私は方々のサイト批評掲示板でいろいろ書き飛ばしています。その一部を収録。新旧いろいろ入り混じっています。場所もいろいろ。
[2002.10.19]
ハーボットの部屋を作るくらいなら、ハーボットをやめた方がいいと思うのですが……。私は非常に疑問に思っているのですが、ハーボットを見にくるお客さんなんていないのではないですか。来訪の「ついでに」声をかけていく人はいるとしても、です。
とすれば、ハーボットの部屋にハーボットを移動してしまったら、もう誰もハーボットなど相手にしないのではないでしょうか。閲覧者の立場から見た場合、ハーボットにはコンテンツとしての価値がありません。いくらかわいいとしても、サイトのウリにはなりえません。見れば和むかもしれないが、和むためにハーボットを見にくる人はまずいないと考えてよい、ということです。
[2002.10.20]
ネットショップなんていうのは、ふつう、どうやっても儲からないものです。銀行の融資をもらって店を構えるときくらいの真剣さ、知恵を絞る努力なしに、商売がうまくいくはずがないのです。「おとうさんの趣味」なら現状でもいいんじゃないでしょうか。
つまらないことをいうようですが、いろいろ勉強をして、いい感じのサイトを作ることができたとしても、たいして注文はこないでしょう。現在の常連客の内の数人が、手軽さにひかれてネットで注文してくれるかもしれませんが、いずれにせよネットで新しいお客さんがどんどん増えるなどということは期待しない方がよいです。パチンコやスロットでもなければ、趣味でお金が儲かるということは、まずありません。商売としてうまくいくかどうかというのは、サイトのデザインがどうとかこうとかいうレベルの話ではないのです。
正直いって、中学生が趣味でやっているサイトの掲示板へ相談に来られるという一事をとってみても、商売の先行きが暗澹たるものだということは明らかです。もし万が一、本気で商売することをお考えならば、心を入れかえて、まず楽天市場への参加をご検討ください。そして毎月4万円のテナント料を払い、1回3万円の店舗構築講座を受講なさってください。本気とは、そういうやり方をいうのです。
人数を見れば、儲かっている人はたくさんいますよ。でも割合からいえばほとんどいない、ということです。ふつうは、いろいろ悩んで手を尽くしても、うまくいかないんです。だから、あんまり根を詰めない方がいいんじゃないか、ということを逆説的に申し上げたかったのですが……。
本気なんだということですから、運が向くことを祈ります。ただ、私なら近所の八百屋の特価の時を選んで、現物を見ながらおいしそうなものを買うだろうと思います。現在はまだ、多くの人がそのように考えるので、ネット通販は少ないパイの奪い合いになっています。
とにかく厳しいわけですから、間違っても当面は、通販を収入の主力にしようなどということだけは、計画してはいけません。
サイトのデザインを見ても、相談先を間違えていることを見ても、私はいしおかさんの通販がうまくいくとしたら、よほどの幸運が訪れた場合しかないと思っています。革命的に状況を改善していかない限りは。趣味に本気になっても、それで儲かるなんて話はまずありえないということはよくおわかりでしょう。趣味と仕事には、ふつう、大きな落差があります。
私の父は機内食メーカに勤務しています。早期退職に応じた父の知人たちは、料理の腕を活かしてこぞって趣味の店を開き、3年で1文無しになりました。例外はたった一人でした。さすがファーストクラス向けの料理場でチーフをやっていたような方々だけあって、料理は素晴らしく、その道ではプロでした。けれども、商売は素人でした。なまじっか退職金がたくさんあって、銀行などにも強気で出ていた(借金に比較して自分の資金が相当多い)のが仇となりました。ふつう、趣味を貫き通しては儲かりません。例え本気で取り組んでも。
サイトのデザインについて、具体的にどこが悪いとあえて書かないのは、パッと見てわかる素人のデザインだからです。プロの方というのは、数年間、ちゃんとお勉強してきています。どこを直せばいいという話ではなくて、全然レベルが違うのだから、私が簡単にアドバイスできるような話ではないのです。
いしおかさんは、ひょっとすると儲かるかもしれません。神ならぬ私は、「可能性」を否定しません。ただ、現実的な判断も頭に入れておくべきです。これは、本当に心底から、そう思います。
とりあえず、商用サイトを対象にしたサイト診断サービスがたくさんありますから、私のサイトのサイト批評サイトリンク集などからたくさん申し込んでみてはいかがですか。まずは相談すべき相手に相談することが大切だと思います。私に限らず、この掲示板に常駐するアドバイザーに、ネット通販の専門家(その道で飯を食っているプロ)はおりません。所詮は素人談義です。趣味ならいいけれども、本気ならプロに相談するべきです。
URI:http://page.freett.com/cafe_des_soul/ [2002.10.22]
検索エンジン経由だったらエンターからくるとは限らないし、通常のリンクだって、別にエンターに張らなきゃいけないというわけでもありません。エンターに何か書いておけばいいんだというのは甘いと思います。したがって、ほとんどの閲覧者にとっては無駄なのですから、とくにエンターページはなくてもいいんじゃないのか、と。
ポップアップ広告だからfreettを選択されたということですが、せめてtripodやcoolなど、出てくる広告がひとつのサーバにされてはいかがですか。私はMozillaやSleipnirといったタブブラウザを使うことで、ポップアップ広告を完全にシャットアウトしているわけですが……。
文字を灰色にするならば、画面の上下を占める黒はアンバランスです。濃い目の灰色、あるいは文字色同等の灰色にして、目次等を白文字から他の色に変えるといった芳香性をお考えになった方がきれいに見えるのではないでしょうか。(私なら少なくとも、文字の灰色を濃くし、上下の黒はいくらか薄くします)
