趣味Web 小説 2003-05-23

ダメ店長のもとで働く従業員の哀れ

せっかくだから、JOY騒動の発端となった事件そのものへの感想も書き留めておきます。

2003年05月18日(日) 短気な家系!?

前略

夕方、弟夫婦を呼んで居酒屋で食事。小さいのが二人もいたらお座敷でないと大変なので個室を予約してから行きました。

ひさびさに会う姪っ子は人の顔をジーっと覗き込んではニヤッ。ちっとも人見知りをしないのに日向はちょっと恥ずかしがっていました。

そのうち子供たちが食事に飽きはじめ、店内をちょろちょろ走り回って遊んでいて私たちも帰ろうか…と荷物をまとめ始めたとき、舞衣が「さっき親のしつけが悪いって言ってた」というのでヒデと目くばせをして「誰が?」と聞くと「お店の人」とのこと。

舞衣の手を引っ張り、ホールに出て「どの人だった?」と聞くと私の様子がおかしいと気づいたのか「ほくろのある人だけどよく覚えてない」と言いました。

「はっきり言いなさい!」と言うと泣きそうになりながら一人の若い男の子を指差しました。その人のところへ行って「お前、うちの子たちが走り回ってるのを見て親のしつけがどうとか言ったんだって?」と言うと「いえ、言ってません」というので舞衣に「こいつなんでしょ?」と聞くと目をこすりながら「わかんない」と、怒られたときのようにしゅんとしてしまいました。

弟たちも奥の部屋から出て来て、「どうした?」と言うので説明すると「なにぃ?」と飛んできて「従業員全員並べろ!!」と大騒ぎ。もう一度舞衣のそばに行き「お店のためにもきちんと言わないといけないからこの中の誰が言ったのかちゃんと言いなさい」と説得したらやはりその人だと言いました。

頭をなでながら「先に出ていなさい」と外に出し、そいつの胸ぐらをつかんで「やっぱりテメーが言ったんじゃねーか!!」と言うと「すいません!!」と蚊の鳴きそうな声を出していました。

殴ろうと思ったら弟が横からやってきてボカッ!バコッ!!

少しするとヒデも出てきてまたもやバキッ!ボカッ!バコッ!!

「アタシらがしつけの悪い親だよ!!」と言うと「すいません、すいません!!」と泣きそうな顔で謝り、ガタガタ震えていました。

殴るヒデの手を止めようとする店長の手を押さえ、「店のためだよ」とワタシが言うとすんなり手を引っ込めたということは殴られても仕方がないなと店長も思ったのでしょう。

ヒデは店長にも「お前んところは従業員にこういうことを平気で言うような教育をしているのか!と怒鳴りまくり。かなり大暴れしてしまいました。


いくら親のしつけが悪いと思ってもサービス業に就いている限り、心で思うのは勝手ですが絶対に口に出すものではないと思います。一円でもお店に利益をもたらした時点で私たちはお客様です。もちろん日向たちのような小さい子でもお客様であることに変わりないと思います。たとえ従業員同士でこっそり言っていても私たちの耳に入った以上、なかったことにすることは出来ません。

しかも2歳前後の子供にどうしつけをすれば走り回ったりせずおとなしく席についていることの出来る子供に育つのでしょうか?

ケンカっ早い私たちに向けてそういう言葉を発した彼には気の毒かもしれませんが、殴られて当然だと思います。親に向かって最大の侮辱だと思いました。

ひょっとしたらほかの解決法もあったかもしれませんがマナーを破った相手の人に対して謝罪の言葉だけで許すことはとてもムリでした。


帰りがけにヒデが言いました「なんでお前はそう気が短いんだ」・・・アタシか?(-_-:)

ちっ!殴り損ねたじゃん!と思っていたの、分かっちゃった?

大体これは店長が悪い。「営業マンは断ることを覚えなさい 経営者は断れるしくみを作りなさい」という面白い本があるけれども、今回の件も本のタイトル通りの発想で予防できる。いらん客にはお引き取り願う方が、土下座営業よりうまくいく。店員が一列に並べられてボコられるのを放置するような店長はダメだ。子どもが走っているのを注意してはいけない店、注意すると一列に並べられてボコられる店、ひどいもんだ。

どこかはしらないけれども、この某居酒屋は、店長を中心に一丸となって理不尽な要求を断固として撥ね付けるべきだった。店が訴えればなんとやら、という意見が出ているけれども、日記にある状況の通りだとすれば、(法的に云々という話ではなく、実際問題として)店がJOYさん一家を訴えられるわけもなく。ダメ店長のもとで働く従業員の哀れ、ここにきわまれり、といったところ。

この件の救いは、とんでもないダメ親に育てられているというのに、舞衣という女の子がまともな性格をしているということ。店員さんの危機を察した少女は、なんとか自分の失言を帳消しにしようと頑張る。そのいじらしさには胸を打たれる思いがするが、その様子を克明に記すJOYさんはとうとう娘の気持ちに気付かなかった。気付いたからといってその後の行動は変わるまいが、しかし、気付いてさえいない(ように見える)のはさすがに悲しい。人は自分の見たいものしか見えないというが、しかし……。(補注:2歳なのは弟の日向。姉の舞衣は小学生。ちなみにこの情報はJOYさんがかつてWWWに公開していたもの)

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