趣味Web 小説 2006-01-05

選挙制度改革の行方

な、なるほどー!! と、年初から感動した記事。結論は以下の通りですが、なぜそうなるのかは、ぜひ本文でお確かめください。

 国内対立が厳しい国内対立は緩い
争点は1つ二大政党制・比例代表制二大政党制・小選挙区制
争点は2以上多党制・比例代表制多党制・小選挙区制

ごちゃごちゃと考えていたことがスッキリと説明され、霧が晴れて視界が開けたときの爽快感に数分間浸りました。ただ、紹介されている本「民主主義対民主主義―多数決型とコンセンサス型の36ヶ国比較研究」は面白そうなのですが、値段がちょっと……。ページ数はそこそこだから、立ち読みしてみて読了確実と思えたら買ってみようかな。

正月休みは雑誌の未読記事を片付けるばかりで、結局、本は2冊しか読めず。実家に帰ったので、家族と話をして日を過ごしたというのが一番大きいのではありますが。ともかく最後の切り札をうまく使えなかった以上、未読本の山は引越し先まで持っていく他なさそうです。

ところで、

ちなみにwebmasterの管見では、あと30年ほど、つまり高度経済成長期の社会変動前の世代がほぼ死に絶えるまでの間は「国内対立が厳しい」でしょうから、その間は比例代表が望ましいのではないかと。

この結論には疑問が。なぜ昔から叫ばれ続けてきた「政治改革」が冷戦終結を期に具体化し、そして選挙制度改革という形で決着したのか、私は bewaad さんの記事を読んで、ようやく納得できたように思うのです。つまり、本当に厳しい国内対立が解消されたと国民の集団知が判断したのがあの時期だったのであり、その結果としての選挙制度改革、そして二大政党制を志向した政界再編と革新系政党の淘汰・縮小だったのではないか。

今後、衆議院と参議院から比例代表の議席を削っていくのかどうか、そのさじ加減は、「原因」ではなくむしろ「結果」として捉えるべきなのではないか。私は政治も経済と同様に「神の手」のようなものが働く世界という直観的認識(笑)を持っており、制度への省察からスタートする議論には乗れません。ただしもちろん、現在の制度は通過点であり、究極の結論ではない。したがって、「結果」としての制度の擁護と同時に、制度と現状のズレにも、もちろん注目していくべきだと思います。

首相の年頭挨拶を見るに、構造改革とは不良債権処理であり、それは実行されたことになっている。「その路線はりそな救済で放棄されたんじゃないの?」という声がかき消されてしまうことに、いわゆるリフレ派は不満が残るのではないかと思います。しかし首相のいう「構造改革」とはかくも融通無碍の定義不詳ワードに過ぎなかったわけで、「エコノミスト・ミシュラン」などが煽ったほどの対立は、なかったのではないか。経済問題に限らず、万事この調子という印象があり、概ね多数派に属する人々の間には表面的な言葉の応酬から連想されるほど国内対立は厳しくないようなのです。

現状の日本社会は比例代表志向か、それとも小選挙区志向か。やはり小選挙区比例代表並立制を採用し、そして比例代表の議席を削減して凪に入った状況に変化はないものと思います。仮に多少の変化があるとしても、衆議院の比例代表枠が削減・廃止されるなら参議院の選挙制度は維持され、参議院廃止なら衆議院に一定の比例枠が残る、そんな形で当面はバランスしていくでしょう。完全小選挙区制を採用するほど国内対立がないわけではないが、完全比例代表性に向かう状況にもない、と。

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