趣味Web 小説 2005-09-26

Advice347 旅の仲間と愉快なその他大勢(主にイシリアン大公)

ご依頼人と Web サイトのご紹介

『ホビットの冒険』『指輪物語』など、J・R・R・トールキン氏の各作品のファンページです。メインコンテンツは二次創作だそうで、この道もいろいろあるものですね。じつはキャラ立ちしている人気シリーズ小説には、多かれ少なかれ二次創作に励むファンがついています。京極夏彦先生の京極堂シリーズや島田荘司先生の御手洗潔シリーズの二次創作は有名。トールキン先生もまた例外ではなかった、というわけ。

管理人のせらさんは当然、映画「ロード・オブ・ザ・リング」もたいへん楽しみにされていたようで、映画の感想その2その3も熱い語りが楽しい。原作への思い入れが深いだけに、概ね納得のいく映画でよかったですね。

いずれにせよ、かなりの歴史を有する大きなサイトです。表紙はあっさりとまとめていますが、二次創作企画ものを全部見て回るのは簡単じゃありません。積み重ねは大事。

ご相談の内容

テキストサイトなので、できるだけ軽く、マルチクロスブラウザを目指しています。移動の際、クリックが少なくて済むように、と考えています。第三者の目から見て、どんなものかなあと思います。それと、カウンターですが、多い日と少ない日、波があるような感じです。アドバイス、よろしくお願いします。

アドバイスいろいろ
1.

マルチクロスブラウザとは何を指す言葉かよくわかりませんが、一般的な視覚系ウェブブラウザではおそらく意図通りの表示結果が得られているようですね。少数派への配慮をチェックするために、仮に画像を消してみても、やはり問題なく閲覧できました(非常にコンテンツが多いので例外が存在する可能性はあります)。フレームを利用できない環境への配慮もある。読み上げブラウザの利用者も概ね問題なく利用できそうでした。立派なものです。

ソースを見ると、どうもタグをひとつひとつ書いているようですね。それなら(古いコンテンツは今のままでいいから、これから新しく作成するコンテンツだけでも)テーブルレイアウトではなくスタイルシートでデザインした方が簡単なんじゃないかとは思いました。しかし長く同じデザインのままコンテンツを増やしてきているようなので、勉強する面倒の方が勝るかな。

現在のデザインが良いか悪いかと問われると、困ってしまう。まあ、少なくとも悪くはありません。黒背景にグレーの文字、もう少し薄いグレーにした方がいいとは思う。グレーの背景にグレーの文字、もう少し明度差がほしい。白背景のコンテンツと黒背景のコンテンツが混在しているけれど、その切り分けがよくわからない。あまり効果的ではないのではないか? リンクの青と見出しの青の色味が近過ぎる。リンク色の不統一が気になる。……いろいろ欠点を挙げることはできますが、すべて瑣末な問題です。訪問者数には関係ありません。

欠点を修正するのではなく、美点を増やすという観点からデザインの改善を図ることも可能です。もっときれいに上質にまとめなおすことはできましょうが、別に、そうしたところで訪問者数にはほとんど影響しないはずです。美人は三日で飽きて云々は嘘ですすが、誇張された表現の中に真実が眠っているのは事実でしょう。経理課に美人がいるとして、ただ彼女の美しさにひかれて集まる人がどれだけいるでしょうか。用もないのにやってくる人数なんて高が知れています。

趣味のウェブデザインにおいても話は同様であって、素晴らしい見た目はとくに必要とされていない。大切なのは中身なのです。極端に人を不快にさせるデザインでさえなければよく、せらさんのデザインは、そのレベルは十分にクリアされています。

2.

ナビゲーションは概ねよくできていると思います。

二次創作のメニューページは、記号ひとつひとつに別ページへのリンクが割り当てられているので、どうにもクリックしにくい。これは気になりました。スクロールバーをなるべく出したくなくて文字数を削ったのでしょうが、疑問が残ります。続き物などはプルダウンメニューなどで処理する方がスマートでしょうし。ただ、いったん仕組みを理解して慣れてしまえば後は(さして)問題ないので、現状維持でもいいような気はします。

クリック数を減らすためには、究極的には全ページに他の全ページへのリンクを用意すればよいのです。企業サイトでは、いろいろな手法を駆使して、それを実現している事例もあります。ただまあ、くどいといえばくどいですよね。それに本文よりナビゲーションの方が分量が多いというのも、正直、疑問を感じます。(注:企業サイトではマウスを乗せたときだけ子メニューや孫メニューを表示する仕組みを採用することで、ナビゲーションを折り畳むことが多い)

朝日新聞社のウェブサイトが1日1000万ページビューだそうですが、ソースを見れば分かるのですが、ナビゲーションの方が本文よりずっと分量が多い。私は変だと思うけど、読者は気にしていないということですね。案外、そういうものなんです。だから真似をしようね、といいたいわけではない。私もそんなの、やってないですし。

では一体、何をいいたいのかというと、「究極の到達点は分かっているし、それは実現可能だけど、やらない、そういった見切りが必要だ」と。これは趣味でもプロでもたぶん同じで、ナビゲーションの充実にばかり力を割くことはできないのですね。プロなら予算と納期、趣味なら意欲と暇な時間に限界がある。つまらないことをいうようですが、適当なところで折り合いをつけざるを得ない。

たいていの人は無意識に壁にぶつかっていて、だからいっつも不満顔だったりするわけです。私は、意識して妥協することを勧めたい。納得して一歩引き下がるなら、「足るを知る」近道となるのではないでしょうか。表面的には、同じ結果に到達するのかもしれませんが、内面には差があると思うのです。

3.

アクセスに波があるのは、大手サイトでも同様です。心配ご無用。なお、映画が公開されてから日が経ってきますので、長期的には期待されるアクセスは低落傾向にあるという予測は立ちます。ただしライバル(?)の更新がだんだん途絶えていくので、更新し続ければアクセス増の可能性もあります。

アドバイスは以上です。

関連記事一覧

Information

注意書き