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ARCADIA 映画エッセイ

作品名
<ア行> 愛と青春の旅立ち
アウトブレイク
アナライズ・ミー
アルマゲドン
インディジョーンズ
インディペンデンスデイ
ヴェルベット・ゴールドマイン
<カ行> カジノ
カスケーダー
菊次郎の夏
キリング・ゾーイ
クイック&デッド
紅の豚
ゴースト
ゴーストバスターズ
コマンドー
GODZILLA
<サ行> ザ・シークレットサービス
サムライ・フィクション
鮫肌男と桃尻女
シェーン
死にたいほどの夜
ジャズ大名
ジャッキー・ブラウン
シューティング・フィッシュ
シュリ
ジングル・オール・ザ・ウェイ
新宿鮫
シンドラーのリスト
スターシップ・トゥルーパース
ストレンジ・デイズ
スワロウテイル
戦場のメリークリスマス
<タ行> ターミネーター
ダーティー・ハリー
タイタニック
ダイ・ハード
TAXI
007
ツインタウン
天空の城ラピュタ
天使にラブソングを
トイ・ソルジャー
トゥルーライズ
ドーベルマン
独裁者
時計仕掛けのオレンジ
トップガン
トレインスポッティング
作品名
<ナ行> ナチュラルボーンキラーズ
ナッティ・プロフェッサー
ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
<ハ行> 裸の銃を持つ男
HANA−BI
ヒート
羊たちの沈黙
ビルとテッドの地獄旅行
ピンクパンサー
フィールド・オブ・ドリームス
フォレスト・ガンプ
不夜城
ブルー・ヴェルベット
フルメタルジャケット
フル・モンティ
ブレードランナー
プレタポルテ
ヘルプ
ボディーガード
ポルノスター
<マ行> マイフレンド・フォーエバー
マイライフ
マトリックス
真夜中のカウボーイ
マルサの女
身代金
メンインブラック
<ヤ行> 八つ墓村
<ラ行> ラストアクション・ヒーロー
ラン・ローラ・ラン
旅情
レイジング・ブル
レインマン
レオン
レザボア・ドッグス
ロック、ストック、トゥー
スモーキングバレルス
<ワ行> ワイルドワイルドウエスト



作品名 5段階評価
短評
<ア行>
愛と青春の旅立ち ☆☆☆★★
 邦題はこんなポルノチックな甘い甘いタイトルなんだけど、原題は「An Officer and a Gentlman」、見れば解るとおり海軍航空士官養成所を舞台にした恋愛モノなんだけど、主眼はあくまでも主人公の成長にあるんですね。だから近所のビデオ屋の如く恋愛物のコーナーにあるのは疑問符。
 未来をつかむために努力する軍人の卵達と彼らを狙う貧しい街娘、構図としてもよく出来ている。勿論、バラ色の話だけではなく悲惨な挫折などもたくさん出てくるが、それも受け止めて主人公の成長の糧となっていく。
 好きなシーンはやはり修了後のところだ。散々悪罵の限りを尽くして生徒をしごいた鬼軍曹が、修了後少尉に任官された生徒たちに敬礼するところだ。ここは素直に感動した。
 日本の自衛隊もこの手で行けばいいと思うのだが何をとち狂ったのか協力して作ったのは「マドンナの如く」っていうソフトポルノだからなあ。
アウトブレイク
アナライズ・ミー ☆☆☆☆★
 どうも強面のくせに情けない役が多くはないかと個人的に思っているデ・ニーロの作品。この役もマフィアのドンという絵的にピッタリの面構えにも関わらず、とあるトラウマによりすぐに泣き出すような情けない役。
 精神分析をモチーフにしたコメディーなのでもう一人の主役、精神科医が絡まれる筋が物語の中心だ。初めのうちはデ・ニーロは情けないところばかりなのだが、若干出てくるアクションシーンや後半の怒るところなどは、やはり長年培ったマフィアばりの迫力で流石と思われる。
 ハリウッド的にこんがらがった話は一件落着めでたしめでたしとなる。なかなかマフィア映画らしく陰惨なシーンもあるが、見た後の心持ちがいいのはやはりコメディーと云うところか。
 純然たる既存のコメディーに嫌気が差している人はお勧めです。
アルマゲドン
インディジョーンズ
インディペンデンスデイ
ヴェルベット・ゴールドマイン
<カ行>
カジノ
カスケーダー ☆☆★★★
 ジャケットを見れば解るとおりかなりアメリカナイズされた一本。ああ、これはドイツ映画です。
 スタント馬鹿と称されているとおり主人公であるスタントマンが計画性もなく行き当たりばったりで行動して、さらに相棒の賢い女に助けられる所など、アクション映画の典型例を云っています。
 ところでおやっと思ったのはドイツ映画なのにヒトラーの遺産を財宝としているところ。ナチスは不透明なところが多いから、ネタにはしやすいが、いいのかいなという感じがした。「我が闘争」の記述や鍵十字の位置から推理するなど、日本の良識派や左翼なら徹底して弾圧しそうなアイテムに満ちている。
 ナチス協力者の過去を持つ人物が出てきたとき、やっと物語が深くなったかなと思ったが、もちろんそんなことはなく脳筋的な話が延々と続きます。
 まあ解ったことと解らなかったことが一つづつ。
 解ったのは部屋に爆弾が仕掛けられたときは冷蔵庫にはいるべきということ。解らないのは主人公の恋の行方で、はじめの女の子の母親とはどうなっちまうんだ!?
