趣味Web 小説 2011-11-22

博物館の友の会を有効に活用しましょう!

tonmanaanglerさんは歴史に興味があって、ブログに既存の学説への疑問や、独自の仮説などを書かれている。

俺はこれに関する解説を見たことがない。というか問題提起さえみたことがない。

この件に限らないけど、たぶん、ネットで疑問を書いていても、よほど運がよくなければ反応はないと思う。私が育った千葉県には自然と歴史をメインテーマとする中央博物館があって、そこの友の会に入会すると、定期開催されている自然観察や歴史散歩などのイベント案内がくる。これに参加すると専門家の人と知り合いになることができて、そうすると、イベントのテーマと無関係の話題でも、折に触れて相談できるようになる。

専門家の人は、その道のコミュニティに参加しているから、その人自身が質問に回答できなくても、急がず、しかし催促を続けることで、きわめて豊かな回答が得られることが多い。小学生の頃の私は植物や昆虫に興味があって、名前のわからない草についていろいろ調べてもらったり、家の中に入り込んでくる虫について知恵を借りたり、ずいぶん助けてもらった。子どもだから親切にしてくれたというのではなく、大人でも専門家を知恵袋として活用している人がたくさんいて、現地集合でないイベントなどの場合、移動中はずっとイベントと無関係の話でワイワイ盛り上がっていることが多かった。

専門家の人の詳しい分野と市民の関心分野がズレている場合、ドンピシャの専門家への紹介状を書いてくださることもある。私は「それほどのことでは……」と辞退した記憶があるが、当時のおじさんたちは前へ出る性格の人が多くて(というか、それくらいの意欲がなくては博物館の友の会に入ってイベントに参加したりはしないということだろう)、私が辞退するのを「もったいない」と口々にいった。

tonmanaanglerさんは歴史散歩みたいなイベントには興味がないかもしれないけど、人付き合いのコストだと思って、割り切って参加されてはいかが? 公立の博物館が主催するものなら、金銭的なコストは実費のみ。時間は丸1日吹っ飛ぶけれど、謎を抱えたままにしておくのと、どちらがよいか。もちろん、1回参加しただけで謎が全て解決するわけはない。いや、謎は解決しないかもしれない。でも、専門家の意見は聞ける。たぶん、「問題提起さえない」理由は「そんなこと、考えたこともなかった」ではないかと思うけど、それでも、実際にそういう言葉を聞くことで、ようやく「そういうものか」と納得できたりするもの。

いま私は博物館と縁遠くなってしまっているのだけれど、旧恩に報いるつもりで、社会人になってからはずっと、友の会の賛助会員として寄付を続けている。そうして友の会の活動が継続し、市民と専門家の間を取り持つ助けになればよいと思う。

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