残業帰りで、ガランとした寮の食堂で少し遅い夕飯を食べているとき、ふと NHK ニュースを見て愕然としました。後出しじゃんけんで何をいっても仕方ないのだけれども、私が以前「仮に本気で自衛隊のイラク派遣を阻止するなら、どうしたら成功するだろうか」と想像した通りの事件が、起きていたのです。
アンマンからバグダッドに向かった3人のプロ市民(うち一人は週刊朝日に書いているジャーナリストだという)が、武装グループに拘束されました。3人とも、米国によるイラク攻撃・占領統治、自衛隊のイラク派遣に反対の立場だったと NHK は報道しています。
私がこのニュースを見知って、何を考えたか。それは、前段落を読めば想像がつくと思います。政治家というのは、難儀な商売ですよね。非常に、非常に判断に迷う事態です。ことによると、あっさり片付くかもしれませんが、悪い方へ転がれば小泉政権にとって史上最大の試練ともなりかねません。
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約2時間、悩んだのですけれども、前段でぼかした内容についてハッキリ書きます。私が想像したのは、次のようなことです。
小泉首相の決断に注目したい。過去の発言との整合性を取るなら、自衛隊の撤退はありえない。しかし日本は民主主義国家だから、たとえ理由が「民主主義を守るため」であっても、目先の世論をおいそれと無視できるものではありません。たしかに決断するのは首相だけれども、このような日本国民の過半が強い関心を抱いているような問題、そして選択肢がこれほど明確な問題においては、「本当に問われているのは国民の判断だ」といってもよいでしょう。
アルジャジーラの伝える犯行グループの託した手紙の内容によれば、期限は3日間だという。私はまだ、悩んでいます。
日本赤軍以来の……と書いたのは、1.日本国政府への挑戦である、2.国民の多くが「なぜ事件が起きたのか」を理解できる事件だ、という程度の話。例えば「ペルー大使館公邸占拠事件」では、なぜ日本の大使館が狙われたのか、犯人の要求は何か、多くの国民にはよくわかりませんでした。