O-0025 日本語の間違えやすい表現あれこれ

ここに掲載している情報は間違っている可能性が非常に高いので、信用してはならない。これらの情報を信用してアナタが不利益を被ったとしても、それは全てアナタの責任である。

中には、もはやすっかり市民権を得て、国語辞典でも「それで正しい」とされている物もありますが……

はるかに凌駕する
馬から落馬する、と同じ系統の間違い。朝日新聞でもこの間違いを見かけてしまった……うわぁ。
馬から落馬する
とか言ってたら、「馬から落馬する」って平気で言ってる人がいたし。おいおい。落馬とは馬から落ちること、「馬から落馬」は「馬から馬から落ちる」で意味が重なってます。
汚名挽回

これは、「名誉挽回(失った名誉を取り戻す)」と「汚名返上(不名誉を払拭する)」を混同した間違い。このどちらかにするのが正しい。

「大地震」の読み

おおじしん」が正解。「だいじしん」は「大震災だいしんさい」と混同した読み方。

気の置ける友人

気の置けない友人」と「信頼の置ける友人」を混同した間違い。正しくは「気の置けない友人」=「親友」。語源には諸説あるが、「気が置ける」=「気が置かれる」=「(自然と)気を遣ってしまう」なので、という説が有力。

息もつかせず

「息もがせず」の誤用。

熱にうなされる

熱に浮かされる」と「夢にうなされる」を混同した間違い。

取り付く暇もない

「取り付くもない」の誤用。

フレンチキス

「フレンチキス」=「舌を絡ませ合う深いキス(ディープキス)」。「フレンチキス」=「軽いキス」、というのは誤り。

映画「ワイルド・ワイド・ウェスト」でもこの表現が出てきましたので、少なくとも英語圏では「ディープキス」の意で合っているはず。

どうでもいいですが、エロ関係には「フレンチ〜」という語がけっこうあるようですね。

雰因気」「ふいんき

雰囲気ふんいき」の誤り。そもそも、「雰因気」という語は日本語には存在しない。

うら覚え」「うる覚え

うろ覚え」の誤用。

的を得る

まとを射る」「当を得る」を混同した誤り。

世間ずれ

「世間ずれしている」=「世間知らずである」、というのは誤り。正しくは、世間の荒波にもまれて性格がひねくれてしまっていること。

井の頭線

「いのかしらせん」が正解。「いのしらせん」は誤り。同様に、「井のしら公園」「京樽きょう」も濁点は付かない。

越後

「えちご」ではなく「ちご」が正しい。ただし、ネイティブ新潟弁でもこの読み方は風前の灯火らしい。

江古田

西武線の駅名は「えこだ」、実際の地名は「えごた」。

シュミレーション

シミュレーション simulation 」の誤用。

倒した敵に向かって「手応えのない奴だ」

「手応え」は「(倒したという)実感」。従って、このケースでは「歯応えのない奴だ(=張り合いのない奴だ)」が正しい。

僕なんか役不足ですよ

自分ではその役目にかないません、力不足ですよ、という意味で役不足という語を使うのは間違い。

語源は、「大物役者に対しショボい役を割り当ててしまっていて、役者の格に対し役の格が足りてない」ということから。つまり、「(人が)役に不足」なのではなく、「役が(人に)不足」であるという意味。

けんけんがくがく、かんかんごうごう
喧々囂々けんけんごうごう侃々諤々かんかんがくがくが正しい。
ご苦労様

ご苦労様 は、目上の人が部下の苦労をねぎらう時の言葉。上司や友人にはお疲れ様と言っておきましょう。

理由は、 「苦労」をするのは未熟な者で、目上の人は熟達してるからそんなことはない。しかし人間である以上、多少とも仕事をすれば誰しも「疲れ」るのは免れない。よって目上には「ご苦労さま」でなく「お疲れさま」を使用する――ということだそうで。

いちよう
「一時的な」とか「応急の」とかそういう意味で使う言葉は、一応いちおう。「一様いちよう」とは、全てが均一で同じなさま。
奇特
「奇特な人だ」というのは、「珍しくよくできた人だ」という意味。「ここでとりあげた誤用について全部正しい使い方を知ってるなんて奇特な人は、あんまりいないんじゃなかろうか」とか。
つずく。きずく。
つづく、気付きづく、などの語は元の漢字の読みに従って「づ」を用いるのが正しい……んですが、最近の指導要領では「ず」と「づ」の区別をしなくてもよいことになってるそうで。「ず」と「づ」を使い分けずに書いてる人がいても、それはその人の責任じゃないっすよ〜。
情けは人のためならず
「情けをかけて優しく接するのは、その人にとってためにならないから、情けをかけるな」という意味で使うのは間違いで、正しくは「他人に情けをかけておけば、巡り巡っていつかは自分の利益になるぞ(自分にも情けをかけてもらえるぞ)」という藁しべ長者的な意味。情けは人の為ならず、巡り巡って我が身のため
参考にする
目上の人などに「参考になりました」と言うのは失礼。何故なら、参考とは、自分の考えをまとめる足がかりとして踏み台にすることだから。ちなみに、「参考文献」のような熟語の場合は失礼には当たらないのだとか。
沈黙は金、雄弁は銀
この言葉ができた当時は金よりも銀の方が高価だったということで、正しくは、沈黙よりも雄弁の方が良いという意味。ただし、ただの駄弁ではなく雄弁というのがポイントで、ただのお喋り野郎よりは黙ってる人の方が、黙ってるだけの人よりは雄弁な人の方が良い、という意味になるわけですな。