趣味Web 小説 2007-12-28

そりゃたしかに自由市場は打ち出の小槌ではないが

権利者の許可なきコンテンツダウンロードの違法化は、自由競争の基盤だと思う。権利者が禁止してもアップロードを制限しきれず、ダウンロードは全く自由……これでは様々なビジネススタイルを選択する余地がない。否応なく、勝手な二次利用、三次利用をされることを前提とするしかなくなる。

法的にも物理的にも、ルール構築の自由と、その自由を担保する基盤を権利者に与えるべきだ。その上で自由競争によって様々なビジネスモデルが見出されていくのが正しい、と私は考えている。

商品が売れなきゃくたばる、プロはそういうリスクを背負ってる。リスクを取った人間が、規制をしたいという。やらせてみればいいじゃないか。最終的には消費者が生殺与奪の権利を持っているんだよ。規制したい人は規制する、自由にしたい人は自由にする、そうでなきゃビジネスモデルは画一的になってしまう。

パッケージやオンデマンド配信が売れる映画やドラマはコピー制限すると利益が最大化されるかもしれない。天気予報は携帯機器にコピーを持ち出せると人気を博すのかもしれない。コンテンツの供給者が、そうした選択肢を持てることが重要なんだ。完全なDRMの浸透した未来が早く来ないか。

……こんなことを、ときどき考えてる。

補記

違法アップロードの取り締まり強化で十分ではないか、という意見、よくわかります。でも、「違法じゃないから」といって悪神を召喚し煽ってバカやらせてる卑怯な連中が多過ぎる状況がありますからね。実際に罰を与えることはできなくとも、「それ違法だよ」といえる環境整備はあっていいと思う。

ていうか、消費者がルール無視上等みたいな行動パターンをとる世界で、ビジネスモデルの競争も何もあったもんじゃない。自由市場は万能じゃない、っていわれるけど、そりゃたしかに打ち出の小槌ではない。でも双方が自動で歩み寄って折り合いをつける仕組みとして、これ以上のアイデアがありますか?

消費者が一方的に「**は無料!」と価格設定してしまう。それでは市場の縮小は避け得ない。需要と供給の綱引きで価格を決定していくメカニズムを否定する戦略から、明るい未来は描けない。

Information

注意書き