趣味Web 小説 2011-11-07

大学の半分を放送大学で代替したい

1.

「いつの間に」ってことはないだろ、と思うけど。さて、この現状が問題だとして、「進学率を思いきり下げて給付型の奨学金で賄えるようにする」「増税する」「国公立大学の学費を私大並みにする代わりに貧しい人への支援を手厚くする」といった対策が考えられる。どこかで帳尻合わせは必要。

地方の国立大学に進学すれば、バイト代で学費と生活費の両方を賄うという道もあって、私の学友はそうしてた。あとは親戚や家族の友人・知人などの伝を辿って「書生として大学近辺に下宿する」という手も(というか、下宿できる親戚や知人の家から通える大学を探し、頑張ってそこに合格する)。学費だけなら長期休暇中のアルバイトだけで賄える。何せ4ヶ月近くも休みがあるので……。

2.

しかしこの奨学金、これから完済できる人がどのくらいいるのだろうか。俺も20年間安定収入がある自信なんて全くない。大学生のうち何割がこの大きな借金を「稼げるスキル」に変えて元を取るのだろうか。

逆にいうと、奨学金を返せない人が多いなら、大学教育にはコストに見合った収益がないということ。親が無駄金を使った場合は、その損失が見えにくくなっているだけ。一種の娯楽として消費されているから怒る人が少ないという……。実際、経験的にも「キャンパスライフ」なんてのは娯楽だと思う。

私は「お勉強の苦手な人向けの高等教育は、費用対効果を考えれば放送大学が最適」だと考えている。勉強が苦手で、大学4年になっても本来の高卒水準にすら達しない人までが、高い学費と公的支援で成り立つ昼間大学へ通う意義って何? 学校へ通う時間だって無駄だろう。でも、放送大学へ通うための支援くらいならするよ、と。

1998年からCSで無料放送をやっていたが、2011年10月からBSデジタル放送がはじまった。ほぼ全国のご家庭で、アンテナひとつで受信できる。今ある大学の下位半分への支援は一切やめて、そのあたりにしか合格できない「家が貧しいので……」という方々には、放送大学へ転入してもらってはどうかと思う。

3.

通信制にすると卒業率が下がるが、「肩書き大卒」の無意味さを考えれば、社会全体としてはその方がマシ。金持ちは勉強せずに大卒の肩書きを得られるのがズルイという批判もあろうが、おかしいのは一部の昼間大学がロクに勉強もせずに卒業できること。例えば、大学評価・学位授与機構の学位授与事業をベースに、共通の学位認定システムで足切りをするといったことも、考えていいのではないか……。

それに「大学生の1/4以上が放送大学の学生」といった状況になれば、学生同士の交流が容易になる。高校時代の友人と一緒に勉強を続ける人などが増え、放送大学の卒業率は、かなり上向くだろう。

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