趣味Web 小説 2003-04-27

「外来語」言い換え提案

国立国語研究所第1回「外来語」言い換え提案を発表しました。

言い換えの具体例は概ね納得のいくもので安心しましたが、私が面白いと思ったのは各外来語の定着率についてデータが示されたことでした。ちょっと言葉を知っている人は、あれもこれも常識じゃないのか、と思ってしまいがちなものですが、実際にはそうでもないわけです。みなさん、ご存じでしたか、インターンシップという言葉の意味するところを理解できる人は、4人に1人もいないのだそうですよ。

わかったような気になっている外来語を、独力で適切に言い換えられるかどうか。私もちょっと挑戦してみましたが、これがなかなか難しい。一度自分で悩んでみると言い換え例がよくできていることに気付かされます。アセスメント=影響評価、キャピタルゲイン=資産益とか、サーベイランス=調査監視など、我ながら基本的なところから既にわかっていないという事実を再認識させられガックリ。よく目にし、耳にする言葉であっても、じつは世間の一部の人しか意味がわかっていない(じつは自分もわかっていない)言葉ってのはこんなに多いぞ、ということで、皆さんも一度ご覧になることをお勧めします。

ただちょっと冷静になって考えてみると、外来語だから理解度が低いというよりも、言い換えてみても理解度の低そうな言葉がけっこうあるわけです。ちょっと学力レベルの高い高校へ入学すると高校卒業後に進学するのが当たり前だと錯覚してしまう、ちょっといい住宅街で育つとファミコンを買ってもらえない家は悲惨だと勘違いしてしまう、といった環境由来の状況認識の誤りはよくあります。言葉をいくらかよく知っている人に囲まれている方はとくに、この報告に注目されるべきです。言葉が通じないというか、そもそもある種の概念を理解していない人がどれほど世の中に多いか、その現実を知っておくことは重要ではないでしょうか。

ところで、さすがに国立国語研究所のHTML文書は、それなりにまっとうなものですね。

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