菊次郎の夏
キリング・ゾーイ ☆☆☆☆☆
 タランティーノ監督の銀行強盗物。
 いや、ぶっとんでます。普通の良識ある強盗とは全く違う本当に「キレちゃった」強盗映画を楽しめます。なんせ主犯がホモでヤク中でエイズ、その上平気で人質をバンバン殺していくというから並じゃない。浅学の故かそういう映画は見たことがなかった。
 また殆ど警察が出てこないところとか、舞台があまり動かない所を見るとかなり低予算だと思うのだが、それでここまで楽しめるというのはやはり監督の力量だと思う。ラストシーンもかなり独特で人の死ぬシーンは映画は何百回も見たけどああいう深く印象に残る死に方も初めて見た。
 色々な意味で目から鱗のクライムムービーです。
 そんなに新しくないけど、新鮮です。
クイック&デッド ☆★★★★
 シャロン・ストーンにディカプリオが出てくる西部劇、という豪華キャストからどんな映画かと思って期待して見たが、実に退屈な代物だった。なんといっても開始20分でおおよそのプロットが読めてしまったことに自分でも驚いた。
 話は基本的に一対一の果たし合いの連続で、その間にストーリー展開があるのだが、勝敗が見え見えでストーリーも陳腐であるため、やたらイライラとさせられた。
 子供の頃、相撲を見ていてなんで試合の間がこんなに長いのかといらついた覚えがあるが、それを久々に思い出した。
 まあ、ストーリーは正道中の正道を走っているから、安心といえば安心してみられる作品です。
紅の豚 ☆☆☆☆★
 宮崎駿監督のアニメ映画。
 「かっこいいとは、こういうことさ」というコピーが示すとおり、実にかっこいい映画。これが実写だったら(人間だったら)とんでもなく嫌みで苦笑さえ出ないだろうが、その点「豚」ということで、嫌味なくかっこよさが十二分に出ている。
 物語自体は単純なのだが、数多く仕掛けられている伏線や挿話がとてもとてもかっこよくて楽しい気分にさせてくれる。
 具体的な舞台は架空の物であるが、場所と地域は大体指定されており、飛行艇もリアリティを持たせているらしく(「機長のカバン」を書いた故・石崎元機長がそう書いていた)大人の鑑賞にも十分たえうる作品である。
 ハードボイルド的なかっこよさが徹底的に馬鹿にされている時代において貴重な一本である。
 加藤登紀子の歌も2曲入っており、聞かせてくれる。
ゴースト ☆☆☆★★
 サブタイトルは「ニューヨークの幻」
 大いに感動を狙った映画で、後から考えるとなんてことない話だけれども見ている最中は完全にノってしまう映画。
 なんでこんなまどろっこしい表示をしたかというとあまりの感動に再び見ると妙な疑問が続々出てくること。
 例えば、壁を通り抜けられるのに対抗電車を避けるシーンは変じゃないかとか、霊媒師に乗り移った主人公とヒロインのキスシーンは実際は霊媒師のオバサンとキスしてんじゃないか、とか(しかし、このゴールドバーグはなんといかがわしい役が似合うことか!)。
 一応ミステリーの趣もあって2時間ドラマ以上には盛り上がれるが(だが、まあゴーストという特性もあって推理らしい推理もなく犯人は分かってしまうが)、推理としての側面では犯人を追い込むところが痛快な程度、やはり主眼は恋愛の要素。
 ラストが臭いと云えば匂うが、それでも万人に納得できるだろうし、カタルシスはまあ得られる一作。
ゴーストバスターズ
コマンドー ☆☆☆☆★
 あの筋肉の塊、シュワルツネッガーの頭が空でも解るアクション映画。筋も極めて単純でアクションが(当時の割に)非常に派手なので無難を狙いたいときにお勧めの一本です。
 とにかくこれだけ主人公が勝手に暴れて暴れて暴れ回るという映画も珍しいものがあります。一応さらわれた娘を助けるという大義名分はありますが、殆ど傷を負わずまるでアクションゲームのように大量の敵を倒しまくるのはやはり快感です。
 普通の映画だとそういうのは「嘘臭い」と思ってしまうのだけれども、此処まで極端に超人ぶりを表せられると、シュワルツネッガーの顔と相まって非常に説得力があります。
 ちなみに僕が生まれて初めてビデオで見た映画で、変に丁寧語を使ってしまうほど、おそれ多い、言語が意味をなくす肉体映画です。
GODZILLA ☆☆☆☆★
 まずいうと、これは日本のみなさんお馴染みの「ゴジラ」とは似ても似つきません。まったくアメリカではゴジラは流行っていると聞くし、ハリウッド版でも散々煽って宣伝していたけれども、一体彼らは何を考えているのでしょうか。
 と、いうのが周囲の意見だけれども純然たる単なる一本の映画だと思えばなかなか興奮できるし、面白いと思うんだけどね。だから「ジュラシックパーク外伝」とでも思えばいいと思います。ジャン・レノはやっぱかっこいいし。
  ところでこの映画にラルクが曲を提供した、これでラルクは世界に通用する、ってな意見が一時期出てたけどほんとかね? 日本の関連シーン、すなわちマグロ船のBGMでしょ? そもそもそんな船でラルクなんてかかるのかなあ。あんまりいい使われ方ではないと思うんだけどね。
