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11月のFW
1日
静かなる学園祭
今日から学祭(=学園祭)休みが始まった。
本学では今日が準備日で、明日から3日間学祭がある。
明けた翌日5日が清掃日なので今日より5連休である。
ゆっくり書き物や読書が出来るので喜んでいる。

ここで読者は疑問に思うかもしれない。
なんで学祭に行かないの、と?
勿論僕はサークルに入ってないし、愛学心もろくにない。
しかしそうでなくても大抵の学生は行かないのだ。
何故か? 学生運動が仕切っているからだ。

云っておくと僕は早稲田でも明治の学生でもない。
もっともっと想像を絶する遥か下の大学である。
だからマスメディアには殆ど載らないので、
一般の人たちはそういう事実に気がつかない。
学生運動が仕切っているから学祭は盛り上がらず
大部分のサークルは全く協力せず、不参加。
キャンパスの中は夏休みよりも人がいなく、
本来かきいれどきの学食は採算あわずと閉鎖してしまう。
立て看板や反戦講演会・反戦映画上映公告だけが目立ち、
一般企画も例年はビール(今年は青汁)早飲みとか、
近隣小学生の絵画展とか大学らしからぬレベル。
学生にとってはいい連休である。

僕はサークルとかを馬鹿の巣窟と毛嫌いしているので、
先輩ネットがなく、この窮状を知らなかったのだが、
1年のとき友人と行ってあまりの閑散さに大いに驚いて
わずか20分で周囲を見てまわり帰ってしまった。
出店も殆どなく、文化的な出し物も探すのに苦労した。
一体あれをなんの祭だというのだろうか、
当然のことながら大学当局は受験生向けパンフに
学園祭の詳細なデータは載せない。

僕は中高6年間のうち5年間を
文化祭実行委員会として活動して過ごした。
だから大学でもこの経験を生かそうと思っていた。
嗚呼、徹底的に僕の夢を潰す大学であることよ。

しかし学園祭のテーマ、何とかならないか。
44文字、長い。

2日
女性ファッション誌を読む
最近、いきなり家人がファッションに凝り始めた。
いや、僕と比べれば前から凝りまくっていたし、
服に金をかけたり薀蓄を述べたりもしていた。
しかしここ1年は大人しく勉学一筋だったのが、
つい最近自分の進路が決って以降から、
今までの鬱憤が爆発したように服飾熱が再開した。
オマケにその進路がファッション盛んなところである。

と、こういうのが近くに現れると、迷惑するのが僕。
なんせ服飾や髪型、装飾品には殆ど造詣がない。
服は大抵、全身5000円で収まってしまい、
実年齢より常に10歳は老けてみる僕である。
買う服着る服、常人離れたそのセンスは
盲人か狂人かと人に噂されるほどのレベルである。

さて、FWで僕がしばしば痛烈に語っているのは
我が大学が如何に馬鹿で遊び系であるということだ。
その事実は偏差値やランキング等から鑑みて妥当だが、
しかし遊び人業界からは全く評価されてないらしい。
手元に家人からかっぱらったファッション誌がある。
18〜25くらいの女性を対象にしているのか
「大学カジュアル&OLカジュアル」とある。
僕はファッション誌を見るとイライラしてくるので、
こういう記事しか読まないのである。

それで一応我が大学も遊び人大学であるからしてある。
僕個人は大学の地理的状況やキャンパスを行く人を見て
享楽方面では相当の先進的な大学だ、と思っていた。
ところがところがそう見えたのは地方の超真面目高校を
真面目グループの中で過ごした僕の錯覚で、
どうもあまり遊び人方面でも評価されていない様なのだ。

例えば「関東大学編」では
立教・早稲田・日本・青山・法政がどどんと出ている。
我が大学は…欄外に出ている中央や成蹊と同じである。
これによると我が大学の女子大生の配分は
カジュアルが半分、ギャルが3割、お姉さまが1割と。
その他の1割というのはダサ系なのだろう。
まあ僕は云いたいことが結構あるが、云わない。

