趣味Web 小説 2007-10-04

テープメディアと、これでお別れ

1.

ヤフオクに出品中。サンプル:助役室:記念講演

ほとんどのテープはゴミ箱へポイ、ほしがる人がいそうな講義録2種だけヤフオクに出品、片方は落札・発送済。カセットテープの録音・再生環境もテープのオマケとして手放した。リンク先の、残るひとつが片付けば、手持ちのカセットテープ資産はゼロになる。

いろいろ考えたけど、数十本あったカセットテープの中の「音」は、ついにひとつもサルベージせず。約7年間、一度も聞き返さなかったのだ。私の人生に、必要のないものだったのだと思う。

2.

実家の、かつて私が起居していた部屋に保存されていたビデオテープ(家族全員分をなぜか私が管理していた)もまた、8月に全部処分した。HDD にコピーを残したのは、弟が幼い頃に両親がビデオカメラを買って撮影した合計1時間半程度のみ。

それにしても、どれもこれもテープをケチって3倍モードで録画されていたのは、おかしかった。1本30分のVHS-Cテープ、たしかに安くはなかったが、カメラの値段を考えればタダみたいなものだったのに。

試し撮りを上書きしたテープもあった。それでいて、テープの3分の2が未使用。バッテリーの方が切れたらしい。「昔はそうだったよね」と思ったら、最近のカメラでも「SDカードに最大4時間半録画できますが、バッテリーは90分しか持ちません」とかいう仕様が当たり前だったりする。

3.

長くても5分で途切れる映像。最初は粘土遊びをしている弟を写していたのだが、ニコニコしながら話しかける弟の声を無視して、レンズは窓の外へ向き、庭を写し、パンアップして空へ。暗転。撮影者は母だそうだ。5分で限界に達した気分は、映像を見ている今の私にも伝わってくるものがあった。

ホームビデオを見ていると、私たちの暮らす世界が、どれほど退屈で飽き飽きするようなものか、よくわかる感じがする。「これはぜひ録画しておきたい!」と撮影者が考えたシーンでさえ、5分と耐えられない。

4.

1988年7月にビデオカメラを買って、7~8月に70分撮り、1989年の弟の入学式で10分くらい撮り、以降8年間で10分だけ撮って、最近10年間は全く使用していない。まあ、上書きされた試し撮りなんかは計算に含めていないわけだけど、誤差の範囲ではないか。

他所のご家庭ではどうなんだろう? ビデオカメラって、どれくらい使われているものなのか。そういえば写真だって、私や弟が幼い頃は年に1~2冊はアルバムが増えていたのに、次第にペースが落ちて、とうとう36枚撮りフィルム1本で2年持つ、といった状態になった。カメラの中でフィルムが変性してしまいそうだ。

数年前、母はパソコンと一緒にデジカメを買い、しばらくは月10~15枚ペースで写真を撮っていたけれど、ふと「お父さんなんか撮っても面白くない」と気付いてしまった。さりとて他に撮るものがあるわけでもなく、月に数枚程度、庭の花を撮るペースに落ち着いてしまった。

ここ数年、私が写った写真は年に1~2枚のペースでしか増えなかったし、私が持っているものとなると、昨年まで4年連続でゼロ行進が続いていた……あ、免許証を更新したんだった。ま、そんな感じ。

5.

HDD にコピーした映像、いつまで見られるものなのかな。HDD レコーダーを落っことしてサヨナラだったりして。どうせ10年間一度も見直すことのなかった映像なんだけど、事故で消えたらやっぱり悲しいんだろうな。DVD も作ってみたけど、パソコンで認識されず。なんでだ!

しかし代わりの方策を打つ前に夏休みは終わってしまったのだった。正月に実家へ行ったら、パソコンや、他の機種でも再生できる DVD をどうにかして作りたい。

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