ついつい「HTML&スタイルシートトレーニングブック」のレビューではきついことを書いたのだけれども、書店でパラパラやっていると、ホントにひどい本というのは他にいくらでもあることに気づかされます。星2つというのは Amazon ではあまりにも低い評価で、ちょっと悪いことをしたかなあ、と思う。星をたくさんつけても本文で批判することはかまわないわけだから。
というのは、星は検索結果のリストなど、あちこちで使われているのです。レビュー本文とセットというわけではないのですね。ずっとひどい本が星4つとかになっているのに、渡辺先生の本が星2つというのは、ひどいかもしれない。
実際に
「読まれないような解説を書くやつが悪い」とまでぶっ飛んだことを仰る方がいるのかはさて置き、仕様書はわかる人にしかよくわからない代物なので多くの利用者は仕様書を読まない。で、わかる人にしかわからない仕様書というのがわからない人にとって問題になるわけですね。たとえば、MT や HTML の仕様について予備知識が無い方が仕様書を読んだところで、誤解せずにしっかりと使い方を理解出来るかというと疑問。家電の取扱説明書でもなんでもそうなのですが、説明を苦労せずに理解するためにはある程度の予備知識が必要になってくる。家電は日常生活でよく触れているので何となく使い方がわかりそれが予備知識となる。しかし HTML やら MT やらは身近な存在とは言いがたい。すなわち、予備知識に乏しい。そうするとたとえ仕様書にきちんと目をとおしたのにも関わらず、使い方がさっぱりわからないという方が出てくる。
で、HTML や MT の予備知識を得るのかというと、これはよくある「楽しげな解説」からなのでしょう、多くの方は。そこである程度の (そして誤解含みの) 下地を作り、更に興味が出てきた人はきちんとした解説に辿り着き、誤解を誤解と認識できるようになり、正しい使い方を学ぶ。やりたいことだけに着目し、囚われてしまった方々は誤解したまま使いつづける。
一見、正しい使い方を知ることが出来た方の方が幸せのように見られるのですが、誤解を誤解と認識できない人の方が実は幸せなのかもしれませんね、というお話。ルールというのはいつも厳しく、そして窮屈なものです。
同感。日本の理科教育が、最初は直感的にわかりやすく、そして間違った説明をするのは、決して故なきことではないと思います。私も経験上、多くの人は HTML を学ぶために「遠回り」を必要とするのではないか、と考えます。HTML の場合、間違いを教える必要まではないでしょうが、初期の段階ではレガシーな HTML を許容するしかないのではないでしょうか。装飾に font 要素を使うことを、黙認せざるをえない。テーブルレイアウトも、見て見ぬふりせざるをえないだろう、と。
生徒は講師が何も教えずとも、勝手にそういったテクニックを学んできて使いたがります。これを叱っても無意味ですし、何故ダメなのかを話しても通じません。たまに賢いというのか、向いているというのか、すんなり話を理解してくださる方もいらっしゃいますが、まあ例外ですね。おじさんには、案外、例外が多いです。子どもには期待しない方がいいです。おばちゃんはその中間。お兄さんお姉さんに教えたことはありません。