趣味Web 小説 2005-04-05

ついにヴェールを脱ぐ伝説的なブログ成功バイブル

超カンタン! 最強メディア ブログ成功バイブル
  • 百世 瑛衣乎 (著)
  • 価格: ¥1,449 (税込)
  • 発送可能時期:ただいま予約受付中です。- (2005/04/19)
出版社/著者からの内容紹介

著名な俳優オイゲン・ビショーフは、数人の客たちを前に余興の役づくりと称して庭の四阿にこもった。しかしその後、突如鳴り響いた銃声に一同が駆けつけると、拳銃を握りしめ床に倒れたビショーフは既に瀕死の状態だった。現場の状況から自殺に間違いないと思われたが、客のひとり、技師ゾルグループは「これは殺人だ」と断言する。折しもウィーンの街では不可解な“自殺”事件が頻発していた……。ボルヘスが惚れ込み、鮎川哲也らの言及でも知られる伝説的作品がついにヴェールを脱ぐ。

単なるカタログの入力ミスなんでしょうけれども、これほど笑えるのは初めて見ました。多分、遠からず修正されてしまいますので、今のうちにどうぞ。(画面写真が StarChartLog で公開されましたので、焦る必要はなくなりました)

ちなみに、この本の目次はこんな感じ(強調は引用者)。

目次
  • 巻頭インタビュー
    • GMOグループ 熊谷正寿氏(『一冊の手帳で夢は必ずかなう』著者)
      ブログは最強のメディアツール
  • *コーヒーブレイク:ブログ元年とブログの歴史
  • ■第1章 ブログで、世界が変わる!(インタビュー)
    • ブログでベストセラ&人気講師に[人生はアドベンチャーだ!]
    • 3カ月でブログランキング1位![発狂ニュース島]
    • ばく進する怒濤の女子高生ブロガー[まいまいの生存歴]
    • リストラ・うつ病から、ブログで独立開業[10年後も行政書士で生きていく!]
    • 成功法則が現実化したネット書評家[起業家のための書評ブログ]
  • 以下略

……こ、これは!!! ユリイカとどちらか1冊選べといわれたら、こっちを選ぶような気がします、私は。頭痛になりそうな伝説より、能天気な伝説の方が素人には楽しそうだし。キャンペーン用ブログで一部の記事が公開されていますので、興味のある方はぜひご一読を。

ちなみに、著者の百世瑛衣乎(ももせえいこ)さんはこんな方。

百世瑛衣乎(ももせ・えいこ)
ソーシャル・ナビゲーター、フリーライター、ブログ伝道師
■プロフィール
1959年、広島県生まれ。日本デザイナー学院卒業。
広告業界でデザイナー、アートディレクターとして勤務ののち独立。企業や官公庁のPR誌を中心に手がけ、フリーライター歴15年。
ジェンダーには中学生時代より取り組み、活発に発言してきた。短大で女性問題のゼミを専攻し、女性・男性・社会の3者に視点を置いたジェンダー論で卒論を仕上げる。
20代後半は、小劇団を主催して作・演出・役者に没頭。
結婚歴・離婚歴、各2回(1人目は5才年下、2人目は11才年下)。
不妊を経て高齢出産(38才)で、娘を出産。
数々の同棲・結婚歴で、男性エプロン化率100%を実践。

ううむ、学生運動後の世代の業を全部背負ったようなプロフィール。現在、百世さんは女も男もハッピーにする、ジェンダーフリーをテーマに♪明日を変えよう♪ Change!for tomorrow を合言葉として明るく元気に活動中。

ただ、公式サイトの表紙からリンクされている SmartWoman の記事に紹介されている百世さんのホームページがアダルトサイトの広告スペースになってしまっているのは出来過ぎた話。ネットは怖いですね。みなさん、腰掛け程度のつもりでも、サーバ屋はきちんと選びましょう。というか、2年も放っておかずにリンク先を修正するべきなんじゃないかな。

子供や趣味人向けの「ほーむぺーじ作成指南」には、本書「超カンタン! 最強メディア ブログ成功バイブル」ほど荒唐無稽な本は多くなかったと思います。一般人をターゲットにして大人がマジで商売を始めると恐ろしいですね。簡易 CMS ごときで世の中そんなに変わるわけないのに(注:「成功者」の存在は否定しません)。こうなってくると、HTML の解説が正しいとか間違っているといった次元をすっ飛ばして、人生と社会を見つめ直す必要が……。

とまあ、茶化し気味にご紹介しましたけれども、既刊書「家事する男の作り方」をパラパラ眺めた限りでは、SmartWoman の紹介写真に近い印象を受けました。「お姉さん」と呼んだら喜んでくれそうな感じ。顔文字いっぱいの日記を書いてるので、多分「いい人」なんだと思います。

……。

補記

著名な俳優オイゲン・ビショーフ……の謎解きをしておきましょう。オイゲン・ビショーフとは晶文社ミステリの新刊、レオ・ペルッツ「最後の審判の巨匠」の登場人物です。同書は1923年の作品ですが、今回が初訳。晶文社ミステリは信頼していますので、私もこれから読んでみようと思います。

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