まさかこんなに伸びるとは思わなかったな……。魔法のiらんどの競合サービスなのですが、ブログブームの中でニッチな市場を制覇したということか。というか、魔法のiらんどがあまりにも進歩しなさ過ぎたということのような気がする。
コミュニティ機能の充実ということにかけてはカフェスタなどの方がよく、あるいは mixi に招待されたら楽しいだろう。単に日記を書くだけなら、いわゆる携帯メインのブログサービス(Realog など)の方が便利だったり、パソコンから閲覧する分にはきれいだったりする。あえてウェブサイト作成機能を売ったところにフォレストページの特色があるのですが、なぜライバル社がまともに対抗策を打ち出せなかったんだろう。
カフェスタの不自由さは前身のガイアックスに勝るとも劣らなかった。しばらく会員が増え続けたので必要を感じなかったのだろうし、mixi の成功もあったわけだから、まあ仕方ないのだろうが……。一方、魔法のiらんどは自由といえば自由だったけれど、便利なツールを準備できなかった。
とまあ、後知恵でゴチャゴチャいうことはできる。できるのだけれど、「これくらいの不自由さがウケる」という匙加減は難しいよね。フォレストページ、実際にいじってみればわかるのだけれど、これまでふつうにウェブサイトを作ってきた人は、「たしかにポチポチ選択していって、空欄を埋めるだけでサイトを作れるのはいいけどさー」と釈然としないのではないか。
フォレストページとは、簡単にいってしまえば、最大20個のコンテンツをダイアログ形式で設置できるウェブサイト作成システムなのです。作れるコンテンツは「ミュージックボックス」「掲示板」「日記」「チャット」「新しいページ」「メールボックス」「お友達リスト」「アンケート」「リンク」「テキスト」「ブック機能」「プロフィール」「辞書」「Web拍手」の13種類。20のコンテンツを組合せ、順番などを決め、トップページのコンテンツリストの上下に挿入する内容を設定する。これで完成。サイト内のナビゲーションリンクの作成など、面倒な部分はぜんぶ自動で作成される。
ブック機能を使えば、たくさんのページにまたがるコンテンツも簡単に作成できるので、小説コミュニティが発達しています。しかし20作品しか書けないで満足できるのか。じつは Senza temp のように、複数のフォレストページを連携させればよいのです。でもね、やっぱり不便は不便ですよ。
たしかに、携帯電話からの利用という極限の制約下において、これがひとつの正解であった、という結果は納得できる。しかしこの違和感は如何ともし難い。私がコンサルタントだったら、フォレストページは成功しなかったろう。
魔法のiらんどは長らくサーバが不安定だった。フォレストページが月間15億PVを達成できたのは、優秀なサーバ技術者を雇い、投資もすることができたから、なのかも知れない。高度なサーバ技術は mixi 成功の重要なポイントでもあったという。