N-0011 Proxy を使えば安全?

ここに掲載している情報は間違っている可能性が非常に高いので、信用してはならない。これらの情報を信用してアナタが不利益を被ったとしても、それは全てアナタの責任である。

アンダーグラウンド系のサイトを回ると必ず目にするのが、「プロキシ」「プロクシ」「串」といった表現。どれも「 Proxy 」のことですが、 Proxy の使い方・効果については他サイトでもっと分かり易い解説があるのでそちらに任せるとして、 Proxy を使うと本当に安全なのか? を、ちょっと考えてみましょう。

Proxy を経由することで隠せる情報は、「 IP アドレス」くらいのものです。 IP アドレスはこの広いネット上で個人(のマシン)を特定するための唯一の手段ですが、普通のダイヤルアップ接続だと、接続するたびに違う IP アドレスが割り振られますので、 IP がバレたから攻撃を受けるということはそうそうありません。

しかし、 IP アドレスからはその人の使っているプロバイダ(又はアクセスポイント)が特定できます。相手が本名を公開しているなら、これで地域を限定したあと電話帳なりなんなりでしらみつぶしに探せば、家を見つけることは可能です。事実、ソーシャルハックというものはこうして行われることも多いようです。

Proxy 内部に侵入してログをのぞき見て本当の IP を調べるような技術力のある人は、そうそういません。あくまで「自衛」のためなら、 Proxy はそれなりに効果のある自衛手段と言えるでしょう。

しかし、こんな事は Proxy に頼らずとも自分の努力で「自衛」できます。本名を明かさなければ名前はわからないし、不用意に自宅近辺の話題を出さなければ細かい住所もわかりません。メールアドレスや URL に自分の本名を使わないようにして、前述のような話題に触れさえしなければ、個人の努力で自衛は行えます。逆に言えば、 Proxy を使っていても、これらをおざなりにしていれば、「自衛効果」はゼロに等しいと言えるでしょう。

また、これらに気をつけていたとしても、本当に悪いこと――例えば麻薬の売買や違法な MP3 の交換などをしていれば、警察が動き出して、こんな事はすぐに突き止められてしまいます。 Proxy の「自衛効果」は、あくまで気休め程度にしか過ぎないと考えて差し支えないでしょう。

「車を運転するときは、シートベルトを締めましょう。エアバッグがあるからといってシートベルトを締めないでいると、大ケガをします。エアバッグはあくまで補助にしか過ぎず、シートベルトという根本的な部分をおざなりにしていれば、ケガをします。」これと同じですね。