個人サイトとしては悪くないのではないかと。重要なコンテンツとそうではないコンテンツが同列に並んでいるのが少々気になりますが、現状程度のコンテンツ量ならば閲覧者もその把握に苦労しないでしょう。コスプレサイトというよりは、個人サイトにコスプレのコーナがあるというつくりですね。コスプレに飽きたら別のコンテンツがメインに座ってもおかしくない、それでも破綻しないデザイン。コスプレ専門サイトならば失敗作なのですが、あれこれ多彩なコンテンツをみる限り、現状維持で問題があるとは思われません。
2ちゃんねるの管理人氏は顔写真はもちろん、自宅の住所と電話番号まで公開していますが、「べつにどうってことはない」そうです。私もサイトで電話番号を公開していますが、何も問題ありません。そもそもネットショップなどは法律で住所も電話番号も公開しなければならないことになっていますし、実際みなそのようにしています。でもそれで問題が生じたという話は聞きませんね。
もともとネットで公開しようとしなかろうと、変なセールス電話は昔からかかってきています。私が産まれたときも、すぐに幼児教育教材の会社から電話があったそうです。20数年も昔から、日本では個人情報が駄々漏れなのです。もし何か問題が生じたら、ふつうに警察に相談しましょう。
簡単にいえば、コンテンツを整理すればコスプレ専門サイトになります。現状では、いろんな趣味のひとつがコスプレですよ、というサイトの構成になっているわけです。目次を見ても、とくにコスプレのコンテンツが優遇されているわけではありません。クリックしてみれば確かに、コスプレコーナが一番充実しているわけですが、逆にいえば、クリックしてみなきゃわからないわけでしょう。
でも、それで問題があるのかどうか。サイトの純化を進めて、コスプレ専門サイトとしての成功を追い求めたい、ということであれば、それなりに手直しする必要がありますが、個人サイトとして現状はよくまとまっており、決してこれはこれで悪くないんじゃないかと思うのです。
でもせっかくですから、専門サイト化する場合に向けてヒントを少々。
コスプレ専門サイトらしくするためには、まずサイトの構成をいじりましょう。現状のコンテンツを、コスプレ、交流、それ以外に分類し、「それ以外」は自己紹介系のコンテンツ(例えばProfileなど)にまとめます。コンテンツにたどり着くまでのクリック数が増えますが、サイトの構成は明確になります。
コスプレ写真をご覧ください、それをやっているのはこんな人です、交流はこちらからどうぞ、というわけです。すっきりわかりやすく、そして何がメインコンテンツなのかは明解すぎるほど明解です。
なお、表紙の写真も差し替えた方がよいでしょう。コスプレが注目ポイントなのであれば、顔のアップは後回しにして、全身像をきれいに見せた方が話はわかりやすくなります。
[2002.10.23]
gaiaxの方はどういうわけか、わざわざ目次を読みにくくされる方が多いですよね。あれなら、背景画像はない方がずっといいと思うのですが……。また、いきなりであろうとなかろうと、M&Lのサイトにハーボットは不要です。少なくとも私は、無個性なハーボットには全然興味がありません。よほど内容のないサイトでもない限り、ハーボットはサイトの価値を下げこそすれ、上げることはないでしょう。
ダメなところを全部……という鑑定依頼はどうかという気はしますが、gaiaxとハーボットをやめるだけでも、いくらかよくなるのではないでしょうか。どこまでいっても、これで完璧ということはないので、つねに改善は考えていかれるとよいだろうと思います。コンテンツがたくさんありますね。今はまだあまり内容がありませんけれども、それはだんだん充実させていけばおもしろいサイトに成長するのではないでしょうか。
[2002.09.15]
さとん様
サイト鑑定掲示板では、いつもたいへん参考になるご意見を拝見し、勉強させていただいてます。
私の最近の書き込みは、鑑定自体よりもメタ鑑定に偏向しており、地道に鑑定を継続されているさとんさんには頭が下がります。私はこのところ煮詰まってしまい、以前のように短時間で改善案を作成したりできず、鑑定はどうあるべきか、などと愚考するばかり。
以下は掲示板で話題になった「制約」についての、私なりの意見です。掲示板に書くにはあまりに個人的なやりとりになるかと思い、あえてメールにてご連絡いたしました。
制約を知ることは、何ができないかというよりも、何が可能なのかを知ることです。不勉強なうちは簡単なことも不可能と思ってしまうもの。制約がせいぜいどの程度のものかを見極めるのは、現時点でそれなりの勉強を積んでいる人にしかできません。
私たちも、あらゆるシステムについて精通することはできません。しかし、アドバイスにあたってわずかなりとも制約の知識が頭の片隅にあれば、どれほど効果的なアドバイスになるでしょうか。一つの壁を突破する道筋を示すことで、他の制約を正確に把握するヒントも与えることができるだろうと思うのです。
助言者にできることは、いくつかの限定された局面での現状打開策を示すことだけです。ここで扱えなかった無数の問題に対しては、依頼人は一人で立ち向かわなければなりません。その助けとなるためには、まず突破口を示したい。制約を見る視点を伝えたい。
これは空想的な希望に過ぎないかもしれませんが、ひとつの目標として、今後の長い長い戦いを支える鑑定ができたらなあと思います。(それで行き詰まって最近は鑑定の回数が減ってしまいました。到達目標としての改善案作成に、十分な時間をとれない物理的な事情もあるとはいえ……)
私とあおいさんはアプローチこそ違えど思想的立場は似ています。私から見て、さとんさんのアプローチはストレートで、しかしそれ故に相手にうまく届いていないように思います。翻って私自身も同じ轍を踏んでいるわけで、ここで悩むと何もできなくなりますが……。