趣味Web 小説 2005-11-06

皇室典範改定問題の論点メモ

勉強になりました。

側室を廃止し、庶子相続も禁止。養子も不可。女子が結婚したら皇籍離脱。いったん臣籍降下した元皇族の皇籍復帰を認めない。男系男子のみが即位する。これだけ多くの制約を課した上に、11宮家50余人の皇族を一挙に臣籍降下したのだから、遅かれ早かれ問題が生じることはわかりきっていたのだと思う。

今、話し合われているのは、天皇家を存続させることを前提として、いずれの規則を緩めるのが妥当かということ。

男系相続を守るならば、女性天皇を認めたところで1代の延命にしかならない。よって、論外の主張を廃すれば、男系にどこまでこだわるかが最大の争点となります。男系を守る方法としては、皇籍復帰を認めるか、旧皇族を養子にとればよい。現在、旧宮家の末裔に独身の男性が8人ほどいらっしゃるのだそうです。一方、ウルトラCの解決策として、女帝の夫に旧皇族の末裔を迎えることができれば、男系が守られるのと同じことになる、といった主張もありました。

ただ、養子や旧皇族との結婚という形で皇統を守るとなると、子宝にたくさん恵まれない限りは、また近い将来、皇統断絶の危機を迎えます。したがって、「三笠宮や高円宮の女王殿下らが結婚される前に女性皇族の皇籍離脱を選択性へ変更し、また女系相続も認める他ない」という主張と、「大規模な皇籍復帰を行うべし」との主張が対立しています。前者にはやはり旧皇族末裔との婚姻による事実上の男系維持を求める声がありますが、伴侶の選択は当人たちの意思なので、難しいようです。

男系相続の伝統なんかどうでもいい、という主張はないようです。女系容認論者の主張は「致し方ない」なのです。ただしやはり、女帝の夫殿下や、宮家の女王殿下の夫殿下をどう選ぶかという難題が、解決困難な課題として残さるようです。

あと本題からは外れますが、有識者会議の議事録を読むと、専門家等のお話を伺う際、園部逸夫委員(元最高裁判所判事)だけがまじめに質問などしていて、司会も務める吉川座長は多少の発言録があるものの、他の委員は寝てるんじゃないかという感じ。「まったく近頃の学生は……」みたいな意見をよく聞きますけれども、手本となるべき方々がこんな調子ではね困りますね。

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