HTMLとCSSの中級辞典です。HTML4.01、XHTML1.0、CSS2を扱っています。要素とプロパティで項目を立て、精緻な表組みを駆使した情報密度の高い紙面で、属性や値などの情報を整理して紹介します。全頁で解説文や表の中の多くのキーワードについて参照ページを付記しており、索引を使わずに関連情報をどんどん調べられます。
本書は実用系の辞典としては異例の情報量を誇り、W3C非推奨・ブラウザ独自実装といった情報や、使用上の注意点(NOTE)、関連項目も一目瞭然。必要に応じて複数のサンプルを紹介しているのもわかりやすい。
HTMLの解説では各要素の直下に配置できる要素(包含要素)きちんと示しているのは本書の大きな美点です。ここを見落とさなければ、リストの入れ子など文法ミスをしやすい箇所も無事に切り抜けられます。各要素・属性がどの文書型で定義されているかについては、巻末のリファレンスに情報があります。じつは文書型ごとに包含要素の細かな異同があるのですが、そこまできっちり学びたい方は後で紹介する本を選択してください。
CSSの解説では適用要素、初期値、継承の3点セットをきちんと紹介。ブラウザの対応状況も一目瞭然。
学習用としては、W3Cの勧告を一般向けに読みやすく整理し直して紹介するという方針で編まれた「詳解HTML&XHTML&CSS辞典」が、やはり優れています。しかし実務者の日常用としては、本書が内容的に劣る点は少なく、情報の整理や参照情報の豊富さなどメリットは多い。お勧めできる1冊です。
(改訂 2009-10-27)