趣味Web 小説 2004-02-15

権利を守るコストをキャンセルする

クリエイティブコモンズの用意する11種類のライセンスのうち、もっとも使用条件の緩やかなのがシェアアライク 1.0(二次的著作物の同一条件許諾)です。当サイトの条件はさらに緩いので、補足事項を添えつつ、あらためて解説します。

著作権放棄
管理人は当サイト(deztec.jp以下のリソース群)を構成する文章、画像などあらゆる要素について、以下に示す重要な注意点を遵守する場合に限り、著作財産権および著作者人格権を主張いたしません(事実上の著作権放棄)。転載と改変はご自由にどうぞ。しかし当サイトには管理人以外の人・団体の著作物が含まれており、それらについて管理人の著作権放棄宣言は無効です。重々ご用心ください。
重要な注意点
転載・改変者は権利と責任を全て引き受けること。
  1. 転載・改変されたリソースについては、転載・改変者が通常の著作者と同等の責任を負うことを要求します。ただし、当サイトにて管理されているリソースは、管理人が通常の著作者と同等の責任を負います。
  2. 転載・改変されたリソースの著作者として、私の名前、連絡先などを示してはなりません。転載・改変者には、転載・改変されたリソースが当サイト管理人の著作物とみなされないよう配慮することを要求します。
  3. 転載・改変されたリソースは、転載・改変者の著作物として扱うことを要求します。転載・改変者があらためて著作権を放棄するのは自由ですが、転載・改変先で生じた問題について著作者としての責任を負うのは転載・改変者です。当サイト管理人ではありません。

ようするに「何をしてもいいけれど、その場合、私は徹底的に無責任を貫きますよ」ということです。私の著作物を商用目的で転載・改変してもいいのはもちろんのこと、転載・改変者が「これは私の著作物です!」と主張することさえ要求しています。CCでは原著者の定めたライセンスにみな従うことが要求されますが、私はそれを要求しません。

すると、同じ著作物が当サイトでは「転載OK」として、別のサイトでは「転載不可」として同時に公開されるのみならず、同じ著作物について複数の人物が著作者として名乗りを上げることになります。それで混乱は起きないのか? ということですけれども、私はここで日本の著作権法を援用したいと思います。結局のところ、本当の著作者は私です。そして著作人格権は放棄することができません。つまり私の要求は虚偽表示の強制なのです。

著作権法違反は親告罪です。そして、真の著作者である私は訴訟を起こしません。よって、転載・改変者が「無断転載禁止」と書いても、みなそれを無視していいのです。転載・改変者が私を差し置いて訴えを起こすことはないでしょう。けれども転載・改変者が「無断転載禁止」と書けば、原本である当サイトをご存じない方は、基本的にそれに従うでしょう。また、少なくとも改変部分については改変者の著作権があるわけです。だから、「無断転載禁止」といった表示は無意味ではありません。

あ、ずるいなあ! って思われましたか。無責任になりたいといいつつ、いざとなると権利をガッチリ主張して。……でも、みんな杞憂だと思いますよ。もともとこれは当サイトが趣味の個人サイトであるという前提の上でやっていることですから。「All rights reserved.」なんて書いているサイトが世の中には少なからずあるわけで、そういうサイトが当サイトの記事を転載してもその手の表記につっこみが入らないようにしたい、というのが当初の意図(の一部)だったりします。今にして思えば、それこそ杞憂のような。

まあ私の書いた記事なんてのは大したものじゃないので、権利だなんだということを考える方が無駄ですね。しゃかりきになってみても、権利を守るコストが守られる権利より大きい。そんな考えも背景にあります。(こういう考え方は、しばしば有用です)

Information

注意書き