<サ行>
ザ・シークレットサービス
サムライ・フィクション
鮫肌男と桃尻女 ☆☆☆☆☆
 望月峯太郎の漫画が原作のクライム・カルト・ムービー。
 原作が割とコミカルなのに対し、映画の方はマジだね。いや、ギャグなところもあるけど、やはりジャンル分けすればアクションだろうなあ。
 ああ、主演は今KDDIで認知されまくってる浅野忠信ね。
 結構原作から脱線してるところもあるけど、かなり面白い。
 敵役のキレぐあいとかメインキャスト紹介場面のかっこよさとか非常に日本映画、殊にヤクザ映画路線からぶっ飛んでる。こいつは洋画路線だなあ。そう思っていたら監督がタランティーノファンなんだってね。なるほど、こういうと僕は非常に嬉しい。
 さてラストが少々納得がいかなかったが、非常に面白かったことには代わりはない。ただあのヤクザ側の女の人、結局何しに来たんだろうねえ。これはさっぱり解らなかった。
シェーン ☆☆☆★★
 云わずとしれた西部劇の名作。
 1952年の作品ながらそのカッコよさは全く遜色がない。まあこういう国民と戦争やっても勝てないなあ、とフィクションのくせにそう思わせるような「強い」映画だった。これは別にアクションの話をしているわけではない。この映画はアクションが主眼ではないのだ。
 七人の侍を模して荒野の七人が出来たように、物語の筋は時代劇とさほど変わらない。万人に共感できる物であるし、最後のテーマも時代劇と共有可能な物である。
 これを見ると、やはりアメリカ人からは銃は奪えない。シェーンと廃銃派のジョーの妻の論議は、シェーンの「銃」の力により結局彼の云うように銃のいらない世界になった。だが映画は終わっても彼らの生活は続くのだ。最も近い保安官でさえ150キロ、ジョーが銃を手放すことはないだろう。
 ところでこの映画は銃撃シーンが一瞬で終わる。現代の感覚からすると違和感があるが、何故だかとても自然にすっきりとした感じで見ることが出来た。
死にたいほどの夜
ジャズ大名
ジャッキー・ブラウン ☆☆☆☆☆
 タランティーノ監督作品でエルモア・レナード原作のクライム・ムービー。出演はパム・グリアー、サミュエル・ジャクソン、ブリジット・フォンダにデ・ニーロと知る人ぞ知る豪華な組み合わせ。この映画が解らない奴は何なんだというくらいの面白さ。
 監督が原作者を尊敬しているとだけあって、基本的に原作と忠実でレナードのファンとしても大変満足(原作小説は「ラムパンチ」)。
 映画としては原作であったヒロインの人種を白人から黒人に変え、悪役との整合をつけ物語に深みをつけてくれる。これ全編に流れるブラックミュージック、特に最後に流れるエンディングテーマが、物語の締めをつけている。 とにかく犯罪小説にありがちな暗さもそんあないし、かといってコメディー系ほど明るくない、程良い感覚を味わえます。
 ところでタランティーノ作品はどれも初めのメインキャスト表示のセンスがいいなあ。非常に好きだ。
シューティング・フィッシュ
シュリ ☆☆☆☆★
 近くて遠い国、韓国のメガヒット映画。
 僕としては儒教の国というイメージが強いのだが、なかなか街並みも北との対比を見せるためか先進国風で驚いた。スーパーなどはアメリカのそれよりも遥かに日本に近いと思った。
 またアクションもハリウッド製のそれよりも遥かに本格的なように思えたし、今なお戦時中の国が敵国の工作員という身近なテーマを出してあれだけの作品を汲み上げたことに対してはやはり日本じゃ無理だなあと思った。色々な意味でね。
 ところで個人的に微笑ましいと思ったのは主人公格の人物が、どれもどこにでもいそうな普通の顔をしていたこと。これがまたリアリズムを出しているように感じられた。日本だったらまず間違いなくジャニーズの人達が拳銃片手に大暴れするんだろうな。
ジングル・オール・ザ・ウェイ
新宿鮫
シンドラーのリスト
スターシップ・トゥルーパース ☆☆☆☆☆
 有名なSF作家、ハインラインの、絶対に映画化不能といわれていたスケールの大きい原作を使った映画。実は15禁。
 SF映画はどうも陳腐な処理や話が多くて好きではないのだが、これは大当たり。宇宙艦隊モノにありがちなおそろしく大きなスケールもよく伝わってくる。その中の一人である主人公を始め、3人の同級生の視点も映画化不能の謂れとなった宇宙軍の世界観をつかむのに大きく役立っている。
 戦闘では15禁だけあってそれは相当に痛い。ホラー慣れしている人にはなんてことないが、TV放映は無理だろう。
 それでも敵のエイリアンは形も動きもリアルだし、その迫力には十分一体となって感情を突き動かされ、痛みや興奮を感じることが出来るだろう。
 SFでは一番におすすめ。
ストレンジ・デイズ
スワロウテイル ☆☆☆☆☆
 非常にお勧めの映画。
