趣味Web 小説 2005-11-18

タイトルだけ見て脊髄反射する人々

一番いいのはサラリーマン

二年後↓

サラリーマンなんか今すぐやめなさい

?B のコメント一覧を見ると、見事に脊髄反射の嵐。タイトルだけで判断する軽薄さ。

1998年7月

一番いいのはサラリーマン―苦境を乗り越える新現場発想 文庫版(2002年6月)

2004年4月

サラリーマンなんか今すぐやめなさい

もともと堀紘一さんはどこかで聞いた話を裏取り無しで書いてしまう困った方なので、あまり弁護したくはない。しかし「愚者の嘲笑」を看過するのも気持ちが悪い。

1998年の「一番いいのはサラリーマン」は、要領が悪くて損をしている庶民に向けて書かれた本です。コツを押えて仕事をすれば、そこそこの成果を十分に出すことができるはずで、きっとあなたにとってサラリーマンはいい職業だと思うよ、という内容。一方、能力にあふれている(はずの)幹部候補生たち=ビジネスパースンに対しては、高い目標を持って頑張れよ、とハッパをかけています。

2004年の「サラリーマンなんか今すぐやめなさい」は主にエリート層に向けて書かれた本です。ビジネスパースンとして身を立てたいなら、(狭義の)サラリーマンをやってちゃダメだ、という内容。もう自然と年功序列で偉くなっていく時代は終っていますよ、ってわけ。

庶民には要領よく仕事して失業と不健康を回避する方法を、ビジネスパースンには高いレベルを目指すことを説く。現実には、庶民は要領が悪くて社会から脱落寸前であり、ちょっと出来のいい人は慢心して怠けている、それでいいのか……というあたりに著者の問題意識があるというわけです。

つまり、別に何の矛盾もないのですね。想定読者層が違うだけ。

追記(2005-11-24)

当該記事はジョークとして面白く、明るい笑いの種とすることには問題がないでしょう。しかし ?B のコメント群には誤解に基づく嘲笑の空気が色濃い。私は ?B ユーザを批判対象とした一方、とくに id:RELOAD さんを免罪しませんでした。微妙な判断ですが、手品を超能力に見立てるショーは悪くないが、本当に超能力と誤解する人が多い「場」においては、多少の解説があって然るべきだと私は思うのです。

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