趣味Web 小説 2004-02-25

天羽先生のご意見を拝読する

以下のメールを2004/01/19にgoogleに送ったのだが,未だに返事はこない。要するに,googleは,恣意的に検索結果を変更している信用ならないサーチエンジンであり,説明責任も果たさず,追及されると話をすり替えてごかまそうとするか,だんまりを決め込む会社だということがはっきりしたわけだ。

特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律とは何か。総務省の作成した図解[PDF]に明記されている通り、従来の民事裁判では救済できない被害について、プロバイダ等の自主的対応を促し、その実効性を高める環境整備の必要を反映して制定された法律なのです。

ネットの利用だから,情報を公開する以上の行為はできないはずですよね。この状況で法律違反というと,「わいせつ物陳列」「著作権法違反」「名誉棄損」「信用棄損」「侮辱罪」,あとはプライバシーの侵害あたりじゃないかと思うんですが,いずれも,法律に違反するかどうか,裁判所で個別に争われているはずです。事実関係を調べないと個別の判断ができないからでしょう。いずれの可能性の場合も,「言いがかり」をつけることは可能ですし,現実の社会でも訴えるだけならいつでも可能です(勝ち目がどの程度になるかは別として)。

音楽ファイルの無断公開など,明白に違反だと判断できるものもあるでしょうけど,論評か名誉棄損かといった場合には,グレーゾーンがあって,違反かどうかの判断は個別の状況によるでしょう。だからこそ司法手続きで決めることになっているのではないでしょうか。「法律違反」と判定するときの精度が問題だと私は考えているのですが,御社の法務部は裁判官並みの精度で判断できるということなのでしょうか。

引用した意見は、同法の趣旨に照らせば誤りといえましょう。

私たちは日常生活を送る中で、自らの法解釈に基づいて様々な判断を行っています。グレーゾーンがあるからといって、何でも裁判所にお伺いを立てているわけではありません。従来、プロバイダ等が自主判断を半ば放棄してきたのは、自主判断により特定の意見を公開停止としたとき、言論の自由の侵害として訴えられる可能性があったからです。このような状況下では、基本的に発信者が優位となり、被害者の救済が困難になります。(Ex.とくに個人が被害者となった場合、費用対効果の観点から対処法がないも同然となります)

WWW では匿名の発信者がいい加減なことを書く事例が多くあり、座視できない状況です。そこで、現在非常に広くなっているグレーゾーンについて、プロバイダ等が自主判断で公開停止としても免責される法が作られたのです。(総務省の逐条解説[PDF]に詳細な解説があります/必読)

というか、悪徳商法マニアックスは元々、掲示板のたった一つの書込みについて削除を求められたのです。それを拒否したので小さな話が大事になり、サイトの移転だとか警察が動くとかいう話になっています。派手な展開に目を奪われて、問題の書込みがどのようなものだったかご存知ない方が多いのではないかと思うので、あらためて引用します。

どうもトリックスターさんの辞書には「デート商法」や「アポイメント商法」って言葉が無い様ですね(笑) それとも検索術って術を知らないンでしょうか?

相談事例です。

まあ、トリックスターさんの中では淡い鯉の思い出なんでしょうが、向こうのお姉ちゃんにしてみれば鯉じゃなくてカモなんですね。んでまあ、こういうマトモな商売が出来ない会社はマトモな情報管理なんて出来ッこないですからその内、名簿なんか流出したりマッチポンプでこんな事にもなっちまうんですね。

「会員権」を「宝石」に置き換えて下さい。まあ、ウェディングがやるかどうかは判りませんがその危険性があるって事です。

「中傷」かどうかはともかく、「確かな根拠なしに悪印象をばら撒く発言」には違いありません。そのことは、争うまでもない一目瞭然の事実です。

で、これを「消せ」「消さない」という話になって、プロバイダとしては問題を解消するか、当事者同士で話し合って解決してほしいわけだから、「出て行くか、個人情報を開示するか選べ」ということになる。

Beyond さんが根拠の不確かな悪罵をなぜ守りたがるのか、ということは掲示板を見れば明らかで、裁判所で証言できそうな責任ある発言ばかりでは掲示板が成り立たないんですね。まあ、悪徳商法対策をやっているサイトはどこでもそうなんですけれども。だからふつうは、実名は挙げないことになっている。もし訴えられたらかなわないから。でも Beyond さんはカッコつけて、実名を挙げて批判することを許してきました。それがタダで済んできたことがそもそもおかしい。ということは以前、書きました。

前略

Google チーム 様

At 11:20 AM -0800 04.1.16, japanese@google.com wrote:

ご連絡ありがとうございました。ユーザーが日本の法律に違反するかどで特定のページが削除されることを希望する場合、どの法律にどのように違反しているかを証明する署名入りの文書を弊社法律部に提出していただく必要があります。

見当違いの答えをするのはおやめください。

私は

について問い合わせているのです。私は,誰かのページの削除を要求するつもりなどありません。

自分のページに削除要求が出された場合の対抗措置に関して事前に情報を得るために問い合わせているのです。

また,悪徳商法マニアックスの削除要求は,アメリカの住所となっている法務部にクレームが出されたのであって,日本法人に対するクレームではないという主張でしょうか?

なお,御社とのやりとりは,すべて公開し,ネット上のいろんな掲示板にも転載する予定です。

参考までに,以前のメールを載せておきます。日本語をよく読んでください。

以下略

天羽さんはこういう質問メールを出したけど返事がないといって、冒頭に引用したような言葉で怒っていらっしゃる。回答がずれているのは事実ですが、公開するの何のということをいっておいて、マニュアルにない質問をしたってろくな答えが返ってくるはずがないことは容易に想像がつきませんかね。Google が一人の超人によって運営されているならともかく、実際には大勢の社員が様々な業務に当たっているわけです。

公開するのなんのと脅されたら滅多な回答はできないけれど、さりとて無数に寄せられる質問への回答にいちいち上司の承認を取れるはずがない。会社の全責を背負って対外文書を作成する末端の社員の心労を、なぜ理解できないのか。天羽さんが4項目の質問の答えを知りたければ、週刊誌の記者のように社外で社員に会って、匿名の無責任な立場で話をしてもらうしかない。さもなくば、末端の社員が上司の承認を取ってマニュアルに無い回答を作成するに十分な「理由」を与えねばならない。

Google は社会的影響力の割に小さな組織で運営されていて、その点、至らないこともあるでしょう。あれほど広告の少ない検索エンジンは他にないではないか。そういうことを勘案しないで上等のサービスを求めるのは、無茶というものです。

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