実際に Web サイトを製作する業者ではなく、製作を依頼するクライアントが読むべき本です。多くのクライアントは、素人の個人的な意見を会社を代表して無責任に発言しています。その結果、要求通りに完成した Web サイトは、しばしば悲惨なものとなります。
本書は Web サイトの作り方を教える本ではありません。どのような要求を出したらいいのか、提示されたデザイン案の出来を判断するポイントはどこか、といった問いに答えるための基礎知識を網羅した本なのです。「なんとなく」ではなく、きちんと理由を挙げて意見するためには、やはり勉強が必要です。
本書は視覚デザインの説明にページを割いているため、企画・プロモーションの分野は手薄です。本書は製作統括の担当者向けであり、企画・運営の担当者は他書でさらに勉強を積む必要があるでしょう。