4年前の本です。HDML を中心に解説しているため、現在では基本的に買う必要がありません。HDML は携帯電話向けコンテンツ専用のマークアップ言語として策定されたもので、業界の要求をストレートに反映した特異な仕様になっています。これに対し、ドコモが採用した C-HTML は HTML ベースです。そのため、初期の携帯電話向けコンテンツの解説書は HDML の解説にページを割くことが多かったのです。本書もその例に漏れません。
結果的に携帯電話市場はドコモが過半のシェアを握り、HTML ベースの C-HTML がデファクトスタンダードになりました。そのため現在では、ほぼ全社の端末が C-HTML に対応しています。特別なリッチコンテンツを公開するのでなければ、これから HDML を学ぶ意義はありません。ただ、リッチコンテンツの少なからずはターゲットを最近の機種に絞るでしょうから、であれば XHTML MP の解説を読むのが今後のためにいいのではないか、とも思います。
もし本書をこれから読む必要があるとすれば、EZweb 専用コンテンツを手がける必要があるプロの方くらいでしょうか。あるいは、携帯電話向けコンテンツ黎明期の熱気の一端に触れたい方……。