趣味Web 小説 2004-04-07

柵に注意せよ

僅かかどうかは、主観であるとは、その通り。また、私は「意外に多い」と思ったわけです。

ところで、「管理人」さんの主張に欠落している情報にふと気付いたので、補足しておきます。亡くなった子どもは、簡易な柵を無視して回転扉に駆け込み、頭を挟まれました。「これ以上、隙間が狭くなったら進入禁止」という範囲は、柵によって明示されていたのです。問題の回転扉は、何の注意事項も示さず、ただそこにあったわけではありません。柵によって、誰の目にも危険領域が判別できるようになっていました。

回転扉は危険だ、ということを子どもに教える機会は、そうそうないでしょう。6歳の子どもには、回転扉の危険は理解できなかったかもしれません。あるいは、「管理人」さんが指摘される通り、社会的にも危険は十分に認知されていなかったかもしれません。しかしもし犠牲となった子どもが、回転扉の右端に置かれた柵が「ここからの進入を禁止する」ことを理解できなかった、あるいは、そのような社会的ルールを尊重しない性格だったとすれば、教育上の問題も浮上してきます。

「柵に注意せよ」という一般的な生活能力さえ十分に備えていれば、事故は避けられたかもしれません。日本の街角には、たいしたことでもないのに柵が多く置かれ過ぎているような気もします。しかし、だからといって、柵をないがしろにするような教育をするのは危険です。バカバカしいと思っても、ひとつひとつの柵を尊重するよう、子どもに繰り返し言い聞かせねばならないと思います。

親だけに責任がある、といいたいのではありません。6歳にもなる子どもの手を離したら「危ない」というのも、いかがなものかと思います。ただ、「子どもがなぜ柵を軽視したか」という問題は、一考の余地があるでしょう。私は、独断で柵の向こう側へ進むことを、強く戒められて育ちました。今にして気付く、親の配慮。

参考

六本木ヒルズ関係者によると、昨年の類似事故後、右側支柱の前に帯を渡した2本のポールを置き、駆け込み防止対策としていたが、警備員は配置していなかった。

図解を参照のこと。

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