趣味Web 小説 2005-12-07

一貫性を他者にばかり求めても

つまり、インスパイヤを批判する人はこのVIP STARも批判しなければいけないし(無償だからいいという言い訳は成り立たない)、VIP STARをおもしろがっててこういうのがもっと広まればいいなあという人はのまネコぐらいのことは片目つぶってあげなければならない。でないと、「オレはいいけどあいつはダメ」になっちゃうからね。

というわけで、コメント欄が見飽きた展開となっているわけですが……。

のまネコ問題に対する 2ch 住人側の主張は、崩されても崩されても何かしら難癖つけて、という展開となったわけだけれども、なぜそのようなグダグダが許されたのか。多数派の支持を失わなかったのか。それは、理由が先にあって結論が導かれたのではなく、結論が先にあって、理屈は後付だったからです。そういうことは別に珍しくも何ともない。そして、結論さえ多数派に支持されれば、多数決が有効な世界では、多数派が勝つ。

松永さんの批判は、2ch 住人(の一部)が法的に云々ということを旗印にしていたことを皮肉ったものですが、そんなところを突いたって、2ch 住人には通用しなかろう。それは、「連中はバカで論理的な思考ができないから」ではない。ようするに、2ch 住人の信じる正義と法文とが合致していない、ということに過ぎない。であれば法なんか持ち出すなよ、といいたいのかもしれないが、使える道具はみんな使う、多数派の正義を守るためなら、その無節操が許される、という話でしかない。

法律は常に不完全に執行されます。死刑囚がちっとも死刑執行されないのだって、本当は法律違反だけど、「絶対に法律を守れ」という人は多くない。ではそのような人は、法律の曖昧な運用について批判する資格を持たないのか。そうではないだろう、と。なぜ、そうではないのか? これは難しい問いだが、ようするに、多数派がそれでいいといっているんだ、と答えれば話はスッキリする。

「価値観の違い」としかいいようがないのですね。松永さんが、ある程度の著作権侵害は認めつつ、ときには著作権を持ち出して他者を難詰することがある事実を「一貫していない」というのと同じようなものだろう。2ch 住人が都合のいいときだけ著作権侵害とか言い出すのと、本質的には変わらないのでは、と思う。2ch 住人だって、「法律は大切」だけど「野暮はいわないで」と思っているに違いない。

何が野暮で、何が野暮でないか、それが問題なのです。

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