特筆すべきは「大学で流行っているものは?」の回答
他大学はバッグや靴や帽子を銘柄つきで挙げているが、
我が大学はなんと以下の二つである(原文ママ)。

「マツキヨのチープコスメ」
「授業中に手紙回し」

授業中に手紙を回すのが流行ってんだとさ。
やれやれだぜ。

3日
寿司の問題
もうすぐ父親の誕生日がやってくる。
ううむ、今年は葉巻を送ってやろうと思うのだが
いったい、どこに行けば手に入るのやら。
前にこの欄で書いたが、親父はネットで調べた
安煙草を吸うことを日課にしている。
たまには高いのを吸わせてやっても罰は当たるまい。

それはともかく我が家の慣習として、
家族の誕生日には家族の食べたいものを
出前で取るのが常である。
僕のときは例年ピザを中心にサラダやらケーキやら
フルーツゼリーやらがバカスカ出るのが特徴だ。
如何に僕が無軌道な食願望を持っているか解る。

さて、ともあれ親父の誕生日は寿司が恒例である。
こういうときぐらい寿司屋の弟子の家から取ってやれば
先輩の功徳としてよさそうなものだが、
生憎先日の無礼をまだ怒ってるので行かないのである。
それで地元の宅配寿司のチラシを今日も睨んでいる。

しかしなんであんなに寿司というのは高いのか?
4人前、4000円、42個である。
ただこの個数には人差し指程度の長さの海苔巻が
12個入ってることを忘れてはいけない。
1個(純粋に1個である)100円というのは
このデフレ御時世の中に如何なものか。

さて、チラシの寿司屋のメニューは
何故か「毛利」「徳川」「武田」といった
戦国武将の名がついている。
名前と値段の基準がさっぱり解らず、
毛利が5人前9000円、徳川が5人前5000円、
武田が4人前5400円、足利が3人前4300円。
一体なんで室町幕府が3人前なのかと思う。

それはともかく徳川と武田の逆転を見ていただきたい。
母が「何で武田の方が高いのかしら」と云った。
そりゃネタがいいからとか野暮なこと云ってはいけない。
何故「徳川」が「武田」よりも下かと云ってるのである。
僕は「三方が原の合戦で武田が勝ったから」と云った。
だが親父は静かにこう云った。
「甲州は山梨、山の中で新鮮な魚が入らない。
 三河は愛知静岡、漁港があるだろう。安いのは道理だ」

そういう問題か?

4日
楽しく苦しい大学祭
色々学祭を回って見て思ったことがあるが、
一般に頭がいい大学ほど盛り上がって、活気もある。
頭の悪い大学は最良としても模擬店だらけ、
悪ければ…全員が学祭期間を休みと心得てしまう。
僕は文化的な香りが好きなのだが、
中学高校ならいざ知らず大学でこう為されているのは
学生自体に一定以上の水準が必要なのだ。

今日、家人に誘われて都心の大学に行ってきた。
ミッション系のその大学に入るのは初めてだが、
まず外見だけ見てもキャンパスは「きれい」で「広い」
また学園祭は非常に盛り上がり、ひきもきらない状態。
サークル展示や様々な発表会も感動に足るものであり、
まさしくこれこそが大学祭という風情であった。
ちなみに芸能人や有識人も一流どころを揃えている。

僕が受験生の時にこういうところに来たら、
まあその大学には宗教上の問題から行かないが、
そのレベルまで浪人しても努力したに違いない。
ここはファッションリーダー系のお洒落な大学で
雑誌などが書きたてる遊び人系大学というイメージから、
馬鹿にぶっ飛んだファッションが多いと思っていたが
そういう我が大学を闊歩するような馬鹿はいなかった。
学園祭という、晴れの舞台でもある。

そんな素晴らしい大学、偏差値も我が大学より15高い。

翻って我が大学のキャンパスを見てみると
最早比較にさえならぬ荒廃の極みを見せていることに
厳しい現実を容赦なく気がつかされる。
僕の発言に大学内部の知人は
(大学ではつるむ知人は多いが尊敬に足る友人は少ない
 これは友人定義が一般人に比べて厳しいためで、
 余りに常識のない奴は友人とは呼ばず、知人と呼ぶ)
異口同音に反対意見を唱えるが、だから陰惨系は恐い。
君らは他大学を見たことがあるのか。
比較の恐怖に震え、目を瞑っているだけではないのか?