 日本にある架空の都市を舞台に下層外国人を主人公にした名作。暗黒小説というジャンルがあるが、この映画もそこに属するだろう。登場人物は売春婦やスナイパー、バンドマン、やくざ、そして中華マフィアなどばかり、その上出てくる言葉も日英中と入り乱れ、独特の雰囲気を醸し出している。
 とはいっても全くの架空の世界の話ではなく、映画に出てくる街並みは確かにどこにでもある団地だったり繁華街だったりするし、役人や警官のイメージは我々のイメージとかなりだぶるモノがある。
  とにかくキャラクターはかっこいいし、歌も暴力も必要な要素は全てそろっている。セリフもファッションも真似したくなるような、とにかくイカした凄い映画なので、是非是非一見を勧めます。
 僕はこの映画にハマって第二外国語を中国語にしました。
戦場のメリークリスマス ☆☆☆★★
 ワイドショーでよくみる大島渚監督の映画。
 坂本龍一の音楽に出演、そしてたけしの(そうクレジットされている)出演で有名だけど、実はこの映画、あのデビット・ボウイも主役格で出ていたんですね。いやあ、すごいな監督。ワイドショーから見るととてもそんな偉い人には見えないのだが。
 話は結構きわどいテーマを扱っているんだけど、日英合作の成果自虐的でもなくまた国粋的でもなく、ただ必然的に暗いであろう収容所を淡々と描いている作品である。勿論、救済もある。
 ボウイはやはりまあらしい役柄でらしいことをしている。
 タイトルの由来ともなるラストシーンはやはり涙なくしては見られない。やはりたけしの力って凄いなあと思った。
 戦争に敵味方あれども、正義も悪もない。それがよく解った。
<タ行>
ターミネーター
ダーティー・ハリー
タイタニック ☆☆☆★★
 まあ誰でも知ってる作品。
 僕は大学受験の直前期に見た。確かに超弩級映画でありそれ相応に面白かったが、それ以上はなんとも言い難い作品だった。これは多分、本質的に恋愛映画(それもよくある障壁のある恋!)であるのに僕は沈没の方に力点を置いて見たからだろう。
 まあそういう見方でも有名な小話は描き尽くされており、十分に満足はできた。しかし解らないことが一つあって、絵を描いて貰うところで何故裸になる必然性があったのか。ここで相当しらけた。
 主役周辺は勿論架空の代物なのだが、うまく現実と調和しており(フォレスト・ガンプのように)そういう意味での興奮は出来た。おそらく実際こういう形で生死を分けたものもいただろう。
 タイタニック号の受難者の墓地には別人ながらジャックという男の墓があって、そこは熱狂的ファンの捧げる花がたえないそうだ。天国のジャック氏もまさかこんな形で世間に注目されるとは想像だにしないだろう。
ダイ・ハード
TAXI
007 ☆☆☆☆★(初期・現在版)
 云わずとしれたジェームズ・ボンドシリーズ。
 何作か見ているが、やはり初期のコネリー版か現在のブロズナン版がいいと思う。どうもちょうど中期の頃の作品はマジメに作っている気がしないのだが、どうだろうか?
 もちろん荒唐無稽な悪人の滅茶苦茶な作戦は初期からあったが、それも段々実効性を失い、珍奇な新兵器と世界の美女との絡みだけで作っているような気がしている。それならリアル方面に走った最近作の方がただのアクション映画に成り下がったと通人は嘆くが、面白いと思う。
 ところで日本を舞台にした奴、あれはどう考えても国辱物の映画だと思うがどうだろうか。
 タイガー田中、ねえ。
ツインタウン ☆★★★★
 トレインスポッティング大流行の後、雨後の竹の子の如く現れた関連映画の一本。その中でこれはかなりの駄作に思える。
 ギョッとするのは主役の双子が風呂の中で麻薬を吸うシーン位のもので、あとは特に驚くこともないし興奮することもない。いや、売春宿のシステム説明の所は実はそこそこ興味深かった。
 あとの見所は、そうだね。双子の姉が非常に胸が大きくてセクシーで、売春宿の受付をしているんだけど、そこで客が「お前を指名する」とかいうところで期待してしまったくらい。
 なんか売春宿のことばかり書いているが、実際そのくらいのことしか書くことがない。キョンシーの大流行以降、愚にもつかない香港ホラーが大量に輸入されたときくが、ブリティッシュポップも似たような運命かな、と思った。
天空の城ラピュタ ☆☆☆★★
 小学生の時、密かに大変気に入っていていた作品。
 ところが今見返してみたりすると随分幻滅した。アニメのことは全く詳しくないが、絵が随分古く感じたし、ムスカが子供向けの悪人のような喋り方をしているのに閉口した。まあ、気にいって見ていた当時は僕自身子供だったのでそれはそれでよかったのかもしれないが、他の宮崎作品と比べて普通の大人が見るに耐えうる作品かと云われれば敢えて判断を留保したい。
 まあでも大変ロマンあふれる作品で、実写ではちょっとこれほど夢のある話を作るのは無理でしょう。初めて見た後、大いに感動し、校庭の芝生に寝そべって天空城が見えるんじゃないかと本気で目を凝らしたことがあったが、あの純な気持ちはどこに行ったんだろうねえ?
