趣味Web 小説 2005-11-05

懇談会のあるべき形

先日書いた記事、2ヶ月に1回、1~2時間でも多すぎる?の続編です。

「なんじゃコレ、大事な内政の話しを1ケもしてねぇじゃん、最初に話題に出した国民投票法案なんて5番目くらいの話しじゃないの」っていうのが素直な感想です、今回参加したブロガーさんって皆さんおカネに困っていない人みたいですね、庶民の生活の現場は相当に厳しいですよ、こういう機会をもっと大事にして欲しいです、政治家に相手にされなくなるんじゃないですか、危機感を持ってください、宜しくお願いします。

こういうことを仰る方って、地元選出議員や地元選挙区候補者の集会に出たことがないのでしょうね。政治家に庶民の生活の苦しさを訴えたければ、そういう場所で好きなだけ訴えればいいんですよ。繰り返しますけれども、一有権者として物をいうだけなら、苦労は要らないの。「地元の有権者なんですけども」って事務所に電話して問い合わせたらいい。政治家が庶民に対して壁を作っているなんて、嘘ですよ。庶民が勝手にそう思い込んで、敬して遠ざけているだけなんです。

だから、代表をはじめ何人もの議員を集めたブロガー懇談会は、「ネットの有識者にネットのお話を伺う」内容でなければおかしい。こんな贅沢な場で、門外漢が政治について語るべきじゃない。大政党の代表が庶民の面会要求に全て応えられるわけがない。だからマスコミが代表質問を行い、庶民は地元の集会で意見をぶつける、という仕組みになっているのです。ブロガーがマスコミ並みの影響力を持っているなら、マスコミの真似事をしたっていいですよ。でも実際にはそうではない。

ブロガーは、ネットでの情報発信について詳しいだろうから、それに関した話をする限りは一定の特別待遇をされていい。しかしミーハーに政治家をつきあわせるべきではありません。

先般の民主党の懇談会でブロガーを集めた意味があったのは、ほぼここに記載されているやり取りの部分に限られると思う。とりあえずこのやり取りがあったことをもって、開催してよかったということはできなくもない。ただ、私はやはり、支払ったコストに見合っていないと思うのですね。代表をはじめ、あれほど多くの議員を集めて、あえて露悪的に書けば「たったこれだけ」でしょう。損得でいえば、損だったと思う。

議員さん側が、全員、本人でなく秘書だったなら、まだ理解できます。「では、今日お伺いした話を、まとめて先生方にお伝えします」とかですね。だって、それでいいはずなんですよね。議員さんの声が大切なら、議員当人の出席が必要かもしれない。けれども、ブロガーの側が、自分の得意分野について語ることがメインなら、その発言をまとめた資料を後で議員さんが読めば十分なのです。

あと、ネットの速報性だの途中経過も含めて全部公開するだの、といったことをいうのであれば、懇談会をビデオカメラで撮影して、終了直後にネットで全部公開すればいいのに、と思う。サーバ代金がネックならば P2P で流したっていい。今回、動画はないようだけれども、録音記録はあるそうです。ならば、そのまま公開すればいい。次回は顔出しOKのブロガーだけを集めて、ぜひ動画を完全公開してほしいと思いました。

電話をかければ、全力ですか? 電話だと説得力が増すわけでもなく言論に全力も何も無いでしょう。

ブログに記事を書いてトラックバックしても、それが読まれるとは限らない。だから、意見を伝えるなら電話の方が確実だろうと思います。したがって、言葉足らずは認めますが、本気で主張をぶつけたいならば、電話を(も)用いるべきでしょう。……という程度のことを、いいたかった。

あと、泉さんの足を引っ張る方法はいろいろあります。泉さんを批判する記事をウェブで公開しておけば、検索エンジン経由などで泉さんの目に留まる可能性があります。そのとき、ガッカリしてやる気をなくしていただければよい。民主党へ密告するべきとのご意見はごもっとも。ただ、泉さんがくじけるか、民主党が泉さんを拒絶するか、いずれでもよいわけです。私は、前者を目指しました。もちろん両方を目指してもいいし、民主党だけに働きかけてもいいのですが。

徳保さんにとって意味のあるものが社会にとって意味があり、徳保さんに無意味なものは社会にも無意味と思いたいだけなのではないかと思いました。

それは否定しません。

民主党の幹部に時間を割いて欲しくない他に時間を使えとでも言う事でしょうか。それであれば、「地元で議員を捕まえろ」と仰った事は矛盾だと思いました。地元だろうが、党本部だろうが、無駄な時間だというなら同じ事でしょう?

違います。選挙区選出議員は、次回の選挙で当選するために、地元に支持者の輪を広げたい。だから、支持者の集会に参加すれば、一票への期待と引き換えに会ってくれます。ただし個人で会いに行っても、議員にとって非効率なので、おいそれとは時間を割いてくれないでしょう。

ブログが社会的な影響を及ぼさないという発言が個人は社会的な影響を及ぼさないと等しいと思ったわけです。

私は、ブロガーが「ブロガー」として政党幹部と会っていながら、一有権者としての発言をしていたから批判したのです。一有権者として会うなら、それなりの会い方というものがある。政党の幹部に対して、ブロガーが政治を語りたいなら、政治評論家としてマスコミで発言できる立場になってからやればいいのです。

今、何となくブログがブームみたいなことになっていまして、暫定的に過大評価がまかり通っているわけです。だから泉さんが前原さんに会いたいといったら会えてしまう。それは許可を出した民主党側の問題でもあるのですが、泉さんの悪乗りともいえます。「ブロガーの価値」を売る泉さんからすればチャンスなのでしょうが、実態に見合わない値段で買わされた側は差し引きで損失を出しているわけで、売り手にも反省が必要だと思うのです。

政治家に甘く、泉さんにばかり厳しいアンバランスな立ち位置ですが、現状ではバブルに乗っている人が多いので、当面私はこのスタンスで書いていきたい。

今回は議員さんのところにもトラックバックしておきます。

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