国神社へ参拝するように、犠牲になった個人をないがしろにしないことだけは、大切にしなければいけないのと違いますか。曽我さんも、そのうちに口をつぐむようになるでしょう。そして最後には、家族を喜ばせるために、私たち日本人を喜ばせるために、日本に永住したい、家族を呼び寄せたい、北朝鮮での生活はひどかった、日本での生活はみなのご支援があって幸せです、というようになるでしょう。本音で。すっかり洗脳されて。あれほど北朝鮮での生活に戻りたかった気持ちを忘れて。そのときに、一件落着だなんて、ふざけた感慨を持つような連中が多勢いるだろうということは容易に想像できます。これはじつにじつにふざけた話で、許し難い話で、いうなれば、私は怒っているのです。本当に怒っているのです。
拉致被害者・曽我ひとみさん(43)の夫で元米兵のチャールズ・R・ジェンキンスさん(62)を共同通信とTBSが入院先の平壌市内の病院でインタビューした報道について、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の蓮池透事務局長(47)は30日、東京都内で報道陣の質問に答えた。「北朝鮮で本当のことを話せるわけがない。(日本に行けないという)ジェンキンスさんの話は、まったく信用できない」と語った。
蓮池さんは「なぜ病気で入院した人がインタビューに応じるのか。みえみえのやらせだ。北朝鮮がこれ以上何をしても、5人の意思は変わらない。日本のマスコミは、北朝鮮の先棒をかつぐ報道をやめていただきたい」と話した。 (23:28)
ジェンキンスさんは本当は病気じゃないし、入院もしていない、曽我さんに会いたいとも本当は思っていないと信じたいのは誰でしょうか? 答えはもうわかりますね。それは蓮池透さん自身なのです。蓮池透さんは、自分の世界観にとって邪魔なものはすべて、陰謀、洗脳の産物だと強弁するのです。妄想の世界に生きている人なのです。こういう人のいうことを、いちいちありがたく拝聴していてはいけません。
もうひとつ。北朝鮮の生活に諦めをつけ、日本で生きる運命を完全に受け入れた地村夫妻の談話。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致被害者で福井県小浜市の地村保志さん(47)は30日、「5人を北朝鮮に帰すべきだ」という北朝鮮外務省高官の29日の発言について、「なんとも思っていません。私たちは何も動揺していません」と語った。同市内で開かれた「ふるさと料理を楽しむ会」に出席後、妻の富貴恵さん(47)と一緒に代表取材に応じた。
日朝交渉について、保志さんは「今は膠着(こうちゃく)状態だが、どこまでも日本政府の対応を信じて、日本で子どもと会えるよう頑張っていきたい。曽我さんが頑張っているのを見ると力になる」。富貴恵さんは「一日も早く子どもに会いたい。(交渉は)うまくいかないが、我慢しなきゃいけない。心は絶対変わりません。待っています」と話した。
地村夫妻が拉致問題について直接語ったのは、11月14日の記者会見以来。 (01:03)
日本に帰ってこれてよかったね、万歳、と暢気に考えていたみなさんにも、いくらかでも地村夫妻の発言の重みを感じていただければと思います。地村富貴恵さんには次のような発言もあります。
これまで親や兄弟が必死で捜して待っていてくれたことを思うと、子供に会いたいという気持ちなんかちっぽけなことやと思いました。
うん、そうだ、ちっぽけなことだよね、なんて思う人は一回死んだ方がいい。多くの場合、親と子どもを天秤にかけたら子どもを取る。とくに母親は。しかし富貴恵さんはあえて、自分の気持ちをちっぽけなこと
といいました。誰のために? まず家族のために。そして問題解決に尽力している政府のために。そして、日本国民のために。
ところが情けない日本国民は、そうだ、北朝鮮は許せないぞ! と、何も考えずに他人様を責めて終りにしています。日頃、問題を自分にひきつけて考えることが大事だ、なんて正論をいっているのはどこの誰なのでしょうか。富貴恵さんの発言は、まさに私たち日本国民に向けられているというのに、どうしてしっかり受け止めようとしないのでしょうか?
上京している拉致被害者の曽我ひとみさん(43)は29日午前、東京都内のホテルで記者会見し、前日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から夫のチャールズ・R・ジェンキンスさん(62)の入院が伝えられたことについて「正確な情報がないので心配していますが、政府の方針に任せています」と話した。
会見によると、曽我さんは東京で夫と娘にコートとセーターを購入し、外交ルートで届けてもらうよう外務省に依頼した。「元気でいるのか。早く会いたい」などと朝鮮語で書いた手紙も添えたという。
永住帰国については「どこに住もうと家族が一緒に暮らせることが大切だと思う」「私としては日本に住みたいが、家族と会わないと分からない」と語った。
会見に先立ち曽我さんは内閣府で中山恭子内閣官房参与にあいさつ。午後、上越新幹線と船で新潟県真野町(佐渡島)に帰郷する。 (12:25)
曽我さんはずいぶん賢くなりました。遠からず、どこに住もうと家族が一緒に暮らせることが大切だと思う
といった、日本の家族を困らせる発言をしなくなるでしょう。そして、日本の大儀のために、自分が北朝鮮に帰る望みを完全に捨て、家族の呼び寄せだけに注力するようになるでしょう。
この苦しみを、絶望を、日本国民は理解するべきだと思う。何にも気付かずに、単純に、そりゃあ北朝鮮よりは日本のほうがいいに決まっているよね、だなんてぼんやり考えている人は、あまりにも脳が不自由です。拉致被害者のみなさんは、そうした状況すら諦め、受け入れ、日本国民の皆様のご支援に感謝しますというのです。この悲劇、残酷な、悲惨な物語は、どこか遠い世界の話ではありません。東京から新幹線で2時間の、新潟で、佐渡で繰り広げられている現実なのです。
拉致被害者は、誰のために苦しみを背負う覚悟を決めたのか、私たちは、そこを想像しなくてはいけないのと違いますか。北朝鮮に帰りたいと駄々をこねなくなったね、洗脳が解けてよかったね、などといっている日本国民は、みんな馬鹿です。馬鹿なのです。