女性はスタッフばかり?:GLOCOM forum 2005 参加報告・1
GLOCOM の GLOCOM forum 2005 に参加しました。といっても、私は話を聞いて、懇親会にお邪魔しただけなんですけれども……。
複数の発表が併催されているので、全部の話を聞くことは不可能。私が参加したのは ised@glocom の倫理研第5回と設計研第5回、ネットコミュニティと合意形成、2日目の全プログラムです。それぞれ興味深く、話に触発されて考えたことも多々あります。備忘録を書いておかないとその大半は忘れてしまうでしょうが、まあそれは仕方ないような気がします。いくつか話題を厳選して備忘録を書いていくつもりです。
以下、肝心な内容と関係のない部分について、いくつか印象・感想などを書きます。
- 横浜プリンスホテルは私が過去に泊まったどのホテルよりも立派で、磯子駅から丘の上に聳え立つ姿を見ただけで圧倒されました。宿泊率が低いのか、ツインの部屋が割り当てられたので、社員寮の部屋の8倍くらいの床面積に感動。早期申し込みしたこともあって、フォーラムの参加料とセットでもシングルの宿泊料金よりも安い価格で泊まれてよかったです。景色もすごくよかったです。
- 若い研究者は実学志向、それが年齢を重ねるに連れて、大きなテーマに向かっていく。「パネルディスカッション:『情報社会の合意形成』」のパネリストはそのあたりが明確に出ていました。70代の公文俊平さんと吉田民人さんは国家システムの設計(資本主義と共産主義)を事例に持ち出し、本論を最も話の抽象度を上げたレベルで語られました。40代の國領二郎さんは生活感覚から演繹できそうな領域で「プラットフォーム」について語り、30代の鈴木健さんはプラットフォームのひとつの具体例について解説されました。
- 会場で見かけた女性の大半はスタッフ証を下げてました。工学系の情報学ではなく社会学系の情報学のフォーラムなのに、どうして発表者も聴講者も男性ばっかりなのか。最近はとくに私大で学際部門を切り分けて新名をつけてしまうことが多いとはいえ、基本的には文学部の領域。たしかにウェブでブログ論などを書いているのはほとんど男性だけど。ウェブ利用者は既に男女半々となっているので、女性研究者が増えないと、女性中心の世界の歴史が永久に失われていく。教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書は大傑作だけれども、やはり女性不在。男性の興味関心を軸に動く世界に入ってきた女性の姿だけが記録されている。主婦層を中心としたカリスマアフィリエイターの誕生は、初めて女性中心の世界が日本のウェブの歴史にきちんと登場した事例でしょう。でもカリスマたちの雑誌での発言などを見るに、彼女らはアフィリエイト学やアフィリエイト史といった「学問」には無関心みたい。残念。
- 「コミュニケーション」をテーマにする研究所ではあるけれども、研究者の方々は「気持ちのよい討議の基礎基本」といった庶民に人気のある事柄には無関心らしく、他の誰かが話をしているときに居眠りしている(ように見える)方とか、あからさまに詰まらなさそうな話をしている方などが目立ちました。中には自分が話をしているときでさえ「嫌々やってます」と表情や口調で表現される方までいらして、ようするにみなさん正直だったんですけれども、面白かったです。ちなみにスタッフはなぜか美人だったり、にこやかだったり、「あなたの発言に私は非常に関心がありますよ」という所作がうまかったりして、接客のプロみたいでした。とくに2日目の司会を務められたシモジマさんは専門職にしか見えない。フォーラムのために雇ったのかな……。
- きれいで立派な会場、参加者に対するお客様扱い、飲み物も無料で配られる……学会というよりも、シミュレーションソフトウェアのベンダーが開催するユーザ会のような雰囲気。
- 発表者やパネリストも含め、参加者はラフな服装の方が多かったです。別にそれはいいのですが、2日目はとくにシャツにしわの目立つ方が多く、少し気になりました(吉田望さんとか)。そりゃ形状記憶ワイシャツを選択し、着替えまで用意してた私の方が変なのかもしれませんけど、綿シャツ業界はワイシャツ以外の商品についても形状記憶機能を導入すべきだと思いますよ。形状記憶ワイシャツでアイロンがけ不要の便利さを知って以来、ずっと思っていることなんですけど。それとも、世間ではあのしわが人気あるのかな。あと、化繊のTシャツを洗濯された方は正解。あれはよほどひどいことをしなければしわにならないもんね。
- 小倉秀夫さんの顔はブログの写真通りでした(当たり前)。
- 崎山伸夫さんに挨拶しようというのがひとつ大きな目的だったんだけど、無事にできてよかったです。加野瀬未友さんも会いたかった相手。いい人でよかったです。その他、一部で有名な方々にたくさんお会いしたのだけれども、話題を用意できなくてもったいなかったな……。話題がなくても楽しく話せるような方(私のコミュニケーションスキルが低いために、よほど波長が合わないと無理)はいなくて、ほとんど「はじめまして、こんにちは」のレベルでおしまい。うーん。
- そういえば徳力基彦さんとは少し話をしたけれど、ちゃんと自己紹介しておけばよかったと思う。
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注意書き
- 筆者は徳保隆夫(とくほたかお)です。1980年愛知県生まれ。千葉県成田市育ち。メーカーに技術者として就職後、関東各地を転々としています。……という設定です。
- 私の文章は全て実記ではなく小説なので、客観的事実と異なる記述を多々含みます。
- 著作権は主張しません。詳細はInfoで、過去ログなどはNoteでご案内します。