同じ課で仕事の種類は一緒なのに、早く帰る人とそうじゃない人といるのはどうしてですか?
という質問に、michy さんはこう答える。
早く現実を知っておくことはいいかな、と思って、あえて説明してみました。
- 自分で調べられることを調べなかったり、自分の部署内で情報共有しとくべきこと先輩に聞かずに、相手になんでもかんでも聞いてると、答えが返ってくるまでは仕事をしなくてもいいし相手も説明に疲れて端折った説明をするので自分もざっくり理解してすませて手間が減るってことを。
- 右から左に仕事を回してると、自分の手間はかからないってことを。
- そんな会社の中の人間としての付加価値を産まない仕事をやってたら、誰も信用してくれなくなって、ますます仕事が減るってことを。
- でもそんなことは絶対にやらないで欲しいってことを。
- また、子供が小さいなどなどいろんな事情がある人もいて、会社もその事情を理解して、早く帰ってる人がいるってことを。
- うまくマネジメントして、自分が抱えられる量だけを抱えてる人もいて、それが一番賢いってことを。
- 体力以上に無理をして体を壊されるのが、なにより一番会社にとって困るってことを。
- いつも丸投げをするのはよくないけど、きちんと担当部署に連絡したり、担当者に確認したりするのは重要だってことを。
- 後輩を育てるときには、同じことに気をつけて欲しいってことを。
そういう説明もあるのだろうけれども、新人君も中学校は卒業しているのだろうから、まず社会科(公民)で習ったことを思い出させることから話をはじめるべきだと私は思う。michy さんの説明には、初歩的な枠組みの解説が抜け落ちている。
定時に帰るのは労働者の権利であり、時間内に終らない仕事を割り振るのは上司が悪い。残業は上司の割り振りミスから生じるもので、労働者は必ず残業代をもらわねばならない。残業代を払わない会社は、法令に違反している。世の中に仕事のできる人間とできない人間がいるのは当たり前で、だから給与格差とか昇進の差が生じる。各自、分相応に仕事をすればよい。
ようするに、定時で帰る労働者こそ正しいのであり、平気な顔して残業してる方がおかしいのだ。
こういう原則をきちんと教えないでいると、「定時で帰る奴はクビにすればいいのに!」といった空気が職場に蔓延する。失業者は税金で生かすのだから、基本的人権を尊重する現代の日本社会においては、できの悪い仲間を会社から追い出して気分爽快になったって、大局的には無意味なことだ。定時に帰る人が「申し訳ない」と引け目を感じたり、無能者のレッテルを貼られたりするような文化が払拭されない限り、過労死は減らない。日本の労働者は幸せになれない。
それなのに michy さんはちょっと、私って熱血チューターっぽくないですか?
なんて自画自賛
している。だから michy さん自身が駄目駄目
と認めるような組織が、生き残っていく。ダメなものをダメなまま維持する文化に加担して胸を張っていてはいけないと思う。
「そうはいってもさ……」というあたりは、わかるつもり。会社なんて、そうそう選べるものじゃなし、今の勤務先で幸せに生きていくには、嫌な世界を支える嫌な価値観に染まっていくしかないのかもしれない。人がみな強く生きていけるわけがない。そうして不幸の再生産が起きてしまう。どうしようもない。悲しい。
なんだこれは(と、驚いておくことにする)。ようするに、過当競争なのだと思う。システム構築業の世界は、昔から同じ問題を解決できずにいるらしい。多分、デフレが解消されても、そして日本全体の景気がよくなっても、この業界はやっぱりうまくいかないに違いない。
以前、話題になったデル社の虚偽採用事件の詳報。許しがたい事例だと思う。