楽しいけれど、しかしとてもつらい学園祭だった。
また明後日から大学がはじまる。

5日
恋愛ヤマダノミクス
ヤマダノミクスを日本語に訳すると「山田理論」
僕が勝手にでっち上げた恋愛に関する理論で、
その対象は「非モテ真面目系男子」である。
蓋を開けてみれば僕の勝手なこだわりの羅列だが、
中高年間は少なからず支持を受けた考えである。

真面目な男子は絶対にモテない。
これは特に頭のいい人間が悪い集団に入ると顕著である。
これは別に自己の正当化をしているわけではないが、
実際周囲が遊び人であればあるほど、
真面目系はダサいオタクとして同一視され
もうどうしたってモテないのは想像出来る通りである。

しかし真面目男だってモテたいと思うしプライドもある。
頭がよい奴は大抵最低限のプライドはあるものである。
タネを明かせばそのプライドが障壁になるのであるが、
女に頭を下げたり、様々な行動に奉仕したり、
ましてや金を払ってまでモテようとは思わない。
その諦観ぶりは真面目系が無理をして、
外見や服飾、髪形に金や時間をかけないことからも解る。

そしてその女性に負けたくないという考えは、
(ここがこの理論の最も重大なところなのだが)
絶対に自分からは告白しないことで具現化される。
断られた時のプライドの問題もあるにはあるが、
要は成功しても心理的劣位に立ちたくないのである。
こっちが申し込んで認めてもらったという形を取れば、
以後、言い方は悪いが「金玉を握られたような物」、
構造的に常に生殺与奪の権を相手に与えることになる。

この感覚、解ってもらえるだろうか。
相手に惚れれば常識の感覚は確実に狂う。
恋は魔物、の言わんとするところである。
好きな人間のためには人は用意に道を踏み外す。
真面目系の中にはミツグくんの出現率が高い。
そうならないためにも僕は絶対に自分からは告白しない。

だから彼女いない歴、21年だと思うでしょ?
ところがね、これが半年なんだな。
真面目系が告白しなくても何とかなるものなのである。
ヤマダノミクス信奉者も彼女がいる奴はいるし、
いない奴はまあこっちの方が多いがいない。
こればっかりは個人の問題で思想の問題でもないと思う。

ついでに僕はデート代を払ったことが一度もない。
真面目で非モテな僕にしては幸運だったと思っている。
(しかし女は金のあるほうに流れるのが常である)

6日
にゃごろう村公用語
最近、僕を直接知っている当HPのお客様から
しばしばメールなどで照会を受けるようになった。
曰く「大学入って随分変わったよね?」というもの。
具体的には「大人しい」とか「言葉使いが馬鹿丁寧」、
あまり好ましくなく変化したように見えるようなのだ。
どうも僕の当村での言葉使いが口頭時のそれと比べて、
妙に丁寧なのを訝しがってのことらしい。

また僕はしばしば当村のエッセイで
自分の将来を儚み、また大学を憂い、遊び人に怒り、
大学内外の悪漢に怯える話を書いているため、
高校期に比べて萎縮脱力しているように見えるらしい。

確かに高校期というベルエポックを過ぎて、
僕の積極性や将来展望が損なわれたのは事実である。
日常が一般の大学生と比べて暗く映ることもまた事実。
しかるに直接会えば、なんら昔と変わらぬことは
容易に証明できる事実である。

今回のFWは主に僕を直接見知るものに書いているが、
そうでない大部分の村民様のために一言申し上げると
僕の喋り方は昔から今に至るまで朋輩相手には
まあ、普通の大学生と変わらないかなり砕けた感じです。
ただ世俗大学生のような下らない話は一切しませんし、
ガキっぽい語彙でもありませんが基本的に砕けてます。

僕はネットでは基本的に丁寧語で通しています。
勿論、助役からの勧告のお陰もありますが、
真面目に物事を語っている自伝随筆サイトという立場上、
誰もが当村に来て、快適に過ごしていただくためには
丁寧語を公用語とすることが、一番いいからです。
これは僕の裏表のある性格の姿を映すわけではなく、
皆さんに対する敬意を表しているものと考えて下さい。

