趣味Web 小説 2007-05-01

最低賃金規制と某社の命運

時給600円台だった人の話。

寄せられたコメントなどをみても、最低賃金規制は当然に正しいものとみなされている様子。経済学の勉強をしていくと、「仮に時給が安くても失業よりはいい」という考え方に行き当たります。

他にもっといい条件で雇ってくれるところがあれば、そっちへ行ったはず。それがなかったとすれば、失業との選択になります。筆者自身は失業の方がよかったのかもしれないけど、社会全体としてはどうか。

最低賃金規制については先般も自民党と民主党の間で論戦になりました。ワーキングプア対策は賃金規制強化だ、と民主党はいう。私は自民党の方が正しいと思いました。

不況で失業者がたくさんいるときに最低賃金を上げても、生産性の低い企業を淘汰して失業者を増やす結果にしかならない。好況になって生産性の高い企業で人手が全然足りない場合に、労働者の「今の職場にしがみつく習性」を何とかしたい場合の政策だと思うのです、賃金規制の強化って。だから時期尚早だと思うなあ。

今後、景気回復が続けば失業率は低下し、某社もこれまで通りの待遇では従業員を確保できないはず。ホントに従業員を安くこき使うしか能のない経営陣なら、某社は遠からずこの世から消えます。

で、たいていこういうタイミングでくるんですよね、官憲が。まあ、そんなもの、こない確率の方が高いけど、くるなら今、って感じ。「美しい国」を目指して、叩け、叩け、の機運か。

ワーキングプアつながり。お勧め記事です。この方の記事はいつも面白いなあと思ってます。

八代は「さらに改革をすすめれば解決する」「何より景気回復が第一」「最大の原因は長期経済停滞。もっと高い成長で雇用機会を増やす」などととんちんかんな発言。「いざなぎ景気」をこえるといわれる「実感なき好景気」が続いているのに、何を見ているのか。

私が経済学の本をちょっと読んだ限りでは、決して頓珍漢ではない。好景気を期間だけで判断することこそ早合点なのに、八代尚宏さんの意見が耳を傾けてられもしないのがデフレ予想の定着した日本の現状。政府は半ば超然と高成長戦略を志向していますが、手放しでは喜べません。

補足

ひとつの会社の中に高給取りと薄給労働者が共存しており、社内で所得の再分配をすれば最低賃金を上げられる、という状況なら話は全然違ってきます。でもそれは私の知る限り稀なケース。某社幹部の給与を全部再分配してもバイトの時給はちょっとだけしか増えないのではないか。

Information

注意書き