趣味Web 小説 2003-01-19

自由な制約の HTML を考える

計算機ならぬ人間にとって、 W3C 勧告の HTML から自由な制約の HTML への変換は容易であり、自由な制約の HTML から W3C 勧告の HTML への変換は難しいと思うからです。 さらに言えば、W3C 勧告の HTML の教育を受けた人にとってさえ、 自由な制約の HTML の表記の方がマークアップの間違いが少ないのではないかと 思います。もしこれが正しいなら、「自由な制約の HTML は W3C 勧告の HTML より 平易である」という論拠になるでしょう。

などという人が現れると困るので、やっぱり正しくないと思います。

そういう方が現れても困らないのではないでしょうか。本当に困るのは、簡単でわかりやすいということに重大な価値を見出す考え方の蔓延でしょう。そうして、人にモノを考えさせないことを重視する考え方が広まってしまったから、こんな現状になっているのではありませんか。

自由な制約のHTMLというのは、たしかに説明も理解も容易です。少なくとも、物事を深く考えない人にとっては。いわゆるタグ屋があれほど人気があるのも、自由な制約のHTMLとやらの性質ゆえでしょう。「Aしたい場合にはBします」という説明だけで事足りるのは、なかなかすごいことだと思います。

何でAするの? 何でBするとAが実現できるの? という問いがキャンセルされている、という問題が問題にならない、その空気こそが批判されるべきです。そうでなければ、いつまでたっても「難しいこといわないでよ」という「ほーむぺーじ」製作者の方々は、認識を改める必要性を微塵も感じません。それどころか「うるさいこというなよ」という逆ギレさえ、平気でし続けることでしょう。

いずれにせよ、理屈としてはともかく、大多数の方々の実感としては、自由な制約の HTML は W3C 勧告の HTML より 平易であるという意見は正鵠を突いています。そしてたしかに、まさにそれ故に、W3Cの勧告するHTMLはいつまでたっても多くの人々に十分に理解されずにいるのです。

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