そういう訳で僕の知己諸兄は御休心あれ。
(あ、でも確かに堅い言葉づかいはするかもしれないな)

追記;今日より「広報にゃごろう」再開です

7日
ファッションの問題
最近服飾史に興味がある。
とはいっても今のところシャネルに関する本を
5冊ばかり読んだ程度で、語るほどのことはない。
服飾史を知ったところでそれは上辺だけの関心であり、
これで僕が突然ハイセンスになるようなこともない。
相変わらず300円のシャツ2000円のジャケット
1500円のパンツ(当然だがズボンである)を着用。
数万単位の金が歩く大学では立派な個性を発揮している。

さて、僕は高級ブランドを身に付ける場合は、
その本場の人間が見てもおかしくないような
教養的な調和を身に付ければならないと思っている。
例えばバッグはバッグでジャケットはジャケットで、
確かに物品としては独立したものであるし、
自由な立場からファッションを楽しむのも悪くない。
しかし、それがあまりに不調和であったり
デザイナーの思想を根底から侮辱するような組合せは
これはもう自由とか個性とかの問題じゃないな、と思う。

何度も言ってるけど僕はダサいし、それを恥じもしない。
その僕が云うのもかなり厚顔な感じがするんですが、
ブランドを追い求める人たちで、
その出自まで知ってる人ってどれくらいいるんですかね。
そんなマニアになるほど知らなくても、
せめてそのブランドに数十万かけるんだったら、
千円冊一枚で、その背景を触れてもいいと思うのですが。

昔、やたら綺麗に着飾ってこう云っている人がいました。
仲間内のファッションリーダーなんですかね。
気障に嫌味を振りかけたような奴でした。
「シャネルの5番って有名だけどさ。
 あたしにはちょっとベタ過ぎて、使えないのよね
 有名すぎてかなり引き気味って感じ。
 やっぱ今年は7番、さもなけりゃ4番ね」

ああ、そうですか。本当に凄いね、君って。

8日
田舎者の長距離東京記
僕は往復6時間かけて東京の大学に通っている。
生来の出不精ゆえ、滅多に寄り道をしないが、
とにかくいえるのは下町が好きだということだ。
気取った町は好きではない。

この話は当欄などで散々したので再論はしないが、
僕は一応生物学的には若者に属する身分なのだが
どうも渋谷新宿池袋が好きになれない。
何故かといわれてもこれは非常に困るが、
そう問う輩には逆に「どこが楽しいの?」と訊きたい。
毎日そういう若者の聖地、繁華街を歩いているが、
楽しいと思ったことは一度も、ただの一度もない。
飲み屋もカラオケもゲーセンも、どこにだってある。

それはともかく僕はどうもそういう今時の都市が嫌いだ。
山手線の西の都市よりは昔ながらの東の方が好きだ。
東も南東になると随分嫌味な街が並ぶようになるが、
秋葉原から巣鴨までのあの一帯は非常に好きだ。
ゴミゴミとした雑踏、安っぽいオッサンの街。

そう考えると山手線は駅と駅の間は非常に短いのに、
その駅のある街ごとに異常に高度に分化された
特徴があることに今更ながら驚かされる。
例えば前述のルートをあげれば
秋葉原、電気街/御徒町、雑貨屋/上野、文化都市
鶯谷、ラブホテル街と云った感じ。
しかも、駅と駅の間は歩いて十数分の距離にあるのだ。
山手線1周1時間、まあこんなものだ。

色々な街、色々な特徴。
大学に入って始めて電車通学をして、
東京に来て随分色々なことを知った。
田舎者の随分と長期間にわたる東京見物。
この見聞記憶は生涯の財産になると思う。
それこそ、大学の学問をある程度は超える。

僕は東京に住みたいとも通勤したいとも思わない。
だがこういう経験、人生に4年くらいはあってもいい。
1日往復6時間という生活は冗談にも勧められないが。
9日


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11月のFW 
01-05
06-10
11-15
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