私は小説に関しては「このミス」と趣味があっているので、98年版以降、毎年買っている。それ以前は小遣いが月に500円程度だったから、本を買うことはなかった。図書館にはずいぶんお世話になった。全頁読んだ本(という縛りをかけると、ほとんど小説になってしまう)だけ数えても、あの頃は年に150冊くらい。1ページ読むのに1分かかる遅読派だったにしては、ずいぶん読んだものだ。今でも、本を読むにはけっこう時間がかかる。
さて、昔はペラペラの小冊子だった「このミス」も、97年版からはかなり内容も造本もしっかりしている。とくに2色刷りになってからは綺麗でいいですね。というわけで(?)2004年版のランキングを見る。海外編は明日にして、今日は国内編。
個人的に、アレッ? と思ったのが真保裕一の「誘拐の果実」が見当たらないこと。2002年11月の発売で、文春のベスト2位になったから、今更……ということなのかもしれないけれど、久々に上位に来るかなあと思っていただけに、真保裕一ファンとしては残念。ただ、その代わりといっては何だけれども、東野圭吾が2冊ランクイン。これは嬉しかった。
歌野晶午は初ランクインにしていきなり奪首という快挙。新本格の古参作家なんですけれども、ここ数年、きてます。下馬評は高かったけれども、「本ミス」に続いての1位ということで、さすがに意外との声もあり。私は「終戦のローレライ」が1位にくると予想していたのだけれど、「葉桜の季節に君を想うということ」にはたいへん楽しませていただいたので文句なし。過去に「ミステリーズ」や「奇術探偵曾我佳城全集」が1位をとってきた「このミス」らしい結果ではないかと思う。何だかんだいって、文春のベストテンとは一味違う。(追記:書店へ行ったら、12月20日付で「葉桜~」が2刷に。とっくに増刷かかっていていいはずの傑作だと思うのに……)
といいつつ、私が本当に吃驚したのが「マルドゥック・スクランブル」のランクイン。うひゃー。全3巻、案外、読んでいるんですね。まあ、ふだんこの手の作品に手を出さない私が読んだくらいに、一部で話題になった作品ですけれども。書店で見つけられない人が多そうなので、Amazonにリンクしておきました。(他の作品は面倒なので省略→リンクしました)
あとは、伊坂幸太郎の受けがいいことに注目。「このミス」にランクインするのはハードカバーが多いんだけれども、「陽気なギャングが地球を回す」は新書版なので、値段も安いから小遣いの少ない方にもお勧め。今、読んでます。面白いです。