趣味Web 小説 2005-02-20

CSS デザインにどこまでこだわるか

私が HTML と CSS の勉強を勧めるのは、製作者が楽をできるからです。他に理由はない、といってもいい。

CSS デザインを「簡単」というと、疑問の声が上がるでしょう。たしかに、あれやこれや多くを望むと、面倒くさいところがドンドン出てきます。クロスブラウザとか。"いろは"の先の CSS という連載記事は、Strict+CSS というデザイン手法の理想を盾にして、製作者の重荷を減らしていく試みです。

「テキストの内容に基づくマークアップ」と「HTML の各要素を装飾するためのスタイルシート」という基本に忠実であろうとする限り、過剰な装飾どころか「段組」さえ否定されます。凝ったデザイン自体を主要な閲覧者層(PC 向け視覚系ブラウザ利用者)に対する「妥協の産物」と捉えることにより、「できないことはやらない」「無理はしない(方がよい)」という結論を導くことができます。

当サイトが「趣味のWebデザイン」を標榜しているのは、よくよく注意していただきたいところです。クロスブラウザなんてどうでもいい、とまで私が断言できるのは、趣味レベルの話をしているからです。

Folio は、その点、私一人の思いで動く場ではありません。デザイン担当者が示す「完成図」を再現するのが私の仕事。「完成図」を作る人は HTML や CSS のことは考えないし、それでいいと思っています。指示通りクロスブラウザの配慮はするし、文字サイズ固定だって躊躇しない。文字の画像化だって何だってやる。それで何か不都合があるかというと、呆れるほど何もないのです。

こう書くと、はじめて抗議がくる。つまり、本来の客層は静かなのです。大半の企業サイトが、レイアウトをテーブルとフレームに任せているのは、故なきことではありません。信頼性を得るにはによれば46.1%の方がデザインや見た目が信頼性を感じる上で重要なポイントになると答えていますが、情報構造や整理は28.5%なので、「見た目」とはビジュアルの「プロっぽさ」をいっているものと判断できます。

結果としての見た目だけが大事なら、レイアウトの確実に崩れない手法を選択するのは道理です。そして HTML を正しく使うメリットは、少なくとも依頼主にはほとんどない。

雑誌でも本でも、意外と昔から、デザインは CSS に任せるべきだが……ということは書かれています。1流2流はもちろん、3流くらいまでのプロは CSS について以前から学んできたのではないかと思う。ではなぜ……ということになるのだけれど、Folio の現場でつくづく感じたのは、テーブルの方が確実なところはテーブルに任せればいいじゃないか、ということなのでした。意地を張ってどうなる? それで誰が喜ぶ?

こうした主張をするなら Amazon の書評でテーブルレイアウトを教える本を批判する必要はないだろう、という意見があるかもしれません。しかしプロ向けの本、A Better Design Webページ リ・デザインブックIIの書評で、私は最高点をつけています。Webデザイナーの「どうしよう」はこれで解決!も高く評価しています。リファレンスだけはプロ向けでも仕様に準拠した本を勧めていますが、実務においても W3C 勧告書への理解を深めておくことは有用だからです。

入門書が基礎基本をそっちのけで邪道に踏み込むのはよくないと思うのは、趣味レベルなら難しいことは「諦める」のが一番だからです。テーブルレイアウトなどの面倒な手法に手を出す必要はありません。ただしホームページビルダーの解説書については、HTML への無知を前提とした本として、プロ向けの書籍と同様に「別の観点」から評価しています。

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