趣味Web 小説 2005-05-21

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私はメーカー勤務。本社が工場と一体化しているので、みんな出勤すると更衣室で着替えます。社長だって作業服を着ます。男性社員が多いので、男性用更衣室は広いのがふたつ。女性用更衣室は狭いのがひとつ。……だと思っていたのです。

金曜日は資源整理の日。分かりやすくいえば、ゴミを分別して集積所へ持っていく日。今日、初めて生ゴミ処分を担当した私は、集積所の場所が分からないので職場の同僚の後ろについていったのです。何でも、受付棟の脇にあるのだとか。ところが、「いつもの場所」は工事中。生ゴミ処理バケツが見当たりません。さてどうしたものか、という話になりました。

幸い、周囲を見回すと、受付棟の勝手口のような引き戸の曇りガラスの向こうに、明かりが見えました。そこで、中にいるであろう誰かさんに、バケツの場所を訊ねてみることにしました。で、同僚がガラガラと戸を引き開けた。

「キャー!!!!!」

私の位置からは中の様子は見えなかったのですが、何が起きたのかは明白でした。えええええ!? 受付嬢の派遣さんたちって、そんなとこで着替えてたの? 女子更衣室は狭すぎる、と聞いてはいたけれど。同僚は慌てて戸を閉めたように思いますが、この一瞬は長かったですね。

閉じた戸の向こうから「信じらんなーい!」「許せなーい!」とか怒声がバリバリ浴びせられる。ううう。こういうのはマンガの世界の話だと思ってました。でも、それもおそらく実際には長い時間のことじゃなくて。というのは、再び戸が開き般若面の派遣さんが「何の用ですか」と同僚を詰問したとき、まだ彼女は割とみっともないカッコでした。多分、気をつかってくれたんだと思う。

こちらがしどろもどろで謝りつつワケを話すと、「それなら受付の警備員さんに訊ねてください」といって、ピシャリと戸が閉じられてしまう。それ以上は、とりつく島もないって感じ。

こりゃー、今日は諦めた方がいいかも、と同僚と話して、数メートル先の受付でバケツの移動先を聞きました。最初からこうすればよかったと、後悔することしきり。仕方ないので、休日に何かお土産でも買って、月曜日にあらためてお詫びに伺うことに。

……という経緯で知ることになったのが La Famille というケーキ屋で、上記リンク先はオーナーのコラム。お菓子作りの修行旅に単身出かけたフランス。それはお菓子作りに夢をかけてきた私の50代にして体当たりの挑戦でした。なんて話を読むと、なんだかご利益がありそうな気がしてきます。明日は、お勧めされたスイーツなどを食べ歩こうかと思ったり。(スイーツはラーメンと違って1日にたくさん食べていいものじゃないよ! という意見も)

追記(2005-05-23)

朝イチで謝りにいったら許してくれたので、ホッとしました。

「用のあるときはノックしてください」

ごもっとも。

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