趣味Web 小説 2003-04-15

メール:失望しないで

いただいたメールより。ありがちな勘違い。

そりゃしかたないと思います。徳保さんが人通りの多い所で大きな声で独り言を言ってるからですよ。周りに聞かせるつもりが無いなら、家で叫ぶなりすればいいのに。

サイトは本や雑誌に近い存在。ネットにつないでつらつら読むのは、書店で出版物を立ち読みするようなもの。検索経由とか、どこかのサイトで紹介されたとか、経路はいろいろありましょうが、読者が自ら望んで目を通している(いい加減いちいち断るのも面倒くさいんだけど、もちろん例外はありますよ)という意味で、人通りの多い所で大きな声で独り言を言ってるという例えはまったく不適切。私は人に読ませる気があるからこうして文章を公開しているのです。

私が平成15年4月10日の備忘録に書いたのは、感想を書いて送れば相手は必ず喜ぶだろうと単純に考えている人がいて、つきあいきれないという話。たしかに基本的には嬉しいけれども、いつもそうだというわけではない。失礼な言葉なんて一切なくたって、なんだかイライラさせられることはしばしばある。誉めれば喜んでくれるだろうと信じている人は単純すぎる。質問に答えたら長々と礼状が届くことがあるけれど、たいていそれは嬉しいものだが、ときにはそれを全部読まねばならんと思うだけで憂鬱になる。私はメールも掲示板への書きこみも、たとえそれがどんな内容であれ無条件に歓迎しているわけではありません。

メールについてはとくに、読みもせずに捨てているものが相当数にのぼるだろうという事実があります。また私は、そのことについてとくに謝るつもりもありません。広告メールが馬鹿みたいに多い現状下では、強力なフィルターを使うことは避けられないからです。謝ったところで何も改善できません。その代わり、このような問題があるという事実だけは公表することにしたわけです。

掲示板への書き込みに対しては、皆様もご存じの通り、これまでのところ概ね好意的に取り扱ってきました。しかしながら、私が常にそのようにふるまうことを今後も保証するものではありません。これまでも保証などされていなかったわけですが、ここであらためて「保証しない」ことを言明することにした次第です。そのきっかけとなった出来事については、ここでは述べません。

私はこれまでにも、誤字の訂正等によるはてなアンテナ等におけるいわゆる空更新問題には一切対応しないことを明言してきました。当サイトは週に1度くらい読めば十分である、と。慌てて最新の更新を追いかけたい読者は勝手にすればいいが、私はそうした方のいう「迷惑」など頓着しない、そういうことで文句をいわれるこちらこそいい迷惑である、と。文句をいうのもまあ勝手だが、無視するのも勝手であります。

同様に、ご利用になられているUAにおけるCSS実装の不具合のため閲覧に支障が出る方には、CSSを切るか、テキストブラウザなどのCSSと無縁のUAを用いるか、あるいはOperaのユーザモードでも利用されてはどうかと逆に提案して参りました。文字が小さくて読むのに困るサイト、配色がひどくてろくに読めないサイトは世の中に多いわけで、私の提案はそれらの問題を一挙に解決するものでもあるわけです。製作者が特定のCSS(それはしばしばいくつかの環境では閲覧に支障が生じる/ただしそれはUAの実装ミスが原因でありますが)をお勧めする自由、閲覧者がそれを無視する自由、お互いが自由を獲得すればいいのであります。

私は無邪気に「人間はこういうものだ」と決め付けて、その基準にあてはまらない行動を規制しようとすること、あるいは無邪気な決め付け以上の理屈なしに人を本気で批難される方にはつきあいきれません。「何で返事をくれないのですか」とか、「ごめんなさい、何か気に障ったならお詫びします。返事は無くてもけっこうです」とか、本気でいうのはよしてほしい。

気に障らなくたって、何となく返事しないことはあるわけです。それは私の勝手であって、それはとくに不満はなかったのにサイトを見るのをやめてしまう閲覧者の自由と同じです。それを本気で怒られても困るし、何か気に障ることをしたかといって本気で悩まれても困る。本気で怒ったり悩んだりするのは人の勝手だが、それを困るというのも勝手なわけで、私としてはようするに私がメールの返事を書かないことくらいでいちいちマジになるのはバカバカしいと気付く人が増えてくれたらいいと思うのです。

私みたいなひどい人間のすることにマジにならないでください。ほんとうざいです。うざいことするのはもちろん勝手です(まあ犯罪にならない範囲で)が、たいていうざいことしたがる方って「人の嫌がることはしないようにしましょう」とかそういう話が好きですよね。それから言行不一致が嫌い。だったら今こそ言行を一致させて、私の嫌がることはしないようにしてください。といってもマジになっちゃうのは心の問題だから仕方ないのでしょうけれども、「マジになってます」ということをわざわざ私に伝えないでください。これは私からのマジなお願い。

とまあこういうわけで、当サイトは私的な文章をそのまま公開すること、お客様を神様扱いしないこと、「いい人」をやめること、以上3点をコンセプトに更新されています。アクセスアップ講座系サイトへのアンチテーゼです。最低です。(というか、しょっちゅうこういうお断りの言葉を入れているというのに、この3項目いずれかの問題で「失望しました」とかマジでいってくる人が絶えない。それは仕様です、と何度もいっているのに、ほんと話のわかんない奴ってのは世の中に腐るほどいるものだと思う。「許せない」といって怒るならわかるけど、「失望しました」って……)

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