趣味Web 小説 2005-02-24

【売上比較】書籍:雑誌:マンガ=9:8:5

実は、一般的に出版界ではマンガ雑誌だけでなく、マンガ単行本(コミックス)も統計上は「雑誌」に含まれている(一部書籍として流通しているコミックスもあるが、大半は雑誌としてカウントされる)。つまり、マンガはジャンル全体として雑誌の1部門なのだ。他方、これまで、出版界は「雑高書低」などといった言い方で、書籍と雑誌の市場の浮沈をつねに対比してきた。けれども実際は、出版界を大きく区分するなら、書籍、雑誌、そしてマンガの三者にすっきりと分けて考えるべきなのである。

単純に2003年度の雑誌販売額1兆3200億から、雑誌とコミックスを合計したマンガ全体を引くと残りは約8100億。繰り返すが書籍は約9000億、マンガは雑誌と単行本を合わせて5100億の市場規模である。ほかに雑誌の広告収入があるので単純化はできないにせよ、出版界の市場規模を「書籍」「雑誌」「マンガ」の3つに区分し、それぞれの「デジタルコンテンツ」としての成長予測を加味すると、長期的には、それぞれがほぼ3分の1程度ずつを占めるようになるのではないか。

書籍、雑誌、マンガの3区分とすると、9:8:5 になるという話。あと、なぜマンガがベストセラーのランキングに入ってこないのか、この記事を読んでようやく理解しました。マンガは単行本も雑誌に区分されていたのですね。「刑務所の中」や「戦争論」はベストセラーのリストに入っているのを見たことがあるので、たぶん書籍扱いの少数派だったのでしょう。

余談:「戦争論」カスタマーレビューに西岡昌紀さんが登場

西岡昌紀さんはレビューで自ら明かされている通り、「教科書が教えない小林よしのり」の共著者の一人。「戦争論」の中に事実誤認があることは「トンでも本の世界R」でも山本弘さんが指摘されている(というか批判本は大なり小なりその点を突いていますので探せばまだまだ見つかります)のですが、西岡さんと山本弘さんは異なる結論に達しています。(注:私は不勉強のため事実誤認の指摘が正しいかどうかは判断できかねます)

西岡さんは、多くの事実誤認があるとしても、結論としての主張が誤っているとはいえないとの意見。山本さんは、多くの事実誤認から導かれた意見は当然誤っているとの立場。私はどちらかといえば西岡さんに与します。なぜなら、小林さんの主張自体は事実から当然に導かれたものではなくて、小林さんの価値観から生まれたものだからです。つまり、例示の誤りは、当該例が主張に合致するものでなかったことを意味するものの、それは選択ミスに過ぎず、例を交換すれば元の主張は成立する可能性があるからです。

事実から当為は導かれません。事実と当為の間をつなぐのは価値観であって、価値観は多様でありますから、事実の否定から当然に当為を否定することは不可能です。

それはともかくとして、私は「教科書が教えない小林よしのり」の中に、西岡さんのような意見の持ち主がいたことに気付きませんでした。何せ「戦争論」に満点の5つ星の評価をつけていらっしゃる。これには正直、驚かされました。

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