なるほど。それもそうだと思いました。店長は客の暴力を止める一方で、店員の教育もしなきゃいけないと。続いて紹介されている上に立つ人の態度の話、たいへん興味深いですね。
鳥野さんは教師を目指すようですから、こういった経験をちゃんと実践に活かしてほしいと思います。教師は、新卒でいきなり管理職の立場に立たされます。だから大変なのです。教師というのは(他の職業と同様に)ダメな人が少なくなくて、生徒Aと生徒Bに違うルールで指示を出すといったことを平気でやります。そしてクラスの規律がガタガタになり、学級崩壊へとつながっていくのです。
例えば給食で嫌いなものがある場合、どうするか。まともな教師は、最初に生徒から質問があったときに、クラス全体に対してルールを説明します。「一口だけ食べなさい。それ以上は、残してもかまいません」はっきりいって、重要なのはルールそのものではありません。一口でも二口でもいい。ルールを一貫させるということです。ある生徒には「全部食べろ」といい、別の生徒には「全然食べないでもいい」というからいけない。それぞれに事情があるのかもしれませんが、そうであるならば、その事情もクラス全体に説明して伝えなければなりません。
教師が場当たり的にルールを作っていけば、子どもは混乱します。例外だらけのルールの存在は、ルールがない(これからルールが作られる状態/暗黙の了解による支配体制)よりひどいのです。結局それは、教師自ら「みんな自分勝手に俺ルールを作っていい」といっているに等しいからです。前担任と違うルールを決めるのはかまいません。私はこう考える、ということでよいのです。しかし、その自分の考えを軽々にゆるがせにしてはならないということです。
ルールをきちんと管理することが、子どもにルールを守らせる場合の大前提となります。自分がルーズな管理(例外の場当たり的な乱発)をしていながら、「なぜ最近の子どもはルールを守れないんでしょうね」だなんていわないようにしてください。