趣味Web 小説 2003-01-19

なぜ踏ん切りがつかないのか

CSS 使いにとって、現実的な問題ってのは、UA ごとの CSS の解釈の違いなわけで、色々苦労して UA 毎に CSS を振り分けたり補正したりしてるわけ。CSS 書くこと自体はたいしたことじゃないのだけれど、これを数ある UA でほぼ同じような見栄えを提供しようとすると、面倒なことになっちゃう。実際のところ、全ての UA で同じ見栄えは、絶対不可能なわけで、一番簡単なやり方は、仕様準拠した CSS を書いて、後は知らん、閲覧者側で自由にやってくれってとこなんだけど、そうズバッと踏ん切りもつかない。

なぜ踏ん切りがつかないのか。それは結局、なぜ構造とスタイルを分離すべきなのかを云々する建て前が、所詮は建て前に過ぎないからでしょう。

携帯電話の小さな画面でも、読み上げ式のUAによる音声表現でも問題なく情報を伝達できるようにHTMLを適切に書いてみると、文書の見た目を製作者が自由に指定することは不可能だと気付かされます。そこで、CSS対応のUAのみに対象を限定しつつ、CSSによる閲覧者へのスタイル押付を可能とする仕組みを導入しよう、ということになるわけです。

さて、現状ではCSS2に完全対応したUAはひとつもありません。したがって、それら程度の差こそあれ中途半端なCSS実装のUAはすべからくCSSをOFFにできるようにするべきです。またそれらUAの利用者は、あえてCSSの実装が中途半端なUAを使っている以上、UAがうまく処理できない(しかし仕様上正しい)CSSが用意されたHTML文書などを閲覧する際には、戸惑うことなくCSSをOFFにできる程度のスキルを持つべきです。よくわからずにたいそうな道具を振り回していてはいけません。

CSSにちゃんと対応していないUAに意図通りの表示を期待するのがそもそもの誤りです。CSSを使うなら、仕様に準拠したCSSを書けばそれでいいのであって、それ以上を求めるのはどうかしています。それは所詮、本末転倒な努力なのです。

そもそも、CSSに対応していないUAは無数にあります。CSSをOFFにできるUAも無数にあります。ブラウザ振り分けだなんてやっている方々には、製作者の用意したCSSは絶対に適用されるべきだというような思い違いがあるような気がしてなりません。それでは所詮、一部の視覚系ブラウザからのアクセスしか考えていないという意味で、心情的にはテーブルレイアウトをやっている不勉強な人々と何ら変わらないではありませんか。情けないことです。

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