天使にラブソングを ☆☆☆★★
 ウーピー・ゴールドバーグが主演だが、この人、こういう役が似合うねえ。破天荒な役がその後与えられるようになったが、この作品が一番しっくりくる。
 物語の筋は保守と革新の激突をユーモラスに描いているのだが、宗教という特性上、保守の権化のようなところは確かに厳しい。僕もそれに関してはやや抵抗を感じたことがなくもない。
 さてこの映画、映画全般にいわれるように何で短期間であんなにうまくなったのかという疑問はあるが敢えて無視して、歌声は確かに凄い。保守の側を立てるためかちゃんとした賛美歌も歌うがそれも含めて歌で感動させてくれる。他にBGMでソウルをガンガンにかけてくれるのもオールディーズファンには嬉しい。
 キリスト教はゴスペルにラップ、ロックコンサートの儀礼を持ち込んだ。仏教も歌はあるにはあるが、豊富な賛美歌には勝てないし、勘違いしたボーズがエレキを持っても虚しくなるばかり。
 若者がビジュアル的・サウンド的に映える教会に走るのも自然の理と思った。
トイ・ソルジャー ☆☆☆☆★
 空想好きな子供にとって学校がテロリストに占領されると云うシチュエーションは魅力的な物だろう。勿論その中で活躍するのは警察ではなく自分たちである。そんな空想そのままの映画がこれだ。
 全寮制の学校にテロリストが来るのだが、非常にスピード感に溢れる映画で、兵器も派手に駆使するので見応えは十分にある。
 勿論主役サイドである子供も活躍するのであるが、大部分犯人を鎮圧するのは警察である。しかもこの警察、有名キャストは一人もいないのだが、その分本格的に突入を図っており、数十分の銃撃戦はこれだけで実際の事件の報道を見ているような気にさせてくれる。リアリティーも十分だ。
 最初から最後まで一切飽きさせない展開には脱帽。
トゥルーライズ ☆☆☆☆★
 ターミネーター後のシュワルツネッガー主演のアクション映画。1分あたり1億円の金がかかってるって? とにかくアクションとしては極めて秀作だと思う。映画好きには初めの雪中での銃撃戦は不評らしいが、それも含めて面白かった。
 まあでもやはり白眉は橋爆破でしょう。なんといっても本物の橋を吹っ飛ばしちゃうんだもんなあ。実は僕はこの映画で一番かっこいいと思うのは、このシーンのパイロットなんだけどね。
 しかし奥さんがセミヌードで踊るのには何か必然性があったのかなあ。家族で見る場合、このシーンで会話は詰まるね。映画館で見たのは中学生の頃だけど、さすが正視は出来なかったなあ。
 アクションだけでなく、家族の復興なんかもストーリーに織り交ぜているのだが、そのストーリーのみには殆ど関心はない。けど、あれだけ楽しむためにはやはり必要だったんだろうな。
 とにかく勧善懲悪。かなり興奮できるし、笑える。見終わった後もいい感じなので、お勧めです。
ドーベルマン
独裁者 ☆☆☆★★
 チャップリン初のトーキー映画。
 最後の独壇場の演説をやりたかったがためにトーキーを採用しただけあって最後の演説、それも最後の最後のセリフには胸に迫る物がある。
 勿論、原則喜劇だけあってよく笑える。古典的な名作と称される喜劇の殆どが今の感覚では一部好事家対象にしかならないのとは異なり、喜劇王の面目躍如と思われるおもしろさだ。
 この作品は当時隆盛を誇っていたヒトラーを痛烈に風刺している。ヒトラーに関しては勿論殆どの人が否定意見を述べているが、同時代にこう云えたチャップリンこそ真の文化人だと思う。もし現代にヒトラーの如き独裁者が現れた場合、果たしてこのような映画が出来るかどうか怪しいものがある。
時計仕掛けのオレンジ ☆☆☆☆☆
 キューブリック監督の問題作。
 昨今、少年犯罪が問題になっているが、なんだか巻き添えで15禁になりそうな映画です。確かに血も出れば痛みのある暴力映画なんだけど、妙に清々しく気持ちいい気分になる。テーマは少年犯罪ではなく全体社会の危険性を描いた風刺モノなのだが、その導入部としての無茶苦茶な日常を描いた前半の方が印象的。
 暴力中毒のくせにクラシック好きなところや、ミルクバーに入り浸ってること、ダサいんだけど何か先進性を感じるファッション、そして流行語と思われるロシア語の単語。そんなものが流行ったことはないのに非常にライフスタイルにあこがれるところがある。
 映画のお約束としてちゃんと観客の精神の平衡を保つための救済はこの映画にも確かにある。だけれども、それを吹き飛ばすくらい、映画は始終暗い話なんだけど、清々しい気分になれることは請け合いである。
トップガン ☆☆★★★
 トム・クルーズのお茶の間デビュー映画。
 空軍の型破りパイロットがトップ1%の精鋭を集めた特殊訓練を受ける中での青春ドラマだ。とはいってもストーリーは殆ど「愛と青春の旅立ち」と同じである。まあ教官がオヤジからオネーチャンに代わり、その代わり憎悪対象がアイスマンという同期のライバルに変わった程度だろう。物語の深みも少ない。
 まあストーリーよりも当時の人々が唸った飛行機に関するシーンを重点的に見るべきなのだろうが、今となってはこの飛行機も古いなと思わずにはいられない。
 この映画に出てくる敵国はインド洋付近にある架空の国だが、インディアンやジャップやベトコンやイワンを叩きのめしてヨシとしていた頃と違ってやりにくいだろうな、と思う。
トレインスポッティング ☆☆☆☆☆
 云わずとしれたBPMの火付け役の傑作。
 テンポのいい展開、スピード感溢れる音楽に、疲れ切った街並み、正義や道徳に唾を吐いたストーリー。アメリカにはないセンス。さすがピストルズを生んだ国の底力。
 ここには善人はただの一人も出てこない。セックス、ドラッグ&バイオレンスの世界だ。未来に希望なんてない。未来を選べ、がサブコピーだったが、選べる未来だってありはしない。非常に息のつまりそうなやりきれない感じが残った。
