趣味Web 小説 2003-05-25

ノーリスクの要求が風評被害を生む

予想通りではあるが、頭の悪い人々が多過ぎる。これだから、これだからみんな情報公開なんてしたくないんだよ。よく勉強もしないで、むやみに怖い怖いというばかりなのだからね。情報公開して、しっかり消毒して、問題のフロアはそれでも念のために完全閉鎖しているというのに、ホテルにはキャンセルが相次ぐ。万全の対策をして、自信があるから名前を出していいといっているのに。正直者がバカをみるような世の中ではダメだ。

とにかく国は安全宣言を出した。一人の感染者も現れなかった。今こそ台湾人医師の利用した各施設経営者の英断を称え、情報公開を最終的に決定した厚生労働省の決断を支持しよう。その方法は? 公表対象となった各施設を優先して利用するのだ!

正直いって、風評被害は今後いよいよ深刻になるだろう。短期間での客足回復を期待する一部関係者の願い虚しく、いくつかの施設はこのまま倒産の危機さえ迎える公算が大きい。日本人の良識が問われる、なんて昨日は書いたけれども、そんなもの問うまでもない。日本人はいつも通りに、不勉強と公共心のなさ、リスクとの付き合い方の未成熟という恥を晒した。

もし万が一、山崎幹事長経由で生徒に感染者が出たら大問題になるのだろうね。でも国会見学くらいで感染するなら、山崎幹事長が中国で会って話をしてきた要人はみな感染していそうだ。マスクなしで話をしていたのだから(先日読んだ新聞の報道写真による)。この程度のリスクでわざわざ三重から東京まできておきながら、見学なしに帰るのか。東京には中国帰りのビジネスマンが多勢闊歩しているわけだが。その辺はどうなんだ。というか、こうやってリスク0を目指す大人の背中を見て育つ子どもがどんな大人に成長するか、想像するだけで頭が痛くなる。

三重の中学の決断を「バカじゃないの」という人が一定数いる今のうちに、何とか軌道修正できないものか。どんどん、どんどん世の中アホな方へ向かっているような気がする。リスク0といえば、先般の何が何でも反戦平和主義という発想の原点もそれだよなあ、と思った。

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