私はアイスターの宿泊拒否を支持しないが、天羽さんのアイスター批判も(全面的には)支持しない。
ハンセン氏病元患者については他人に対する感染の危険はないわけだし,もともと望んでそうなった患者ではない。それを,自分からヤクザになった奴と一緒くたにするセンスは一体どうよ,と思うわけであり・・・・。
一緒くた
にしているのはどっちなのか。秘書室長は、元ヤクザもハンセン氏病元患者も、無知な一般客を怖がらせるという点で共通している、と述べているに過ぎない。元ヤクザよりハンセン氏病元患者の方が同情する人が多いのは事実だが、そのような違いはアイスターにとって問題ではない。(結果的に誤読に基づく非難を浴びる原因となった、という意味では問題だったわけだが)
(いくつかの例外を除き)宿泊拒否の許されない旅館業を営むにあたっては、相応の覚悟が必要となる。SARS騒動の際、件の台湾人医師が宿泊したホテルは十分な対策をとったにもかかわらず、予約の破棄が相次いで大損害を被ったことは記憶に新しい。徹底した情報公開により信頼を得るというホテル側の「英断」は、日本人の愚かさを示す虚しい先例と成り果てた。ハンセン氏病元患者を怖がる客にはきちんと説明してご理解をいただくのが筋だが、秘書室長が述べている通り、ご理解をいただけない客が少なからず生じる可能性は否定できない。しかし、それでも宿泊拒否してはいけないのが旅館業なのであって、覚悟の足りないアイスターは批判されていい。
ただ、天羽さんの批判(引用部)は言掛かりだ。それぞれの抱える事情は異なるが、無知な一般客を怖がらせるという共通項の存在は事実であり、その点では秘書室長の発言に間違いはない。
この騒動の結果、「ハンセン氏病元患者は危険ではない」という事実は、あらためて多くの国民の知るところとなった。しかし常にそうであるように、「今回、初めてその事実を知った」人は少なかろう。知らない人のほとんどは、今回の騒動にも無関心だろう。だから、虚しい。しかし、不毛な営みを続ける先にしか、正しい知識の輪の広がりはありえないのではないか、とも思う。