Webサイト作成の入門書です。できるシリーズらしく、文章による説明を極力排しながらも、HTMLとCSSを正しい手順で学べるよう注意深く構成されています。
パソコンの基本操作にも不慣れな方を対象としており、「作業フォルダの作成」など類書が見落としているステップまでフォローしています。画面写真のステップの刻み方が細かく、キーボードやマウスの操作について詳細に記述。通読型の解説書として構成が工夫されており、展開を見失いにくい。また各項の要点が整理されているので、読破後の辞書的な利用にも対応します。ホームページの公開や画像処理の解説があり、付録のCDには素材集も収録されていますから、この一冊でWebサイトを完成できます。
分厚い本ですが、まず頑張って5章まで進めて、HTMLの初歩を学び、1ページ完結のWebサイトの公開までこぎつけてください。毎日1時間程度取り組めば、5章まで2~5日で修了できます。以上で満足してもよいですが、以降、6章のスタイルシートによるデザイン手法、7章の画像の利用、8章の表組み、9章の複数ページでサイトを構成する方法までは、なるべく順番に学習しましょう。残る10・11章は、必要に応じてお勉強してください。
初歩レベルの解説に注力する本書は、操作ステップの図解が詳細な代わり、全304頁を修了しても到達レベルは高くありません。例えばHTMLに様々なバージョンがあり、本来は文書型宣言でバージョン示す必要があることは解説されない。また「AするとBできる」という解説に終始し、「Cはダメ。理由はD」といった説明が少ない。
本書は良い入門書ですが、修了後、HTMLなどについてもっと理解を深めたい方もいると思う。次の1冊として「作れる!わたしのWebサイト」をご紹介しておきます。