 クソみたいな生活(事実クソにまみれている)、非合法な手を使って未来を選んだレントン。彼がいくばくか残したのはヘロインでラリることを人生の目的に「選ん」だスパッドだけと云うところが象徴的だ。
 ヤクばかりやっているせいか映像もラリったようなシーンが多く。往年のサイケデリックムービーではないが、こっちまでたゆたってくる。
 僕は高校の時に大いにポスターが気に入ってクラスの壁に小さく貼ったくらいだ。誰も相手にしてくれなかったけど、その後の隆盛には密かに満足している。
 



作品名 5段階評価
短評
<ナ行>
ナチュラルボーンキラーズ ☆☆☆☆★
 あのジュリエット=ルイス様がお出になるアクション映画、実は15禁。とはいっても露出は確かに冒頭にルイス様の激しいシーンはあるが、あとは特筆するほどでもなく、その暴力描写の故だろう。ちょっと普通の映画ではお目にかかれないレベルである。
 あ、オリバー=ストーン監督にタランティーノが脚本してます。
 物語は連続殺人犯である2人の放埒な生活と刑務所の中での話の二部分に分かれる。初めの滅茶苦茶な殺し合いも暴力の気持ちよさを存分に発揮しているが、刑務所のシーンの方が印象的。散弾銃はあまりアクション映画では使われないが、そのかっこ良さを再確認した。
 主人公は知的な人物で自らの行為を十二分に理解し、時には反省しつつも、知性で様々な局面を切り抜け、結局は殺しを続ける。「ボニー&クライド」を彷彿とされるストーリー展開だが、今回の作品はそれよりも悪く、賢く、すかっときりぬけている。
 ただの暴力映画ではなく、知的にカタルシスを与えてくれるサスペンスとも云えるだろう。
 しかし陰陽のマーク、かっこいいよなあ。
ナッティ・プロフェッサー ☆☆☆★★
 エディー・マーフィーの純粋コメディー。純粋と断るのはデビューの「48時間」から「ビバリーヒルズ・コップ」のアクション系コメディアンの印象が僕にとっては強いからだ。他にも「ホワイトハウス狂騒曲」「星の王子」など風刺色の強いものも多い。
 この作品はデブもの、なのでただ笑うだけです。奇形化した市民運動が盛んなアメリカでこんなん上映して大丈夫かいな、と思ったくらい(救済はあるけど)。もちろんただ笑うのが正解です。
 特殊メイクのせいでエディーが見慣れた姿で出てくるシーンはあまりありませんが、その分あの演技力には脱帽。あとで知ったのだが、一家勢揃いのシーン、ただただ爆笑している子供(実は結構気に入ってたりしている)以外は全部エディーがやっていたそうな。吹き替え版で見たのだが、それでも驚きには違いない。
 2はまだ未見だけれどもジャネット=ジャクソンの主題歌はよい。邦訳されてるから知ってる人も多いと思うけど。
ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア ☆☆☆☆☆
 ミニシアター系で大ブレイクしたドイツ映画。
 いや、いいねえ。「トレスポ」でBPMに火がついたように「次はドイツか!?」と思うほどの傑作。末期癌の2人が海を見に行く途中で起こるドタバタを描いた物だけどここに映画の醍醐味が全てあると思う(ただ、くだらん恋愛シーンはない、それが特にいい)。エルモア・レナードの小説に出てきそうなマフィアもいい。
 主役2人は基本的に善人なので、人間ドラマとしては勿論、コメディーとしても見れる。銃撃戦も多々発生するので(ドイツの緑色したパトカー、かっこいい)アクションとしても見れる。
 完ペキな脚本に完全にストーリーの中に引き込まれるだろう。感情はシャッフルされ、自分も一緒に旅をしているような気分になる。
 最後、同名のボブ・マーレーの曲が流れたとき、とても哀しい、暖かい複雑な気分になると思う。こういう映画にあえることは全く人生の一財産である。
<ハ行>
裸の銃を持つ男 ☆★★★★ (1のみ☆☆☆★★)
 実は相当お年を召されているレスリー=ニールセンのコメディー映画。
 一応、正伝(?)の1から3(というより33 1/3?)と「裸の宇宙銃」を見てはいるんだけど、どうも面白さ、反比例していない? 僕はそう感じるんだけどなあ。
 段々時間が短くなっているし、それを補うかのように今までのおさらい的なビデオが流れるのだが(プロデューサーの趣味らしく、同人による「ホットショット」も似たシーンがある)これがまた知っているところばかりでしらける。
 3はテレビで見たのだが元々短い映画を誤魔化すためか、やたらCMは入るし、初めの30分は見知ったシーンのおさらいだし、どうにも人を食った展開だと思った。その割には面白くないし。
 1は本当に爆笑したんだけどなあ。
 O・J・シンプソンがあんあことになっちゃって、娑婆には出てきたけれども、もう正伝はつくられないだろうな。まあビデオ屋にある他の映画も何となく見る気がしないなあ。
HANA−BI ☆☆★★★
 もはや日本の誇る北野監督の映画。
 うーん、僕は自分の映画館が如何に未熟な物かを再認識したね。と、いうのもわからないんだよねえ。なんか「その男、凶暴につき」と話が似ていない? いや、それが悪いとは云わないんだけどさ。こういう破滅型のストーリーも好きだしね。
 一躍有名になった「キタノ・ブルー」っての、見てから知ったんだけど、見たときは自分が色覚異常になったのかと思った。2度目見たら、まあきれいだったね。なんとなく昔の再放送ドラマみたいな色だなとは思ったけど。
 個人的に好きなのは後にドラマ出演した3億円事件をモチーフにしたと思われる警官偽装の強盗シーン(そのまんまだ!)、あとはなんだな。絵の展示シーンはよく解らなかった。
 そうそう、最後に出てくる少女は北野井子だってね。
 歌手デビューしたはいいけど、どこ行ったんだろう。
ヒート ☆☆☆★★
 共演していそうでしていなかったデ・ニーロとアル・パチーノの共演作。どちらが主役かということで話題になり、お陰でポスターの左端に主役を書くというキマリを知った。
 見てみるとやはり両方ともかっこいい。当然の如くデ・ニーロが悪役でパチーノが警官なのだが、二人ともすごく個性的だしかっこいい。確かにこれはどっちに感情移入をするか、迷う。気合いをいれたと云うだけあってデ・ニーロは120%渋い。
 ただケチをつけると、「映画史に残る12分の銃撃戦」って惹句は興行のための方便を含めても眉唾だなあ。高速ライフルの銃火が花のように開いている点を除けば、特に衝撃も受けなかった。
 そもそも映画史とはなんぞや。この2人の共演と云うことでは載るかも知れないが。
 それとどうもラストが腑に落ちない。妙なところで恋愛を差し挟むには映画の特徴だが、どうも「LOVE&PEACE」以来,恋愛至上主義になってない? ラストはかなりしらけた。
羊たちの沈黙 ☆☆☆☆★
 サイコホラーの古典的(と、いうほど古くはないが)名作。
 FBIの実習生と獄中の天才科学者のやりとりを通して、連続猟奇殺人事件の謎解きをするという話。だがまあストーリーよりもレクター博士を演じるアンソニー・ホプキンスの怖いばかりの演技力には脱帽だろう。
 実際、悪魔のように賢い役を与えたのは脚本家なのだろうが、それをまったく意識させない。まるで地でやっているような緊張感と圧迫感、静かな狂気。まさにサスペンスの最高傑作だろう。
 実際、争う流血シーンはさほど怖くない(ずっとクラシックが鳴り響くところなど妙な気分にさせてくれるが)。怖いのはたくみな心理戦で実習生の過去を暴いていく対話のシーンなどだろう。亜種の映画はたくさんあるが、大体は犯人のキレ具合で怖がらせるのに対し、犯人よりも強い存在感を示したレクターの怖さ。ここにこの映画の新しい恐怖があると思う。
 ところで続編である話題作「ハンニバル」にはフォスターは出ないらしい。まあ原作では今作に近い後日の話だからさすがに今の顔ではつらいものがあるんだろうな。歳月無情。
ビルとテッドの地獄旅行 ☆☆☆★★
 キアヌ・リーブス主演。
 とはいってもスピードの如きアクション映画ではない。これは、純然たるコメディーである。しかも結構笑える(いや、結構クセがあるから笑えるという保証はしない)。
 そう、キアヌはコメディーをやってたんですねえ。
 これ、本当は「ビルとテッドの大冒険」の続編なんだけど、僕はまだ見ていない。見てはいなくても楽しめますが、見るに越したことはないでしょう。実に馬鹿馬鹿しく、下らなく、笑える作品です。ちゃんと地獄旅行にも行きます。
 個人的にイケてると思うのは「エクセレント!」と叫んで、宙を掻き、音を鳴らすシーン。結構出てくるのだが、このシーンの度に笑ってしまった。
 死神もいい味だしてるし、いい感じです。
ピンク・パンサー ☆☆☆★★(1は☆★★★★)
 ピンク・パンサーと言えば・・・あのテーマソング、ピーター・セラーズ扮するクルーゾー警部、そしてアニメのピンクの豹である。この3つが長くこんがらがっていたのだが、映画を見て初めて理解できた。
 まずこれは普通の実写映画で、初めのスタッフロールでアニメのピンク・パンサーとクルーゾー警部があのテーマ曲の下、バックスバニーやトム&ジェリーの如くじゃれあってます。
 さて映画なんですが、3と4を見ましたがいややはり後世に名が残ってるだけあって、古い映画ですが今でも非常に面白い。殊に東洋人の使用人、ケイトーとのやりとりは涙が出るほど笑った。また悪人も007ばりに妙な奴で特に3といったら、なんと敵は精神を病んだ上司である。
 偶然と機転でやりぬけていくのだが、とにかく笑いっぱなしのいい映画である。
 しかし解らないのは1である。これがちっとも面白くない。
 普通は段々尻つぼみになるのに、こんな詰まらなくてよく続編が作れた物だと思うほどのものである。順に見る必要は必ずしもないので、2から見ても別にいいと思う。
フィールド・オブ・ドリームス ☆☆☆★★
 アメリカ人がいじかに野球を国民的スポーツとして愛しているかを見せつけてくれる一本。
 冷静に考えると、幻聴にまどわされた一家のオヤジが家庭の困窮もモノともせずにコーン畑を潰して野球場を作り、挙げ句の果てに「そこ」を目指して旅に出てしまうというとんでもない話。
 ただ、まあそこは夢の国のアメリカの物語。ちゃんとロジックは整っているし、見てる方も一緒に幻聴を聞いているわけでちゃんと物語に入っていけます。
 途中まで、僕はそんな感じで散々馬鹿にしながら見ていたのだけど不覚にも、最後の父親との「キャッチボールしようか」には落涙したねえ。この涙の価値だけでも見るに十分値すると思った。
フォレスト・ガンプ
不夜城
ブルー・ヴェルベット
フルメタルジャケット
フル・モンティ ☆☆☆☆★
 あの「トレインスポッティング」チームの作った2作目。大抵の「**チームの作った2作目」ものは下らないんだけどこれは本当に面白いです。コメディー路線に転換したからかな。
 主演はR・カーライル、トレスポではケンカ中毒の男を演じていましたが今回は見る陰もありません。情けないまでに情けない役をやっています。実際、男たちが金稼ぎのためにストリップをやるという情けない映画なんだけど。
 誰でも昔、仲間(クラス)で力をあわせて学芸会で出し物を完成させ、発表後にすごく満ち足りた気分を味わった経験があると思うけど、この映画を見終わった後はそういう気分になれること、請け合いです。
 「I'VE BELEAVE IN MIRACLE」ではじまるBGM、いいねえ。
ブレードランナー ☆☆☆★★
 ハリソン・フォード主演のカルトムービーの代表作。
 原作を先に読んだのだが、「希少動物」を巡るひじょうにうざったい部分がカットされていて、さくさくと見ることが出来た。原作にも忠実で、テンポもよく嬉しい限り。
 また街一杯に出てくる「わかもと」の宣伝や雨に濡れながら啜る「うどん屋」など多分に日本、というかアジアを意識した猥雑な近未来都市のもハマった。思うに近未来映画の先駆けをかましたのは紛れもなくこの映画だと思う。
 ネクサスCの悲しみも十分に伝わってきたし。深いです。
 ところで笑ったのはアンドロイドの親玉の男、クリントンにそっくりなんだよなあ。80年代の映画だからまだ州知事だったと思うが、そういう意味でも楽しめた。
プレタポルテ ☆☆★★★
 とある著名なデザイナーの死を巡って起こるファッション業界の物語。
 と、こういう風にストーリー紹介がおざなりなのはろくに見ていないから、この映画は内容よりもある描写で有名になったのである。
 それは何を隠そう「ヘアヌード解禁後、ヘア描写初のTV上映」として、である。勿論一般地上波ではなく衛星であったが。エロ本ぐらいなら飽きるほど見たが、この歴史的快挙(?)を見るべく、友人にコピらせたのである。
 映画は終盤になってたくさんのモデル(そう、モデル)が裸で現れるのだが、だから何だという感じではあった。本当の話。最後に妊婦が裸で出てきたときは少々気味が悪かった。
 主役のレポーターが最後気の利いたことを云うのだが、僕としては「やってられるか」とマイクを投げたライバル役を支持したい。あれがファッションかよ。
 
ヘルプ
ボディーガード
ポルノスター ☆☆☆☆☆
 まさか邦画でこんなヤバい映画に巡り会えるとは思わなかった。とにかくヤバさを価値観とすればまさしく超ド級。とんでもない映画があるものだ。とにかく頭のイカれたにーちゃんが片っ端からヤクザを刺し殺していくアナーキーな話なんだが、ディティールが細かくてよい。
 渋谷の街を存分に利用しまくっており、田舎者が見たら恐ろしくて渋谷には近寄れなさそうなリアリティーがある。また役者は全員無名の人間で、逆にそれが物語に信憑性を出している。もっとも、実際にはこんなことは勿論起きないが。
 存分に興奮させてくれるし、感情移入も十分に出来る。やばくて、かっこよくて(但しキャラはかっこよくない)バイオレンスという点では最高の映画。
 何故かくもマイナーか。有名な芸能人が出ればいいものではない、ということを(新宿鮫や不夜城と比べれば)改めて知らせてくれる。
 最後の少年ヤクザ、怖いぜ。
<マ行>
マイフレンド・フォーエバー
マイライフ
マトリックス
真夜中のカウボーイ
マルサの女
身代金
メンインブラック ☆☆☆★★
 ウイル・スミスSF三部作の2つ目の作品。
 とはいっても超大作のID4に比べると、時間も90分程度と短く、ドラマのような作品。事件も敵も1つしかない単純な筋で、酷いことにスミス自体、ろくに活躍という活躍をしません。
 しかしそれに比べてトミーリージョーンズ(どこで切るんだ?)の渋いこと、かっこいいこと。殆どウイルは引き立て役です。
 ID4同様、女性は殆ど出てこないし、当然物語にも深く食い込みません。それはそれで大変いいことだと思うんですが(何度も云うけど、素人である女性がしゃしゃり出て男性を苦しめる映画はB級作に多いが、嫌いだ)、となると最後のあの落ちは見え見えといえば見え見えだけど、気に入らない。
 あんな厳しいテストを科しておきながら、彼女だけはフリーパスとは何事だ。ま、ドラマ程度の小作品にケチつけても仕方ないが、ロクに活躍できなかったウイルと治安関係ではまったく経験のない彼女、この二人に宇宙の平和は守れるんでしょうかね?
<ヤ行>
八つ墓村 ☆☆★★★
 ご存じ横溝ミステリーの代表作の映画化。ここで語るのは最新作であるトヨエツ版である。
 豊川は(外人だと呼び捨てでも平気なのに日本人だと抵抗があるなあ)ドラマなんぞは小綺麗な役が多いから、片岡鶴太郎と異なり不潔っぽい金田一の役が出来るかという懸念があった。確かに僕が思うにも違和感があった。「しまった!」と叫ぶシーンではわざとなのか声がひっくり返っていて笑った。
 話としては、まあ田舎の恐ろしさも存分に出しており、ミイラのシーンではそれなりに怖がらせてくれる。ただまあそれ以外には特に云うこともない。
 まあ強いて云うならば「古畑任三郎」の影響を受けすぎているという世評には確かにそういえるだろう。同意する。
<ラ行>
ラストアクション・ヒーロー
ラン・ローラ・ラン
旅情
レイジング・ブル
レインマン
レオン
レザボア・ドッグス
ロック、ストック、トゥー、スモーキングバレルス
<ワ行>
ワイルドワイルドウエスト ☆☆☆★★
 「ID4」「MIB」に次ぐウィル・スミスSF三部作の最終話。
 と、いっても宇宙人はまったく出てこない。僕はずっと宇宙人三部作とばかり思っていたので、ちょっとガッカリした。その分、キャラは宇宙人級に怪しい奴らばかりだが。
 ストーリーは、まあ多分に007を意識したと思われる話で美女あり発明あり銃撃戦ありと、まあ破天荒な話だ。主人公達の活躍も多分に偶然の要素が大きいし、悪役の発想が007だ。
 一応西部時代のアメリカが舞台でグラント大統領や大陸横断鉄道の開通式など世界史の教科書を思い出すようなところもあるのだが、中身は完璧ハチャメチャ。前2作もまあ破天荒な話ではあったが、今回はそれ以上だ。
 ビデオで見ている最中、家族に「どんな映画?」ときかれて答えに詰まってしまった。SFというにはSが皆無だし、コメディーにしては笑える物でないし、アクションにしてはこれといった活躍もない。
 まあ、そこそこ楽しめます。まあ僕は公開前にウィル・スミスの歌う主題歌にはまってしまい、見るつもりだったからいいけど、とてもかっちょいい曲だよ。
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